『RUSH BALL 2023』プロデューサー・GREENS 力竹総明、コロナ禍でも止まらずに走り続けた25年間 音楽フェスの現在地を語る

『RUSH BALL』25年の歴史と開催秘話

 8月26日・27日、9月2日の3日間、大阪・泉大津フェニックスで野外イベント『RUSH BALL 2023 25years Goes On!』がいよいよ開催される。日本においてまだフェスシーンが定着していなかった黎明期の1999年にスタートし、今年はついに25周年を迎えた同イベントは、12月13日〜15日に5年ぶりの海外公演『RUSH BALL in 台湾 on the ROAD ~RUSH BALL 25years Goes On!~』も控えるなど、話題に事欠かない。

 そこで長年『RUSH BALL』のプロデューサーを務める、主催コンサートプロモーター GREENSの力竹総明に、『RUSH BALL』の紆余曲折の25年を振り返るインタビューを実施。他にも、今年のヘッドライナーや5年前の台湾での経験、コロナ禍で開催に踏み切った内情や地元との信頼関係、関西イベンター陣の横のつながりなど、内容は多岐にわたる。終始ユーモアを交えて語ってくれた言葉の端々に潜む美学に、『RUSH BALL』が続いていく理由と未来を見た――。(奥“ボウイ”昌史)

『RUSH BALL』のブッキングのコンセプト

――いよいよ今年も開催が近づいてきましたが、毎年いつ頃から『RUSH BALL』のことを考えているんですか?

力竹総明(以下、力竹):11月ぐらいかな、夏(『RUSH BALL』)の精算が終わるから(笑)。ギャラを払って、ラジオの事後放送やTVの特番も終わって全部スッキリしたあとに、「来年は……いや、まだ早いかな」とか考える。夏フェスがたくさん誕生してからはスケジュールの取り合いだけど、『RUSH BALL』が本格的にブッキングを始めるのは3月ぐらいかな。オファーしたものの「出られません」と言われるのは悲しいけど、何となく焦らないようにしていて。焦りたくないというか。

――それはある意味、声が掛かるのを待つアーティストと、待ってくれているのを信じる『RUSH BALL』のちょっとした信頼関係でもありますね。

力竹:そういうところでだいぶ長いことやってますね。2005年からは僕がブッキングをし始めて。

――ちょうど会場が泉大津フェニックスに移ったタイミングですね。

力竹:それまでも本当にたくさんの失敗を繰り返してきたんですよね。たとえば、前の年の年末に酔っ払って「やろうぜ!」って連絡したのを忘れて、あとから「誘われたよね?」と言われて「わー!」みたいな(笑)。そういった確認も含めて、毎年3月ぐらいから動き出してます。

『RUSH BALL 2005』
『RUSH BALL 2005』

――毎年、ブッキングする際のコンセプトや判断基準みたいなものはあるんですか?

力竹:……勘(笑)。GREENSがいつも担当しているアーティストだけじゃアカン気もするし、フェスによっては前の年に出たら次の年に出られないとかいろいろなルールがあると思うけど、うちはそういうのが全然なくて、なんならgo!go!vanillasは10年連続(2014~2023年)で出ていたり。よく「メンツが毎年一緒じゃん」とも言われるんだけど、僕からすると毎年一緒のように見せるのが得意というか。

――変わらないように見せるには、変わり続けないといけないですからね。

力竹:そうですね。

――アーティストのセレクトは直感だけど、俯瞰で見た時に『RUSH BALL』の世界観、泉大津フェニックスでライブをする絵面に違和感がない組み合わせを。

力竹:2008年に「『RUSH BALL』にFIRE BALLを呼ぶから」とブッキングの会議で言ったときは、全員が「えぇ!?」となって。GREENS内でもライブを観たことのない人間が多かったんやけど、いざ本番を迎えたら「めっちゃいいですやん!」って。

――僕も当時、そのライブを観ましたけど最高でしたね。

力竹:「レゲエってちょっと苦手……」と思ってた人もタオルをぶんぶん振り回して……そういうことやなと。当時、FIRE BALLにリクエストしたのは“バンドで出る”ということで、だから彼らは「FIRE BALL with JUNGLE ROOTS BAND」として出てくれた。オケじゃなくてバンドサウンドで「ドカン!」とくれば、観る人も絶対に共感してくれると思ったから。そのへんの統一感はいつも気にしてはいるかな。と言いながらも、RIP SLYMEが出てくれた2016年は、ただ単純に「夏に盛り上がりたい!」みたいな(笑)。リップ兄さんは、(担当イベンターである)ソーゴー大阪・桶谷(潤)さんとの約束で出てもらったという経緯もあって。

――関西は、イベンター同士の横の繋がりがしっかりありますもんね。

力竹:去年は、SHISHAMOが初めて清水音泉の『OTODAMA~音泉魂~』に出たんだけど、同じ会場なのにイベントが違うと景色も何もかも変わるんですよね。だから、久しぶりにめっちゃ緊張したSHISHAMOを観たけど、客席が本当に温かく迎えてくれた。担当者の僕としては、普段こういうお客さんたちに観せられてなかったんだなと思ったから、すごく有意義やったなと。SHISHAMOを知らない新しいお客さんは、必ずそこにいるからね。

『RUSH BALL 2005』
『RUSH BALL 2005』

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