『FNS歌謡祭』では松平健と「パンダピラニア」コラボ チョコレートプラネット、長田庄平の生む音楽の面白さ

③長田庄平が歌っているが別名義で出している曲

 長田が楽曲を手がけている、もしくは歌手として歌っているが、別名義になっている場合だ。今話題になっている「Panda Piranha」を歌うのは長田であるが“架空の国「イベンギ」の国民的スーパースター、キンパ・ニーが歌っている曲”として公開されている。また、4人の芸人で結成されたビジュアル系バンド・美炎-BIEN-、ある携帯のCMソングのような葛根湯太「かぜの唄」、パーカーを「被れっ!」と言う名台詞で知られるMV.Parka jr「Mr.Parka jr. ft. Dr.Turtleneck」、九城伸明「ピエロンリー」、「あさくら」などの楽曲たちにも実は長田が関与しているのだ。

美炎-BIEN- |鼻吹雪 Official Music Video

 中でも注目したいのは、ビジュアル系バンド・美炎-BIEN-の「鼻吹雪」。長田としては珍しいグループでの音楽活動で、現在、2枚のシングルと1枚のアルバムが発売されており、去年はZepp Hanedaでのワンマンライブも行った。Kushami=チョコレートプラネット・長田庄平(Vo)、Zumari=パンサー・向井慧(Gt)、Dust=パンサー・菅良太郎(Ba)、Kafun=チョコレートプラネット・松尾駿(Dr)の4人で構成されている。鼻にティッシュペーパーを詰めた「鼻詰まってる系ヴィジュアルバンド」という世界観をも持ち、花粉症の人にとっては、サビの〈かんだかんだ〉というまさに鼻炎を表しているような歌詞が忘れられない一曲になるだろう。また、MVでは各々が持っている楽器にティッシュの箱が取りつけられており、サビになるとティッシュを出しまくる。傍から見るとおかしな行動だが、花粉症の人は実際にこのペースでティッシュがなくなってしまうのだ。そのシーンがまさにタイトルの「鼻吹雪」を表している楽曲である。

 このように長田がたくさんのヒット曲を生み出す理由は、「わかりやすくて覚えやすいメロディと歌詞」「楽曲やMVが凝っており、総じてクオリティが高い」「お笑い番組でも披露することでSNSが盛り上がり、話題性が生まれやすい」という3つが考えられる。“パンダピラニア”“パピプペPop!”などの簡単で、発音したくなる日本語、それに加え難しい振りではなく、子供も楽しめるようなダンス。また、カバーだから、オリジナルだからと区別せずにいつも全力で素敵な作品を届けてくれる、美大卒の長田のセンスは圧巻だ。また、これらの楽曲は『有吉の壁』で生み出されることが多く、視聴者の反応がSNSでトレンド入りすることも少なくない。個性的かつ、楽曲のジャンルも多様な長田の音楽作品を今後も楽しみにしている。

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