LE SSERAFIM、ENHYPENら人気K-POPアイドルも夢中に? 韓国でMBTI診断が浸透した背景

 近年、ブームになっているMBTI診断。特に韓国では、自己紹介の際にお互いのMBTIのタイプを教えあうなど、かなり浸透している様子。

 今年盛り上がりを見せた『BOYS PLANET』や、6月30日よりスタートしたHYBE主催の『R U Next?』といったアイドルオーディション番組でも、参加者のプロフィールにMBTI診断結果が記載されていたり、バラエティ番組などでアイドルやタレントたちが「このアルファベットの人はこういう性格」と診断内容を把握している前提で会話に花を咲かせていたりするほど、韓国では血液型占いや星座占いのようにスタンダードになってきている印象だ。

 そもそもMBTI診断とは、スイスの心理学者であるカール・ユングが1920年代に提唱した心理タイプ理論をベースに、1962年にアメリカで作られた診断テストで、その内容は、興味関心の方向(E=外向型、I=内向型)、物事の見方(S=現実型、N=直観型)、判断の仕方(T=論理型、F=感情型)、物事の進め方(J=計画型、P=柔軟型)といった4つの軸を基に性格を16タイプに分類したものとなっている(※1)。つまり韓国発祥でもなければ、つい最近誕生したものでもないのだ。

 では、なぜそんなMBTI診断が近年韓国で爆発的に人気を得たのか? 本記事では、その理由について考察していきたい。

占いが根づく韓国だからこそ人気に?

 まず、MBTIが韓国で人気を得た背景として、以前から占い文化が根づいていることが関係していると考えられる。

 韓国では、朝鮮王朝時代に宮廷で「観象監」(관상감:クァンサンガム)という暦、気象観測、時間測定などを行い、それらに基づいて予言をする役所が設けられていた(※2)。日本でも知られている『太陽を抱く月』『馬医』といった韓国ドラマにも、「観象監」にまつわるシーンが登場しているのが印象的だ。

 そして、受験や就職の競争が激しく、常にプレッシャーと戦わなければならない現代社会においては、大事な決断をする際のアドバイスなどとして占いを信じる人も多い。

 このように、韓国では占いが古くから文化として根づいていて、現代においても生活の一部として愛されていることから、心理テストのようなMBTI診断がブームとなったのだろう。

コロナ禍の影響で浸透

 では、以前からある診断テストなのに、なぜここ数年で人気を得たのか? これには、コロナ禍で在宅時間が増えたことが関係していると考えられる。

 MBTI診断が流行り始めたと言われている2020年〜2021年頃は、ちょうどコロナ禍真っ只中の時期。外出規制によって在宅時間が長くなったことから、家でもできる占いや診断にハマる人が増えたのかもしれない。

 特にMBTI診断は、質問項目がかなり多く、質問文もやや難解な表現を使っている部分がある。このように回答に時間がかかる診断テストは、暇つぶしやちょっとしたリフレッシュにもってこいだったのだろう。

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