TWICE ジヒョ、ソロアルバム『ZONE』で表現する自分の物語 ナヨンやMISAMOとも共通する活動への姿勢
TWICEのJIHYO(ジヒョ)が8月18日、初のミニアルバム『ZONE』をリリースした。グループ内でソロデビューを果たしたのはNAYEON(ナヨン)に続いて2番目。過去に自身の名義で出したナンバーはいくつかあるものの、大半はドラマのサウンドトラックとして制作したものだったため、本格的な単独活動がいつ始まるのかと長らく注目を集めていた。それゆえに、満を持して発表する本作に対する周囲の期待はかなり高かった。
JIHYOは卓越した歌唱力を持っていることでファンのみならず関係者の間でも知られている。そうした面を最もわかりやすく伝えてくれるのが、韓国のバラエティ番組『覆面歌王』(2016年7月24日放送)の出演シーンだ。年齢や身分、職種を隠して覆面をかぶったスターたちが自らの声だけで勝負するこの番組に、彼女はデュエットソング「Dream」(原曲は俳優のスジとEXOのベクヒョン)で参加。表情豊かな可愛らしい歌声で視聴者を魅了し、それだけでは終わらずに「インディアン人形のように」(原曲は1980年代を中心に活躍した女性シンガー・ナミ)では、ダイナミックな歌唱で迫って客席を沸かせた。当時のJIHYOはTWICEのメンバーとしてデビューしてから9カ月ほどの新人。グループのヒット曲はすでにあったが、個々の実力があまり知られていなかった時期だったので、リスナーに与えたインパクトは相当大きかったと思われる。
セールスポイントは歌のうまさだけではない。彼女はプロデュース能力も優れている。TWICEのミニアルバム『BETWEEN 1&2』(2022年)の収録曲「Trouble」では、作詞、作曲、コーラス、ボーカルディレクションに参加。引かれ合うふたりが〈Endingがなくなった危険なStory〉に入ってしまった状況を楽しむ様子がスリリングに描かれているが、この歌詞は当時のJIHYO自身を含むメンバーたちの心境を反映していると言えなくもない。
所属事務所のJYPエンターテインメントがTWICEのメンバー全員と再契約したことをアナウンスしたのは2022年7月。この『BETWEEN 1&2』はその後ほどなくして発売されたわけだが、デビュー当時からずっとシーンの最前線に立ち続けた自信と同じ体制でさらに前へ進む決意が一音一音から感じられる同作の中でも、「Trouble」は“未来への挑戦”を強くにじませるナンバーだと思う。こうしたグループのメッセージを的確に表現した音作りにアーティストとしての成長の跡がうかがえるのも評価すべきところである。