連載「lit!」第60回:NewJeans、Jung Kook、ATEEZ、KyoungSeo、H1-KEY……夏に打ち勝つK-POPソング
ATEEZ / BOUNCY (K-HOT CHILLI PEPPERS)
音源デビューしてから5年も経っていないにもかかわらず、世界的規模の人気を手に入れた男性8人組のATEEZ。ステージ上で見せる迫力のあるパフォーマンスに定評があり、サウンド面でも「Guerrilla」をリリースした2022年あたりから独自性が強まった印象を受けます。米ビルボードのメインチャート「ビルボード200」で2位となったミニアルバム『THE WORLD EP.2 : OUTLAW』(2023年6月リリース)のリードトラック「BOUNCY (K-HOT CHILLI PEPPERS)」は、彼らの野性的な魅力が味わえる音圧高めのダンスポップ。「一味違う Spicy / 青唐辛子 Vibe」(MV公式字幕より)といったフレーズを聴いて発汗すれば、暑い季節を楽々と乗り切れるかも。
KyoungSeo / 120BPM
K-POPグループばかりチェックしていると見落としがちになりますが、韓国国内ではトロット(日本の演歌に相当するジャンル)やアコースティックポップ、バラード、ロックなど様々なジャンルからヒットソングが生まれています。KyoungSeo(キョンソ)はオーディション番組で準優勝したのを機に正式デビューした1999年生まれの女性シンガーで、昔のフォークソングを思わせる牧歌的な楽曲を次々と出してヒットチャートの常連となりました。「120BPM」の韓国語タイトルは「첫 키스에 내 심장은 120BPM」で「初キスに私の心臓は120BPM」という意味です。恋する喜びをストレートに表現した歌詞が同世代を中心に受けているようです。最終的に「バックハグで私の心臓は180BPM」(著者訳)になってしまう歌の中のピュアな主人公は、KyoungSeoのイメージにぴったり。彼女の温かく真っすぐな歌声を聴いてリラックスしてみては。
H1-KEY / Rose Blossom
K-POPシーンは大手芸能事務所が育てたアイドルがメインストリートに立つ機会が多いものの、最近は中・小規模の芸能事務所からも目立った活躍をするアイドルがしばしば登場するようになりました。海外では、中・小規模事務所から米ビルボードのメインチャートにランクインした実績を持つFIFTY FIFTYが話題になりがちですが、女性4人組・H1-KEYのブレイクも“弱小の奇跡”と呼ばれる現象の代表格です。彼女たちが今年1月に出した「Rose Blossom」(原題は日本語訳で「建物の間に咲いたバラ」)は、自身の夢と希望をバラに例え、折れずに枯れずに美しい花を咲かせようと歌ったもの。そのメッセージに多くのリスナーが共感して各種チャートを逆走し、リリースされてから半年以上が経った今でも上位にランクインしています。口コミで大ヒットした同曲は、癒しを与えてくれるとともにポジティブな気持ちにもさせてくれます。
今回は、定番の涼しげなナンバーをはじめ、発汗作用のある激しいサウンドや夏バテ防止に適した前向きな歌など、いろいろな角度からサマーソングをチョイスしてみました。こうした旬のK-POPを聴けば、暑さに打ち勝ってパワーアップできそうです。ファイティン!
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