ハロー!プロジェクトはこれからもファンに向けて歌い続ける OGも大集結した25周年記念公演レポート

ハロプロ25周年記念公演レポート

 MCを挟み、田中れいな、夏焼雅、鈴木愛理による「FIRST KISS」が披露された。この3人はそれぞれハロプロに加入してすぐの2003年に組まれたユニット、あぁ!として活動しており、そのオリジナルメンバー3人でのパフォーマンスだ。「FIRST KISS」リリース時最年少の鈴木は9歳で、子供が歌うには大人っぽすぎる曲調と歌詞だが、20年経った今聴いても色褪せない楽曲は、リリース時から3人が大人になるまで歌い続けることを予見して作られているようだ。辻希美とBEYOOOOONDS 島倉りかによる「サウスポー」、紺野あさ美と稲場、小関舞による「浮気なハニーパイ」と続き、道重さゆみの名曲「ラララのピピピ」はバックダンサーにJuice=Juice 川嶋美楓とOCHA NORMA 田代すみれを従えての披露となった。「ラララのピピピ」といえば、モーニング娘。の『誕生15周年記念コンサートツアー2012秋 ~カラフルキャラクター~』で鞘師里保と佐藤優樹がバックダンサーを務めたパフォーマンスが現在も伝説のステージとしてファンの中で語り継がれているが、MCでは道重も当時と同様に川嶋と田代への溺愛っぷりも披露。リリースから10年以上経っているが、道重らしいキャラクターは当時から何も変わらない。

 矢口真里、辻希美にアンジュルム 松本わかな、つばきファクトリー 豫風瑠乃と現役メンバーでも小柄な2人が選ばれ披露したのはミニモニ。の「ミニモニ。ジャンケンぴょん!」。現役の2人にとってこの楽曲は生まれる前にリリースされた楽曲であり、オリジナルメンバーの矢口、辻とは年齢差もあるが、4人でぴょんぴょん跳ねながらポップにパフォーマンスしていた姿が印象的だった。その後保田圭、市井紗耶香、宮本佳林によるプッチモニ「ちょこっとLOVE」、矢口、石川、辻、紺野あさ美によるタンポポの「恋をしちゃいました」と続き、モーニング娘。の派生ユニットの楽曲を振り返った。

 MCを挟み、この日総合司会を務めたモーニング娘。初代リーダーの中澤裕子がメインステージで「悔し涙 ぽろり」を披露したのを皮切りにモーニング娘。OGと現役メンバーのコラボステージが続く。2期メンバーの保田、矢口、市井とは「サマーナイトタウン」、4期メンバーの石川、辻とは「ザ☆ピ〜ス!」を披露。途中の台詞パートでは山﨑愛生が歌おうとするも、本家で台詞パートを任されている石川が途中から乗っ取る形になる場面も。6期メンバーの道重、田中は6期のユニット曲である「大きい瞳」をOCHA NORMAをバックダンサーにつけ2人でパフォーマンス。アルバム曲の中のユニット曲ということでマニアックな曲であるが、会場の熱気は凄まじく、現在は芸能界を引退している3人目の6期メンバー亀井絵里も含めて6期の人気の高さを感じることができる。道重、田中に加わる形で高橋と現役メンバーが登場すると披露されるのは“プラチナ期”の名曲「リゾナント ブルー」。本家は特に高橋と田中の表現力の高さに注目が集まる楽曲だが、共演する現役メンバーも喰らいつくというわけではなく、これまで自分たちで歌い継いできた自負を感じられるパフォーマンスとなっていた。続いて保田、矢口、市井、石川、辻も登場し、モーニング娘。OGによる「恋愛レボリューション21」へ。ハロプロファンならもう何度も聴いた楽曲だが、リリースされた2000年からのファンから最近好きになったファンまで全員が踊れる“代表曲”の存在は、老若男女で埋め尽くされた代々木体育館の共通言語として機能していた。

 最後に「ALL FOR ONE & ONE FOR ALL!」を全員で披露しこの日の公演は終了。最後に中澤が「次は5年後。5年後は踊ろうかな」と話すと会場は大歓声で応えた。

 ハロプロは25年の歴史の中で数えきれないほどの楽曲を世に送り出してきたが、過去の楽曲を様々なステージでメンバーが披露する場もかなり多い。それゆえ、リリース時は生まれていないようなメンバーやファンも当然のように楽曲を知っていて、コールで応えることができる。25年の間では当然メンバーも体制も楽曲も流行りも変化するが、それでも歌い続けることで楽曲を過去のものではなく現在のものとして存在し続けることができる。こうした楽曲を介した継承こそがハロプロの魅力ではないだろうか。

 25周年公演の中でも特に初期ハロプロを感じることができる本公演。最年長の太陽とシスコムーンからデビュー前のハロプロ研修生ユニット'23まで、全員が16ビートを刻みながらファンに向けて大切に楽曲を歌う姿は、大きく変化した25年の中で変わらない、音楽を大切にするスタンスが示されているものとなった。

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