『NARUTO THE LIVE』に向けて徹底予習! (1)FLOW、ORANGE RANGEらが彩った『NARUTO-ナルト-』

 1999年から2014年にわたり、『週刊少年ジャンプ』で連載された岸本斉史の代表作『NARUTO-ナルト-』。同作は、2002年10月にアニメ化され、4年半にわたり少年編が描かれた。その後、青年編を描いた『NARUTO-ナルト- 疾風伝』、主人公・うずまきナルトの息子であるボルトの物語を描いた『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』が放送され、3作品にわたって愛され続ける長期シリーズとなった。

 このアニメシリーズを語る上では、数々のアーティストが手掛けてきた歴代のオープニングテーマ・エンディングテーマを欠かすことができない。例えば、2002年から放送された『NARUTO-ナルト-』では、ASIAN KUNG-FU GENERATION「遥か彼方」やサンボマスター「青春狂騒曲」などがテーマ曲に起用されていた。そうした楽曲たちは、少年期のナルトたちの成長物語を、熱く、時に優しく彩る役割を担っていて、アニメの内容と合わせて各楽曲が記憶に深く刻まれている人は多いのではないかと思う。

 2022年10月にアニメの放送開始20周年を迎え、そのメモリアルイヤーの締め括りとして、2023年9月2日、3日の2日間にわたり、歴代のテーマ曲を手掛けた7組のアーティストが出演するライブイベント『NARUTO THE LIVE』が開催される予定だ。リアルサウンドでは、同イベントの開催に向けて、当日出演するアーティストが手掛けた各テーマ曲について振り返っていく。第1回目となる今回は、『NARUTO-ナルト-』からFLOW「GO!!!」「Re:member」と、ORANGE RANGE「ビバ★ロック」を取り上げたい。

FLOW

 アニメ『NARUTO』シリーズと言えば、まっさきにFLOWが手掛けてきたテーマ曲の数々を思い浮かべる人は少なくないはずだ。その中でもアニメ視聴者に最も強烈なインパクトを与えたであろう楽曲が、『NARUTO-ナルト-』78〜103話のオープニングテーマに起用された「GO!!!」だ。サビにおける〈We are Fighting Dreamers〉というアンセミックなメロディは一度聴いたら忘れられない熱烈な響きを放っていて、また、何度も連呼される〈fighting Dreamers〉という言葉は、まさに、一人前の忍者を目指して修行や任務に奮闘するナルトたちを鼓舞するエールのよう。同曲は、今年1月に「THE FIRST TAKE」でも披露され大きな話題となった。パフォーマンス前にKEIGO(Vo)が「FLOWにきっかけをくれた楽曲」と語っていたことから、当時デビュー2年目のFLOWの躍進の契機となった「GO!!!」は、メンバー自身にとっても非常に思い入れの強い楽曲であることがうかがえる。

FLOW「GO!!!」MUSIC VIDEO (TVアニメ『NARUTO -ナルト-』OPテーマ)

 また、179〜202話のオープニングテーマに起用された「Re:member」も印象深い。当時の放送においては、大きな山場である「サスケ奪還編」を描き終えた後、原作にないアニメオリジナルエピソードに突入していた。サビにおける〈涙目が運命を変えて行く〉〈闇に打ち鳴らせ鼓動を〉といった言葉は、回を重ねるごとに熾烈さを増していくオリジナルエピソードの展開に呼応するような切実でパワフルな響きを放っている。なお、同曲は、交通事故によって入院安静を余儀なくされていたKEIGOが復帰して最初に発表された楽曲であり、〈新たな旅が今始まる〉という言葉には、当時のメンバー自身の決意も重ね合わせられている。

FLOW「Re:member」MUSIC VIDEO(テレビ東京系アニメ『NARUTO -ナルト-』オープニングテーマ)

 FLOWは、その後も、「Sign」「虹の空」「GOLD」などでシリーズ各作品とタッグを組んでいる。アニメ『NARUTO』シリーズにとってFLOWの楽曲が必要不可欠であるように、FLOWにとって『NARUTO』は、アーティスト人生における戦友のような存在であると言える。8月30日には、歴代テーマ曲のカバーアルバム『FLOW THE COVER ~NARUTO縛り〜』がリリースされる予定で、「Sign」と「GO!!!」のセルフカバーも収録される予定だ。『NARUTO THE LIVE』ではどの楽曲が歌われるのか、予想しながら待ちたい。

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