モーニング娘。'23 譜久村聖から北川莉央へ受け継がれるもの 25年間変わらない“魂”

譜久村聖&北川莉央が語るモー娘。の“魂”

譜久村聖加入から大きく変化したモーニング娘。像

モーニング娘。
ーーモーニング娘。のこれまでを振り返ると、譜久村さんが加入した頃の2011年から現在まで、グループの形は大きく変化したように感じます。大きな転換期の一つが、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018』への出演ではないでしょうか。

譜久村:これまで自分たちが当たり前にやってきたことが評価されたのは嬉しかったです。2019年は一番大きなGRASS STAGEに出させていただいて。本当にたくさんの人にモーニング娘。が届いているんだと感じました。

ーー2020年頃からは新型コロナウイルスの流行で思うように活動ができない時期が続きますが、この頃からハロー!プロジェクトでもSNSの活用が盛んになったイメージがあります。

譜久村:コロナ禍に入って「踊ってみた」動画をYouTubeに投稿したりしました。世界中のファンの方が「踊ってみた」動画を投稿しているのは知っていたので、私もファンの1人としてBerryz工房さんの「アジアン セレブレイション」の「踊ってみた」を投稿しました。私自身すごく楽しかったですし、この動画をみて元気が出たという声も届いて本当に嬉しかったです。

ーーハロー!プロジェクトは歴史が長い分、新しいことを始めることに対してのハードルが高いと感じたことはありますか?

譜久村:「踊ってみた」を出した時はあまり抵抗はなかったのですが、モーニング娘。がSNSに飛び立つ瞬間は緊張しました。これまで前向きにSNS発信をするグループではなかったので、コロナ禍でSNSでしか届けられないっていう状況の時に、どうやったらファンの皆さんに楽しんでいただけるかなと苦戦しました。でも、あの時にハロー!プロジェクトとアップフロントグループ所属タレント全員で「愛は勝つ」を歌って私自身も元気が出ましたし、最近加入した井上春香ちゃんがあの動画を見て感動したと話してくれて、YouTubeだからこそ色々な世代に届けることができたんだと思います。SNSについては、色々なグループがあるのがハロー!プロジェクトの良さだと思うので、それぞれのグループの特色が活きるように活用した方が良いのかなと思います。最近だとOCHA NORMAのSNSがすごく活発で、TikTokもよくバズっているのですが、アイドルにあまり興味ない私の兄もOCHA NORMAを知っていて。SNSに力を入れているからこそこれまで届かなかったところにもグループの魅力が届くのかなと思います。

ーー少し気が早いですが、30周年公演が今から楽しみです。譜久村さんがモーニング娘。に加入した2011年と比べるとハロー!プロジェクト全体で女性ファンがかなり増えたように感じます。ステージの上から見てもその実感はありますか?

譜久村:私がモーニング娘。に加入した時、女性ファンは全体の1割くらいしかいなかった気がするのですが、私の体感では2014年頃から増えたように感じます。色々な理由があると思うのですが、オタク文化が一般化したタイミングでハロプロのTシャツが黒になったりしておしゃれな雰囲気にちょっと変わったんですよね。それもあって女性ファンが入りやすくなったと思いますし、昔から応援してくださるファンの皆さんも受け入れる体制が取れていて、初めてコンサートに来た方にも優しく接しているようで、本当にファンの皆さんが優しいおかげで幅広く応援していただけているなと感じます。

北川:私が加入したタイミングは、ちょうど女性ファンが増えている途中だったのですが、コロナ前の握手会とコロナ禍以降のお話し会ではかなり変わった気がします。ブログを見ても女性からのコメントが増えたなと感じます。

25年間変わらないモーニング娘。の“魂”

モーニング娘。

ーーそのように、どんどんグループの形が変化するモーニング娘。ですが、その中で25年間変わらない魅力はなんだと思いますか?

譜久村:私は楽曲と同じだと思っています。つんく♂さんが作る曲は流行りに乗るだけでなく、どの時代からも愛される楽曲だと思うんですよ。“古き良き”も大事にするし、新しい時代のものも大事にする。その中でブレないリズムがあるから続くんだなと思います。

北川:私は“魂”だと思います。どんなに初心者の状態で入ってきても気づいたらモーニング娘。の魂を持ってるというか。楽曲に対する考え方とか、例えば新しい曲をいただいた時、その曲にどれぐらい向き合うかっていうのが、グループの中にいればどんどん強まっていきますし、気づいた時にはその魂を受け継いでいるので、それはずっと変わらないものだなって思います。ステージへの向き合い方とかもどんどん真面目になっていくというか。最初はやっぱり難しいなとか、大変だなっていうことだけしか考えられないんですけど、先輩を見ているとどんどん私はこうなりたいという気持ちも芽生えていきますし、そういう思いが今まで続いているなと思います。一人でもその魂が抜けていたらステージがかっこよくならないと思うし、完成しないと思うので。モーニング娘。はパフォーマンスがすごいって言われ続けているのは、やっぱり先輩が後輩にそういう魂を継承してくださっているからだなというのを感じます。

譜久村:私も、未だにレコーディングの時に、田中れいなさんだったらどうやって歌うかな とか、新垣里沙さんだったらどうやって歌うかなって考えながら歌います。でもそれは先輩だけじゃなくて。パフォーマンスに関して先輩後輩っていうのは全く関係ないって思っているので、尊敬する部分とか素敵だなと思う部分を後輩から学ぶことも多いです。先輩から後輩に受け継ぐだけじゃないというのがモーニング娘。だな、と。グループへの愛があるからこそできることだと思いますし、「みんなでモーニング娘。を輝かせていこう」という意識があるから輝き続けられるのかなと思います。

「“かっこいいハロー!プロジェクト”を守っていきたい」

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ーー北川さんは譜久村さんが卒業したあと、グループをどのようにしていきたいと考えていますか?

北川:「穴を感じさせたくない」って思います。やっぱりモーニング娘。の中心にずっといてくださったので、卒業されたらそこの穴を感じることもあると思うんですよ。歌でも、ダンスでも、メンバーの精神的にもあると思うんですけど、それを感じさせないように一人ひとりがもっとパワーアップして埋めていきたいですね。

ーーグループだけでなく、女性アイドルシーンの中でハロー!プロジェクトはどのようなものに変わっていくと思いますか?

北川:良い意味で“現状維持”をしたいと思っています。ハロー!プロジェクトというブランドが確立されているので、“パフォーマンスがかっこいいハロー!プロジェクト”というポジションを守っていかないといけないな、と。

ーー譜久村さんはこれから“自分がいないモーニング娘。”を見ることになります。

譜久村:楽しみで仕方がないです。モーニング娘。を好きな後輩たちがこれからどのように輝いてくれるんだろう、どんなものを見せてくれるんだろうと思っています。私たちが経験できなかったことをどんどん経験して、夢を叶えていってほしいです。

北川:その夢を叶える時に自分がグループに対して貢献できるようになりたいです。

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