ORANGE RANGE、夏ソング・夏フェスとの向き合い方 HIROKI&NAOTOが明かす、40代を迎えて高まる制作意欲
「チャレンジングなツアーだったからこそリベンジしたい」(NAOTO)
——今年の夏もフェスやイベントへの出演が続いています。今はライブへの意欲が高まっているんでしょうか?
HIROKI:そこもちょっと難しいところで。ここだけの話ですけど、「今年はちょっと抑えようか」みたいな話が毎年出るんですよ(笑)。でも、呼んでもらえるのはありがたいし、僕らも楽しいので、結局「毎週末フェスだね」という感じになって。
NAOTO:イベントやフェス、好きなんですよ。特に僕はメンバーのなかでも「どんどん出たい」というタイプで。ライブもそうですけど、フェスに行ってビール飲んだりするのも楽しいですからね。なので、僕の意見はあまり参考にならないです。
HIROKI:(笑)。
——NAOTOさんはデビューから5年くらいは「ライブが好きじゃない」って言ってたのに。
NAOTO:最初はそうでした。どこまで自分の思い通りにやれているのかわからないのがイヤだったんですよ。本番中の音を確認できないし、「ちゃんとやれているのかな」と思ってしまって。フェスやイベントはいいんですけど、ワンマンになると照明やセットもめちゃくちゃ気になってましたね。こちらの要望を落とし込む作業がなかなか難しかったり。結局はコミュニケーション不足だったんですけど、今ではそれがだんだん解消されてきたので、ライブの観られ方が気にならなくなりました。あとは、コロナ禍を経てライブのありがたみがわかったことも大きいですね。まあ、フェスは前から好きでしたけど。
——ライブの構成は、近年はHIROKIさんが中心になって組み立てているんですよね?
HIROKI:大枠を提示して、みんなと話しながら微調整してます。確かにデビューした頃は何もわからなかったし、やりたいことがあっても伝える術もなくて。今はスタッフやクルーとの関係性をしっかり築けているし、ライブのやりがいもモチベーションも上がってますね。
——10月からは全国ツアー『ORANGE RANGE LIVE TOUR 023 〜NAKED×REFINISHED -revenge-〜』を開催。コロナ禍で中止になったツアーの“リベンジ”です。
HIROKI:2020年の2月から50公演をやる予定だったんですけど、東京の2公演を終えた時点で中止になって、めちゃくちゃ中途半端に終わってしまったんですよ。頑張って準備もしたし、実現できた2公演もすごく手応えがあったので、ずっと心残りだったんですよね。
NAOTO:いろんな要素が詰まったツアーだったんですよ。20周年の前に細かいライブハウスを回ることだったり、この時代にフィジカルのCDを作って、ライブ会場で手売りすることだったり。ライブ自体は「原点回帰」「初期衝動」がテーマで、3つの楽器と3本のマイクだけでやるというコンセプトもあって。自分たちにとってもチャレンジングなツアーだったし、さっきHIROKIが言ったように手応えも感じていたので、リベンジさせてもらいたいなと。
——NAOTOさんも当然、がっつりギターを弾くわけですね。
NAOTO:そうなんですよ。このツアーじゃないと見られないというか、この先、こんなにギターを弾くことはないと思ってます(笑)。
——8月、9月はフェスやイベントに出つつ、ツアーの準備という感じですか?
HIROKI:8月はインターバル期間でもあるんですが、結局いろいろ制作もやってますね。
NAOTO:うん。平日は制作して、週末は県外でライブをやって。制作に煮詰まってもライブでリフレッシュできるんですよ。いい相乗効果ですね。
「ライブがストップした時期から上がっている制作意欲」(HIROKI)
——制作に関しては、「解放カーニバル」が指針になっているんですか?
NAOTO:いやいや、バラバラです。一つの方向にまとまることはなくて、いろんな曲を作っているので。1曲できたらメンバーに送って、歌詞が書けた人からうちのスタジオに録りに来てもらって。大体、HIROKIが最初に来るんですよ。
——NAOTOさんの最近の曲、どうですか?
HIROKI:いいんじゃないですか、調子良さそうですよ(笑)。コロナは悪いことばかりじゃなかったというか、ボーカルに関しては全体的にいい作用をもたらしているところもあって。ライブがストップした時期に制作意欲が上がった気がするし、今もそれが続いていると思います。
——素晴らしい。ライブも以前のようにできるようになり、制作も順調。ORANGE RANGEに対するモチベーションもさらに上がっているのでは?
HIROKI:いろんな場所に行けて、楽しみにしてくれている人がいるっていうのがシンプルに嬉しいですね。やっていることは以前と同じなんですけど、ステージにいる自分たちとお客さんがその瞬間を共有できるのはやっぱりすごいことなので。
NAOTO:制作のことでいうと、以前は「年を取るとアイデアがなくなったり、やりたいことが減ってくるかもしれない」という状態を恐れていたんですよね。あとは1つのジャンルに集中して、道が狭くなったらイヤだなとか。でも、全然そんなことはなくて、40歳を超えてもやりたいことはどんどん出てくるし、曲のアイデアも広がって。そこは大丈夫かなって。
——「解放カーニバル」もそうですけど、まったく凝り固まってないですからね。いい意味で大人になってないというか。さっきもHIROKIさんが「大人になれない」って言ってましたが。
HIROKI:おそらく他のメンバーもそうだと思いますけどね(笑)。
NAOTO:HIROKIはデビューした頃から大人なんだと思いますよ。むしろこれ以上大人になったらオジイになっちゃう(笑)。
■リリース情報
ORANGE RANGE
配信シングル「解放カーニバル」
2023年7月12日(水)リリース
ダウンロード/ストリーミング
https://jvcmusic.lnk.to/kaihocarnival