岡崎体育、多種多様なコラボやカバーで楽しませる『OT WORKS Ⅲ』 同時発売のアナログ盤SG『サブマリン』でも持ち味発揮

岡崎体育『OT WORKS Ⅲ』レビュー

 岡崎体育が『OT WORKS Ⅲ』を10月4日にリリースした。本作品は、タイアップやコラボレーション曲などが収録されたコンセプトアルバムの第3弾となる。前作、前々作でもさまざまな作品やアーティストとのコラボで驚かせてきた岡崎体育だが、今作でも多種多様なコラボで我々リスナーを楽しませてくれる。

 たとえば、言わずと知れたフラワーカンパニーズの名曲「深夜高速」のカバー。三井住友フィナンシャルグループのCMソングとして起用され、大きな話題となった。本カバー曲は、曲調やメロディは原曲リスペクトでほぼそのままだ。つまり、岡崎体育の歌唱力に全て委ねられていると言っても過言ではない。繰り返し歌われる〈生きててよかった〉のフレーズはとても力強く、改めて彼の表現力を痛感した。原曲の良さやリスペクトの気持ちを感じると同時に、岡崎体育の歌唱力が存分に発揮されている。まさにカバー曲として理想の形なのではないだろうか。

岡崎体育 「深夜高速(Live Version)」Music Video

 初音源化となる「富山におるちゃ」は、NHK富山放送局 マスコットキャラクター「きとっピ」のテーマソングだ。〈なんにもないとか 地味で目立たないとか ションボリすること言われてきたけど その通りなので 反論の余地ないわ〉という自虐から始まるが、〈なんだかんだ言っても富山が好きやちゃ〉という富山県民の気持ちを代弁。タイトルや歌詞に方言を取り入れ、地元民も他県民も富山を身近に感じる楽曲に仕上がっている。岡崎体育の珠玉のソングライティングが光る1曲だ。

 ヤバイTシャツ屋さん(以下、ヤバT)とのコラボ楽曲「Beats Per Minute 220」も本アルバムを語る上で欠かせないだろう。岡崎体育とヤバTは古くから付き合いがある2組であり、これまで岡崎体育がヤバTの曲をリミックスするといったことはあったが、ゼロから楽曲を共同制作をしたのは本曲が初。ヤバTの持ち味であるメロディックパンクサウンドを基調としたメロディに、岡崎体育のラップスキルが絶妙に取り入れられている。疾走感が気持ちいいアップテンポの曲に4人の歌声が入り混じる、賑やかなナンバーに仕上がった。

ヤバイTシャツ屋さん VS 岡崎体育 「Beats Per Minute 220」 Red Bull SoundClash 2022テーマソング

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