B'zは味の素&日産スタジアムで計4公演開催 ONE OK ROCK、King Gnu…ドーム/スタジアム級公演を実現するバンドの共通点

 『FUJI ROCK FESTIVAL』、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』、『SUMMER SONIC』といった大型音楽フェスが声出しありのほぼフルスペックで開催されたこの夏。新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し、政府の基本的対処方針が廃止されたことも後押ししてか、音楽フェスだけでなく単独公演においてもスタジアム級のライブが続々と開催されている。

 春にファイナルを迎えたONE OK ROCKの全国6大ドームツアー『LUXURY DISEASE JAPAN TOUR』やKing Gnuの東阪スタジアムツアー『CLOSING CEREMONY』といった若手・中堅アーティストによる大型公演だけでなく、現在ツアー中のアリーナとドーム、スタジアムをまわるB'zの35周年ライブ『LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS-』など、レジェンドアーティストによる大型公演も活況だ。特にB'zのツアーについては、同じ関東圏の味の素スタジアムと日産スタジアムで計4公演がセットされており、途轍もない集客が想像される。このように何万人ものオーディエンスを収容するキャパシティの会場をソールドアウトさせる、彼らのライブの魅力はどこにあるのだろうか? いくつか挙げられる共通点をたどりながら、その魅力を解き明かしていこう。

 まず最初に共通点として挙げられるのは、幅広い年齢層へのリーチ力である。筆者がこの春にONE OK ROCKの東京ドーム公演とKing Gnuの日産スタジアム公演に参加した際に驚かされたのは、オーディエンス属性の多彩さである。ボリュームゾーンであろう10代〜20代を中心にしながら、30代以降の世代にもしっかりリーチしており、親子2代でライブを楽しんでいる姿も見られ、性別の偏りも感じなかった。そして、B'zの過去のスタジアムライブでの記憶を遡ると、より幅広い年齢層へリーチしており、ボリュームゾーンにあたる30代〜40代から、上下の年代に広く染み出すようなオーディエンス構成だったと思い当たる。

 「世代を超えて楽しめるライブ」といった点に最初の共通点を見出すとすると、ふたつめの共通点として、なぜそんなライブが実現できるのか? にフォーカスしたい。それは、誰もが盛り上がるライブ演出にあるだろう。昨今定番化している巨大なLEDスクリーンでの映像演出だけでなく、花火や火柱のような特効も駆使しながら大型会場ならではの演出が繰り広げられる彼らのライブ。ド派手な演出によってセットリストすべての楽曲を聴き込んだコアなファンでなくとも、直感的に楽しめるライブに仕上がっている。例えば、ONE OK ROCKのドームツアーでは、オーディエンス一人ひとりにブレスレット式のライトが配布され、ライブの要所要所で点灯する。一斉に点灯するライトは、まるで光の絨毯のように美しく、会場の後方まで一体感が共有される感動的な演出だ。

ONE OK ROCK - Global Livestream "LUXURY DISEASE JAPAN TOUR"

 また、King Gnuのスタジアムツアー『CLOSING CEREMONY』では、特効演出と超巨大スクリーンを用いた現代アートとも思えるような映像演出の迫力が凄まじく、スタジアム会場ならではの体感であった。そして、B'zもこれまで多くのライブでさまざまな演出を試みてきている。例えば、「LOVE PHANTOM」でのギターから発射されるレーザー光線や高台からダイブする演出が思い浮かぶ。このように一種の祝祭感を創り上げるようなダイナミックな演出にも、彼らのライブの共通点を見出すことができるだろう。

B'z / DVD & Blu-ray「Whole Lotta NEW LOVE」DIGEST

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