サマソニ『Spotify RADAR: Early Noise Stage』DAY2レポ 新しい学校のリーダーズ、CHAI、imase、LANA……勢いある6組が生んだ興奮の渦

imase

 幅広い年齢層のオーディエンスで溢れかえったimaseのステージ。中でもティーンエイジャーの男子が前方に集まっているのが印象的だ。22歳のフレッシュさと、そこにいるだけで華やかなオーラを漂わせるimaseがこの日1曲目に披露したのは「Nagisa」。地声からファルセットまで伸びやかでスムーズなボーカルが耳に心地よい。さらにラップもさらりと乗りこなす「僕らだ」ではバンドと息の合ったところを見せる。

 「みなさん、imaseです! サマソニは去年初めて見せてもらっていつか出たいなと思ってたら、翌年出させていただいて、ありがとうございます」と挨拶。短期間のうちに飛躍を遂げたのも納得の、自然と音に乗るようなパフォーマンスに、オーディエンスは一気に引き込まれていく。さらに会場を盛り上げるように盛んに「いいね!」と声をかける様子も自然で、imaseのライブアクトとしての力量や懐の広さに感銘を受ける人が続出している印象だ。割れんばかりのハンドクラップが起きた「Have a nice day」に続き、歌いだしから大歓声があがった代表曲「NIGHT DANCER」では柔らかな声が生きるファルセット、思わず口ずさみたくなるサビメロでフロアは一体に。ラストは鳥山明の名作のアニメ化で話題の『SAND LAND』への書き下ろし曲「ユートピア」で、フェスらしい祝祭的な空間が広がった。

1. Nagisa
2. 僕らだ
3. Pale Rain
4. Have a nice day
5. NIGHT DANCER
6. ユートピア

CHAI

 今日初めてとなるバンドはタフな海外ツアーも重ね、さらに進化したパワフルなパフォーマンスが期待されるCHAI。ロボットウォークで現れた4人は1曲目にマナ(Vo/Key)とカナ(Gt/Vo)のマイクパフォーマンスで魅せる「END」、次いで彼女たちのキャッチフレーズを冠し、サウンドをグッとアップデートした「NEO KAWAII, K?」を披露。“My eyes are very small”などのマナのお馴染みの自己紹介をユナ(Dr/Cho)が訳すコーナーでは、マナがオーディエンスに「あなたの切れ長の目、NEO KAWAII!」と話しかけ、誰も彼も魅力的なんだ!と言わんばかりにステージを駆け抜け、盛り上げる。続く初期からのお馴染みナンバー「N.E.O.」ではマナもユウキ(Ba/Cho)もサンプリングパッドを叩き、さらに二人がゲームミュージックのようなトラックをサンプリングパッドでプレイした「PING PONG! feat. YMCK」で会場は一気にダンスフロアに。エレクトロニックなナンバーでもユナのタイトでパワフルなドラムが耳と目を楽しませてくれる。続くダンスアクト並みの音圧でオーディエンスを大いに沸かせた「クールクールビジョン」では、振り付けやサンプリングパッドプレイを盛り込みつつ、圧倒的なヒューマンパワーでフロアをロックした。締めくくりのグッとアーバンな「PARA PARA」では高いアレンジセンスを再認識。よりいっそうスケールの大きなバンドになったCHAIの魅力を存分に堪能できるステージだった。

1. END
2. NEO KAWAII, K?
3. N.E.O.
4. PING PONG! feat. YMCK
5. クールクールビジョン
6. PARA PARA

新しい学校のリーダーズ

 熱い暑い2日間もいよいよ大詰め。トリには海外フェスでも大きな反響を呼んでいる新しい学校のリーダーズが登場。チャイムが鳴ると運動会の騎馬でステージに登場し、全力という言葉が生ぬるいほど強烈なダンスでゴアトランスばりのハードチューン「青春を切り裂く波動」を投下。続く「最終人類」ではパフォーマンスの激しさがさらにヒートアップ。この4人ならではのキレの良いフォーメーションに圧倒される。ジャンルの幅の広さも痛快なほどで、続く「Free Your Mind」はソリッドなR&Rナンバー。全員がウインドミル奏法のような振りをするのも憎い。どんな曲もパワフルな歌唱で歌い上げるSUZUKAが「新曲です」と告げると、歌謡ファンクとでも形容したくなる「マ人間」が、おどろおどろしい振り付けで披露された。

 一瞬、暗転した後、ステージ上のメンバーは背中に“青春日本代表”の刺繍を施した長ラン姿に。ハードコアトランスな「Pineapple Kryptonite(Yohji Igarashi Remix)」のサビではSUZUKAが「エヴリバディ、空の果てまで飛べ!」と煽ると、会場中がジャンプで埋め尽くされた。汗だくの長ランを脱ぐ演出から、ちょっと大人っぽいセクシーなムード(!?)になり、大ヒット曲「オトナブルー」に。ライブは終盤になっても高いテンションを保ち、強烈なラップも聴かせる「NAINAINAI」、そして青春の迷いや悩みを全力で肯定してくれるような「迷えば尊し」をドロップ。曲中、SUZUKAはフロアに降り、オーディエンスの目の前で歌い、ステージに戻ってからも、全員余力を一切残さないハードなダンスで完全に空間を制圧しつつ、誰もが泣き笑いできるようなムードも作り出した。誰にも似ていないオリジナルなパフォーマンスに満場のオーディエンスは興奮気味に会場を後にした。

1. 青春を切り裂く波動
2. 最終人類
3. Free Your Mind
4. マ人間
5. Pineapple Kryptonite(Yohji Igarashi Remix)
6. オトナブルー
7. NAINAINAI
8. 迷えば尊し

 「Spotify RADAR:Early Noise Stage」に出演したアーティストの演奏曲はプレイリスト「RADAR:Early Noise Stage in SUMMER SONIC 2023」にて楽しむことができる。さらに、サマソニ出演アーティストへのインタビューの模様を収録したビデオポッドキャストを「SUMMER SONIC 2023」公式プレイリスト、および「New Music Wednesday [Music+Talk Edition]」で公開中だ。

RADAR:Early Noise Stage in SUMMER SONIC 2023:
https://spotify.link/RADAREarlyNoiseStage
「SUMMER SONIC 2023」公式プレイリスト:https://spoti.fi/SUMMERSONIC
New Music Wednesday [Music+Talk Edition]:https://spoti.fi/NMWMusicandTalk

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