赤西仁、「ムラサキ」から始まった軌跡を辿る旅 山田孝之、錦戸亮らも駆けつけた独立10周年ライブ

赤西仁、独立10周年ライブレポ

 続いて山田孝之とジミー・マーティンが登場し、配信番組『NO GOOD TV』の収録を兼ねたMCタイムに。ここで天の声が大物ゲストを予感させる紹介をすると、赤西や山田らが次々に語り、前日に多数の著名人が見学に来ていたことを明かし「すごく嬉しかった」と喜びを語る一幕も。「この後に来るゲストはもっとすごい」とファンの期待が高まったところで登場したのがオリエンタルラジオの藤森慎吾。上げすぎた期待に対して「最悪だよ!」と何度もこぼすなど、事前に何も聞かされていなかったという藤森。山田らと一緒にステージに出ていこうとしたらスタッフに止められたと明かした。オフラインで会うのは今日が初めてだというが、藤森はすっかり赤西たちの罠にはめられていた。「チャラ大喜利」や「ことわざシュレイズ」ということわざをジェスチャーで伝えるゲームでは藤森が大活躍。温かい笑いの起きたひと時となった。

赤西仁

 後半は「Good Time」からスタートしたように、2013年の独立後に制作した楽曲を詰め込んだ。はおっていたシャツを脱いでタンクトップ姿になった赤西は、センターステージからトロッコで客席をまわり、バックステージへ。「Baby」ではスモーキーで少し寂し気な歌声を響かせ、髪をかきあげる姿すらも絵になる。ギターや鍵盤とのバンドセッションを堪能したほか、「Summer Loving」「Summer Kinda Love」とこの時期にぴったりの楽曲を盛り込んだ。「Mi Amor」からはさらにディープな世界へ。重低音が会場の底から波打つように響き、光線が激しく飛び交ったりフラッシュのような光りの演出も。6人のダンサーがステージを彩り、上下白の衣装に着替えた赤西が登場し「We The Fire」へ。レゲトンの雰囲気も相まってどっしりとした生命力を感じるステージ。続く「Baila」ではダンサーをピンク色に、赤西には白い光りが照らすファッショナブルな演出で魅了した。

 畳みかけるようなセットリストに、会場は終盤の盛り上がりも凄まじい。赤西と山田によるユニット・JINTAKAの「Choo Choo SHITAIN」では、山田がステージ後方から登場。中央のステージがターンテーブルのように回り、ユニークなパフォーマンスを披露。「Blessèd」では本公演のアイコンのような照明が赤西を照らし10周年を印象づけた。さらに、錦戸亮との共同プロジェクト「N/A」で制作した「NO GOOD」では、錦戸が登場し会場を沸かせた。赤西の白い衣装に対して、グレーのシャツ姿とコントラストが2人らしい。サプライズ登場に沸く会場に、錦戸は両手をあげて手を振った。またしても悲鳴に近い歓声を浴びた赤西と錦戸。「JIP's(ファンの通称)のみなさん、そして仁くん、10周年おめでとう!」と祝福し、「バイバイ!」と颯爽とステージを後にした。続く「THANK YOU」では上手から下手へと移動、ダンサーもステージを駆け回るように踊るなど、オーディエンスの感情を“揺さぶりまくる”ほどに怒涛の展開で熱狂させた。

 「みなさま本日は楽しんでいただけましたでしょうか。改めて今日はお越しいただいてありがとうございます」とお礼を述べた。ラストに選んだ「Love Song」(2013年発表)について、この日のセットリストで唯一制作順にハマっていない曲だと紹介し、「独立する前に書いた曲で、色々そのときのモヤモヤしてた気持ちとか、想いをダブルミーニングというか。ファンのみなさんに向けて書いた曲というのを、ずっといつ言おうかといつ言おうかと思いつつ、言うタイミングがなくてですね。今日がふさわしいんじゃないかなと、みなさんに告白させていただきます」と曲に込めた思いを明かした。

赤西仁

 大きな拍手を受けて、演奏がスタート。赤西ならではの繊細で柔らかな歌声を重ねた。頬には汗、時折眉間にしわを寄せながら、マイクを手に10周年を噛みしめるように感情たっぷりに歌い上げた。会場からは再び大きな拍手が寄せられステージを終えた。

 全28曲。透明感もあれば、色気も強い意志も感じる甘くて強いボーカル。重ねた月日を思わせる渋さも含んでいた。その中で覗かせる笑顔やユニークさは健在。楽曲はもちろん、グッズや照明などのステージ演出、そして衣装にも透明感や抜け感があり、細部に宿るセンスを感じた。黒と白のシンプルな衣装だが、“華がある”とはこういうことを指すのだと改めて赤西の存在感の大きさを体感した。2013年の独立から10周年を迎え、さらに自分らしく突き進むことを予感させるこの先が楽しみになるステージだった。

※記事初出時、本文に誤りがありました。以下訂正の上、お詫び申し上げます。(リアルサウンド編集部、2023年7月7日21:53)

誤:JIN AKANISHI 10th Anniversary Live 
正:JIN AKANISHI 10th Anniversary Live 2023

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