NCT、ファンを巻き込みながら新章へ “黄金期”=『Golden Age』で改めて示すグループが持つ可能性
NCTが8月28日、現在所属している全メンバーでNCT 2023として4thフルアルバム『Golden Age』をリリースし、久しぶりのカムバックを果たした。今作は、ダブルタイトル曲「Golden Age」と「Baggy Jeans」を含む全10曲を収録。多彩なカラーの楽曲と、細部まで緻密につくり込まれたサウンド、各楽曲の世界観を完璧に表現しきるメンバーの歌やラップで、気づけばアルバムを何度もリピート再生してしまう魅力を持った作品に仕上がっている。
また、今作は、アルバムとタイトル曲の名前に使われた「Golden Age」が「全盛期」「黄金時代」という意味のギリシャ神話に由来する言葉であることや、「Golden Age」のMVで象徴的なモチーフが多数描かれていることから、NCTが伝えたいメッセージや今後の方向性について、ファンの間でさまざまな考察や議論が沸き起こっている。そこで今回、最新アルバムのレビューを行いながら、NCTの魅力と今後の歩みについて改めて考えてみたい。
NCTは、韓国の大手芸能事務所・SMエンターテインメントより2016年にデビューした次世代グローバルグループ。SMエンターテインメントといえば、独自の世界観を持つコンセプチュアルなグループを数多く輩出している事務所で、NCTも「開放性」と「拡張性」をコンセプトに掲げ、活動グループやメンバーの数に制限を設けない新たなスタイルで活動を展開している。これまでにNCT U、NCT 127、NCT DREAM、WayVといった派生ユニットが誕生。今後はさらにNCT TOKYOとNCTのリアリティ番組『NCT Universe : LASTART』から新グループが生まれる予定だ。一方で、現状では、その新グループの誕生で無限拡張を終了する予定だと発表されている。
そんなNCTだが、今回のカムバックでは所属グループに関係なく総勢20名のメンバー全員が参加。『Golden Age』に収録された10曲は、全メンバーが参加したダブルタイトル曲「Golden Age」以外、楽曲ごとにそれぞれ異なるメンバーの組み合わせを楽しむことができる。例えば、NCT Uのデビュー曲「The 7th Sense」への参加メンバーであるTAEYONG(テヨン)、TEN(テン)、DOYOUNG(ドヨン)、JAEHYUN(ジェヒョン)、MARK(マーク)が7年ぶりに再集結したことで話題となった「Baggy Jeans」はその一例に挙げられるだろう。懐かしい組み合わせのメンバーがクールで印象的なサウンドの中で成熟した魅力を放ったMVは、1700万回再生を超え、YouTubeの「人気急上昇中の音楽」にもランクインしている(8月30日10時現在)。