eill『BLUE ROSE TOUR 2022』追加公演レポ GANMIと息の合ったダンスも披露、24歳の誕生日にファンへ伝えた感謝
eillが『BLUE ROSE TOUR 2022』の追加公演を6月17日に川崎CLUB CITTA' で開催。今ツアーのファイナルであり、24歳の誕生日でもある本公演に多くのファンが駆けつけた。
青く照らされた幻想的なステージからバンドメンバーとeillが登場すると拍手が巻き起こる。ステージの左右まで移動し、R&Bを効かせた「花のように」を力強く歌い上げると、「palette」ではポップなサウンドに会場の手拍子を乗せ、ステージで踊るように軽やかに歌う。一転して妖艶な雰囲気を纏い、低音を効かせたアップテンポの「Night D」では、バンドメンバーの宮田‘レフティ’リョウ(Key)を起点に生じるハンズアップに合わせて観客を煽るような表情も。
続く2曲ではダンスアーティストグループ・GANMIのメンバーであるKazashi、SUN-CHANG、AOI、Mr.Dが登場。「ただのギャル」で息の合ったキレのあるパフォーマンスを見せた一方、しっとりと歌い上げた「((FULLMOON))」ではステージ中央に置かれた椅子を囲み、ダンサーと背中合わせの駆け引きを演出。切ない表情と吐息を含んだ繊細な歌声で、儚い心情を見事に表現した。
前半のMCでは「改めまして皆さんこんばんは~元気ですか? ただのギャルで~す」とユーモアを交えながら自己紹介。今ツアーで関東に戻ってくるのは2月の東京・豊洲PIT公演以来とかなり久々。6月14日、15日に開催した大阪・名古屋の振替公演を経て川崎にやって来たことに想いを馳せたeillは、「色んな気持ちの変化とか、時が経つにつれて変わったものもあるんじゃないかなと思うけど、会えない期間にみんなから手紙やDMが来て……手紙って素敵なツールだな、いいなって思って、私も今日みんなにお手紙を書いてきました」と話し、ギター1本のシンプルな伴奏の中、片手に持った手紙を読むようにしてファンへの気持ちを「letter...」に乗せしっとりと歌い上げた。
中盤の「いけないbaby」では深い苦しみをしゃがみ込む姿で表すなど、表現の引き出しの多さで観客を魅了。休む暇なく「ここから後半戦スタートです! まだまだ盛り上がる準備できてますか?」という掛け声をかけると、クラップで始まる初夏にぴったりなナンバー「HARU」をバンドメンバーとのアイコンタクトで盛り上げる。ここで再びGANMIが登場し、ドラムが際立つ「FAKE LOVE/」、「ここで息をして」の強気なサウンドと鳴り響くドラムにも負けない透明感ある力強い歌声で、さらにボルテージを上げていった。
後半のMCでは「今日は追加公演ということで、お誕生日なんです」と照れたような表情ではにかみながら、「ありがとう、24歳になりました! 生きてきた中で一番ハッピーなバースデーです」とファンに感謝の気持ちを伝えた。また、2019年からツアータイトルを飾る『BLUE ROSE』にも言及し、「『不可能を可能にする』という青薔薇の花言葉のように、また再会してお互いの近況を報告し合えたら素敵だなと思ってこのタイトルにしました」と紹介。「2019年とは変わってしまったものも変わらないものもあると思う。生きていてよかったと思わせてくれたのはみんなです」と語り、「この人生を変えるのも救えるのも自分しかいない。この人生の主人公はみんなだということを忘れないでほしい。みんながみんなのヒーローに、スポットライトになれます。そのために温めてきたこの曲を聴いてください」と、誰しもの痛みや不安を包み込むように「SPOTLIGHT」を歌った。