藤井風は初のアジアツアー開催 King Gnu、YOASOBI……コロナ禍を経て実現した海外でのステージ

 5月8日に「音楽コンサートにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」が廃止され、コロナ前のライブ風景が戻ってきたように思われる。マスクの着用義務や声出しの制限がなくなったのはもちろん、海外アーティストの来日公演や、逆に国内アーティストの海外公演も増えてきた。とくに最近は、コロナ禍直前や真っ只中にブレイクを果たしたアーティストが、初めて海外ライブを行ったケースもよく見られる。本稿では、直近で初めて海外ライブを成功させた3組を取り上げたい。

 6月から7月にかけて、初のアジアツアーに挑んでいるのが藤井風だ。『Fujii Kaze and the piano Asia Tour』として、ソウル、バンコク、ジャカルタ、クアラルンプール、上海、台北、香港の7都市にて開催される。

 藤井風と言えば、昨年「死ぬのがいいわ」が海外で注目を集めたことが記憶に新しい。同曲はタイのTikTokユーザーが動画投稿時に使用したのをきっかけにバイラルヒット。タイだけでなく、ヨーロッパやアメリカなど世界各国に広がっていた。昨年12月にSpotifyが発表したランキングによれば、「死ぬのがいいわ」は「2022年に海外で最も再生された国内アーティストの楽曲」で1位を獲得している。

 7月1日~2日にはタイ・バンコク公演を終え、タイのファンたちに直接お礼を言うことが叶った藤井。終演後には、Instagramにタイ語と英語で「タイへの愛は言葉では言い表せない」とつづった。投稿には藤井自身がステージから撮影した映像も含まれており、オーディエンスが歓声を上げる様子も見られる。コメント欄を覗くと、日本語だけでなくタイ語や英語などのメッセージも見られ、彼の音楽が海外でも人気を集めていることが分かるだろう。

 
 
 
 
 
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 7月1日に台湾・台北アリーナで開催された『第34回金曲奨(ゴールデン・メロディー・アワード)』には、スペシャルゲストとしてKing Gnuが出演した。

 『金曲奨』は“台湾のグラミー賞”とも呼ばれる、中華圏最大の音楽アワードである。当日、King Gnuは授賞式前に行われたレッドカーペットにも出演。会場には、King Gnuの名前を書いたボードを掲げるファンたちの姿も見られた。

 授賞式の模様は、『金曲奨』のオフィシャルサイトやYouTubeチャンネルで生中継された。この日、King Gnuは2曲を披露。1曲目にバラード曲「カメレオン」で繊細な音色を響かせ、2曲目にアップテンポなナンバー「一途」で熱狂的なパフォーマンスを繰り広げた。対照的な2曲で、わずか10分程度の時間ながらもKing Gnuの魅力が存分に伝わるステージだった。

 昨年11月には東京ドーム単独公演、今年5月~6月には初のスタジアムライブツアーを成功させたKing Gnu。国内ではもはや名前を知らない人はいないであろう彼らだが、海外でのライブパフォーマンスは今回が初めてだ。彼らを一目見ようと現地のファンが詰めかける様子や、演奏終了後の大きな歓声を見る限り、King Gnuが海外で単独公演を行う日も、そう遠くはないように思う。

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