音楽フェス参加者が考えるべきこと サークルモッシュやダイブなどに対する賛否について

 『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023』で、骨折者が4名出る事故が発生した。ライブ中のサークルモッシュが原因で起こった事故だという。運営はこの事態を重く見て、サークルモッシュを厳しく取り締まると発表した(※1)。運営側は禁止する理由を丁寧に説明していたものの、この件についてSNSでは賛否が分かれていた。

 ロッキング・オン主催フェスにおいては、過去にダイブによる事故が発生して以降、同行為の禁止を徹底した。ルールを破った者へは退場処分など厳しく対処している。当時もこの禁止事項について、参加者だけでなく出演アーティストからも様々な意見がかわされた。フェス文化において、とても大きな出来事だった。だがその後のロッキング・オンは、「安心と安全」を最優先する音楽フェスを目指すことを貫く。それは理由も含め少しずつ浸透し、観客も出演者も運営の方針に賛同した人が参加するようになったと思う。

 モッシュやサークル、ダイブの取り扱いはフェスによって様々だ。危険行為は禁止ということが前提だが、それ自体を禁止にしていないフェスもあり、それぞれの観客のニーズにあったエリアを設けるなど、幅広く音楽を楽しんでもらうための試行錯誤が見られる。打首獄門同好会が今年の5月にSNSにて、演者視点でダイブ・モッシュに対する見解を発信していた。ここには、なぜそれらの行為を禁止するのか、“黙認”というグレーゾーンの存在なども綴られているが、最後にはケガはないようにという形で締められている(※2)。「ロックの文化」という側面のあるダイブやサークル、モッシュではあるが、取り返しのつかない事態になる危険行為にもなりうることを忘れてはならない。

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