eill、ライブ会場全体を引っ張っていくポジティブなパワー デビュー5周年ワンマンで飾った新たな“幕開け”

eill、デビュー5周年ワンマンレポ

 続く「スキ」はeillのキーボード弾き語りから始まった。「ONE LAST TIME (Prod.AmPm)」はキュアかいと(Gt)と2人でステージの縁に座って歌い、「片っぽ」は一番の終わりまで再び弾き語り。失恋ソングが押し寄せたあとの「花のように」では、〈ここにしか咲かない花があると/分かってるんだよ〉と自分を認めているようだ。もしかするとこの日は、失恋だけではなく執着や喪失、誰かに憧れる気持ちから前に進む物語を歌っていたのかもしれない。最後のサビで地面に膝をついて歌う姿を見て、そんなことを思った。

 ファンへの感謝とともに、自分自身を信じてほしいと繰り返し伝え、「前を見てください。私がいます」と自信を持って話すeill。そうして曲は「SPOTLIGHT」へ。ここからは勢いを加速させ、「20」「23」、バンドのジャムを挟んで「ここで息をして」「WE ARE」「踊らせないで」と続ける。松浦千昇(Dr)の近くへ行きアイコンタクトを取るなど、バンド全体でライブを楽しんでいる様子も。客席の青い光が左右に揺れ、幸福感に包まれたまま本編が終了した。

 アンコールでは、「palette」を歌いながら会場後方から登場したeill。ファンとハイタッチをしたりハートを作ったりしながらステージへと戻ると、グッズのTシャツやリングを紹介。さらに、新曲を夏にリリースすること、『夏へのトンネル、さよならの出口』のロンドン上映にあわせて現地で路上ライブをすることも電撃発表した。

 最後に「私はずっとみんなの味方だし、ずっとみんなのそばにいることを忘れないでください」と伝え、MVをバックにこの日最後の曲として『夏へのトンネル、さよならの出口』主題歌「フィナーレ。」を歌った。終盤の花火のシーンでは映像と照明がリンクし、目の前に無数の花火があがったようなステージ演出も目を引いた。こうしてメドレー含めた全25曲が終わると、バンドメンバーと手を繋いで挨拶。ライブ終了後はインストバージョンの「フィナーレ。」とともに映画のようなエンドロールが流れた。すると曲に合わせてファンたちが合唱しはじめ、気づいたeillが「ずるいよ~!」と言いながら再登場。涙を見せながら一緒に歌い、自然発生的に起きたファンからのサプライズで『MAKUAKE』は幕を下ろした。

■セットリスト
1.MAKUAKE
2.FUTURE WAVE
3.プレロマンス
4.FAKELOVE/
5.メドレー(ONE/HUSH/Fly me 2)
6.ただのギャル
7.メドレー(メタモルフォーゼパラマジーノ/((FULLMOON))/Into your dream/初恋)
8.happy ending
9.スキ
10.ONE LAST TIME (Prod.AmPm)
11.片っぽ
12.花のように
13.SPOTLIGHT
14.20
15.23
16.ここで息をして
17.WE ARE
18.踊らせないで

En1.palette
En2.フィナーレ。

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