PSYCHIC FEVER、武者修行を経てファンに届けた深い愛 グローバルアーティストとしての確かな成長も見せた初単独ツアー

PSYCHIC FEVER、初単独ツアーレポ

 剣、中西椋雅、渡邉廉、JIMMY、小波津志、半田龍臣、WEESAの7人から成る、LDH発の7マイクグループ PSYCHIC FEVER。昨年7月13日に念願のデビューを叶えた彼らの初の単独ツアー『PSYCHIC FEVER LIVE TOUR 2023 “P.C.F”』が、6月13日の大阪 Zepp Nambaを皮切りにスタートし、6月26日、東京・Zepp Hanedaにて東京公演が開催された。

 1階はオールスタンディング。2階は座席がありながらも、立ち見の観客が大勢見守る中で開催された今回の公演。デビューアルバム収録の「PSYCHIC FEVER!!」(SE)が流れると、ForEVER(PSYCHIC FEVERファンの総称)は力強くフラッグを振り、7人の登場を待ちわびた。暗転した後のステージには、センターから階段状に下るようにお立ち台が設置されており、お立ち台に5人、その前に2人という配置でメンバーがスタンバイ。各自にフィットするシルエットにこだわって制作したというドレッシーな黒い衣装も新鮮で、いつも以上に精悍な顔つきの7人がそこにはいた。そして、今年5月にリリースしたEP『PSYCHIC FILE I』のリード曲「BAKU BAKU」でライブスタート。サビから始まるアレンジで、ボーカル 小波津がパワフルかつ澄んだ歌声を響かせると、すぐさまフロアは熱を帯びた。コロナ禍でのデビューということもあり、ライブでの声出し応援が禁止され、ここ数年、お互いにもどかしい想いを抱えてきたメンバーとForEVER。半年間に渡るタイでの武者修行を終えた今、やっとメンバーに生の声を伝えられる喜びが、凄まじい歓声の塊となってステージに雪崩れ込む様は、毎回心臓を“BAKU BAKU”させながらライブに臨む7人を勇気づけたことだろう。

 続いて、和テイストのサウンドと共にJIMMYが歌い始めたのは、このツアーで初披露となった「Up and Down」。『PSYCHIC FILE I』の取材時に剣が「僕らはタイでライブをやっていくにあたって、言葉の通じないお客さんに一緒に踊ってもらうにはどうしたらいいかをすごく考えていたんです」と語っていた通り(※1)、サビではJIMMYと半田が振付したダンスと笑顔で会場がひとつになっていく。普段はやんちゃな笑顔が可愛らしい半田が、色っぽい視線で煽りながら肩をチラ見せすると、一際大きな歓声が上がる。それほど、一瞬たりとも油断できない、どの瞬間を切り取っても“Highlight”なライブが展開された。

 本編前半には、映画『HiGH&LOW THE WORST X』の挿入歌であるエモーショナルなロックチューン「WARRIORS」や、小波津・WEESAによるボーカル曲「Snow Candy」「アシンメトリー」など、単独ライブならではの楽曲も歌唱。圧倒的な歌唱力で観客の心を鷲掴みにする。そうかと思えば「Snow Candy」では、イントロのエレキピアノに合わせてJIMMY・半田がエアピアノを奏でたり、小波津が歌う〈ずっと一緒に……おやすみ〉で小波津・中西・渡邉が仲良くおやすみポーズをしたりと、素顔が垣間見えるおちゃめな姿に「可愛い~!」の声が。WEESAが「昔は龍臣くんが、僕と志くんを間違える事件もありました(笑)」と語るほど、EXPG STUDIOで出会った頃は身長も雰囲気も似ていたというボーカル2人が、アシンメトリーな歌声で美麗なハーモニーを届ける姿からは、彼らが歩んできた歴史と、タイでの武者修行を経て、今一度心の距離を近づけたいというForEVERへの深い愛が溢れていた。

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