Chego、多くの壁を乗り越えた先に見つけたもの Zeppワンマンの夢に向かう3人の飽くなき向上心に迫る
haruka、maho、kotoneによる3人組ダンスボーカルユニット、Chego(チェゴ)が新曲「Searchlight」をリリースした。
2017年に結成した彼女たちは、全員がダンス歴10年を超える実力派。公式YouTubeチャンネル「チェゴチャンネル」では、K-POPのカバー動画のほか、彼女たちのダンスパフォーマンスが楽しめる様々な企画が人気を博している。オリジナル振り付けも好評で、Ado「踊」の動画は再生回数600万を突破(6月22日現在)。ダンススキルのみならず振り付けの才能も発揮している。
現在10代~20代女性を中心に人気拡大中のChegoだが、ここまでの道のりは簡単なものではなかったという。元々は趣味の一環として始めた活動だったが、徐々にメンバーたちの意識も変化。K-POPアーティストになるべく韓国で路上ダンスをしたり、日本に戻り事務所への売り込み活動をしたりと、多くの壁にぶつかってきた。メンバーの脱退など紆余曲折を経て今年、Chegoはようやく音楽活動を本格的にスタートさせた。
「まだまだ何も足りてない」という彼女たち。その表情には真剣な眼差しが宿っていた。夢のためにひた走る、Chegoの飽くなき向上心に迫る。(荻原梓)【記事最後にプレゼント情報あり】
結成のきっかけは「TWICEダンスコンテスト」
ーーChegoはどのように結成したのでしょうか?
kotone:元々私がMixChannel(現ミクチャ)で動画を投稿していて、そこで優勝すると特典がもらえる「TWICEダンスコンテスト」というイベントを開催してたんです。これはチャンスだと思って、K-POPが好きでダンスが上手な友達を集めようと、まずはharukaに相談したんです。そしたら「やりたい」と言ってくれて。その後、私の中で「このメンバーでやりたい」と思っていた子たちにも伝えたら同じように「やりたい」と言ってくれたので、最初は5人で結成しました。
ーー元から仲の良い5人組だったんですか?
haruka:そうです。高校の同級生でした。卒業式を終えたその日のうちに最初の動画を投稿したので、高校の卒業と同時に結成したっていう感じなんです。みんなで卒業式に出て泣いた後、撮影しに公園に向かいました。
ーー全員ダンスが踊れたと。
kotone:はい。午前に勉強して午後にダンスをするような専門高等学校で、そこで知り合った仲だったんです。
ーー地元や学校で仲の良い人たちが組むものと言えば、昔はバンドでしたけど、今はダンスユニットという時代なんですね。
haruka:今は主流になってきてるんですけど、自分たちが結成した時はまだ周りにあまりいなかったです。それに私たちが組んだ時は、仕事というよりは趣味の一環という感じだったので、みんなの時間が空いてる時に集まって、好きな時に撮って、好きな時に投稿できればいいよねっていうくらいの軽い気持ちから始まりました。なので夢に向かって頑張ろうという感じでもなかったんです。
ーーそれぞれ得意なダンスのジャンルはあったんでしょうか?
haruka:ありました。みんなバラバラで、自分はフリースタイルというジャンルのダンスが得意です。
maho:私はヒップホップです。
kotone:私はパンキングっていう、腕を回すダンスを得意としてます。
ーー憧れのダンサーやアーティストはいますか?
maho:3人ともジャンルが違うので好みも全然違くて。私はChegoでは可愛い担当という感じなので、セクシーなジャンルも踊れるようにはなったんですけど、元々はゴリゴリのヒップホップをやっていました。その時からずっと好きなのがRIEHATAさんです。
haruka:私は憧れのダンサーさんは菅原小春さんとs**t kingzさん。アーティストは三浦大知さんです。
kotone:ダンスはいろんなジャンルが好きなんですけど、パンキングに絞ると私の師匠でもあるMEDUSAさんという方が好きで。私は教え子みたいな感じなので、すごく尊敬してます。
ーーみなさん本当にバラバラなんですね。
kotone:そうですね。でもみんなK-POPが好きだということは共通してました。
haruka:当時はちょうどTWICEとかが流行り出した時期でした。
ーーちなみにChegoというグループ名にはどんな意味があるんでしょうか?
kotone:韓国語で「最高」という意味です。K-POPのカバーダンスをやるにあたって、グループ名も韓国語がいいよねという話になって。あとはファンの方が呼びやすい単語というのも考慮しました。「チェゴー!」って。
maho:シンプルで覚えやすいよね。
haruka:当時は5人組だったので、チェゴの“ゴ”と5をかけてもいたんです。
ーー韓国カルチャーからの影響は相当大きそうですね。
kotone:めちゃめちゃ大きいです。私はKARAが日本で活動し始めた時に小学生だったんですけど、その頃からKARAもK-POPも大好きで。
maho:私もたぶんKARAくらいからだったと思います。最初はそれがK-POPだとすら認識してなかったんですけど、もう可愛さにびっくりしちゃって。KARAからBIGBANGへ行き、そこからもうどんどんいろんなグループが好きになりました。
haruka:私は東方神起がK-POPとの出会いでした。小学生の時にYouTubeで観てたんです。
ーーかなり前ですね。では韓国語も分かるんですか?
maho:実はわからないんです。
haruka:発音が可愛いので覚えようとはしました。基本的なことまでは覚えたんですけど、パッチム(ハングル文字特有のルール)が出てきた瞬間、難しくて諦めました(笑)。
Ado「踊」のオリジナル振り付けは熱い気持ちが一番出ている作品
ーーそんなK-POP大好きなChegoですが、YouTubeでも投稿しているK-POPのダンスカバー動画が人気ですよね。今までいろんなグループのカバーをしてますが、どのように3人用に作り替えるんですか?
kotone:まずは音楽番組のパフォーマンス映像を観て、ダンスの流れを把握します。その後、誰がどのメンバーのパートをやるかを決めていきます。例えばmahoが最初にセンターだったら、次はkotoneで、次はharuka、みたいにローテーションで決まっていくので、意外と難しくないんです。
maho:たまにどのメンバーをやりたいかが被ったりするんですよ。それでみんな黙っちゃったりして(笑)。でも結局は「この振りは誰っぽいから」という理由で決めることが多いですね。
ーー「あの振り付けは私が踊りたかったのに」ということもあったり?
maho:どこかしらでぶつかることはあるので、そういう時はすぐにジャンケンで決めます。
haruka:センターを決めるのは結構すぐ終わるんですけど、むしろそれ以外の担当を決める方が時間がかかりますね。
ーーなるほど。Chegoはカバーも素晴らしいですが、その一方でAdo「踊」のようなオリジナル振り付けも人気ですよね。
haruka:「踊」は、曲を聴いた瞬間に「この曲の振りを作りたい!」と思って。最初は一人で踊ろうかと思ってたんですけど、音も展開も多いので、3人で踊った方が映えるなと思いました。それに聴いた時にクオリティの高いものが作れるという自信があったので、2人に「絶対にこの動画を100万再生超える作品にするから、一緒に踊ってください」って言って、いつも以上に気合を入れて作った作品です。
maho:撮影してる時から手応えがあって、harukaの「絶対100万再生いくから」っていう言葉もあって、めちゃめちゃ気合を入れて踊った記憶があります。
kotone:撮影はワンカットワンカット、ヘトヘトになるくらい気合を入れましたし、現場の空気感も、いつもは結構ワチャワチャしてるんですけど、あの時は緊張感があって「やってやるぜ」みたいな感じでした。
ーーその気合が高評価に繋がったと。
haruka:そうだと思いますね。ただ完成した動画を観た時は、これでよかったのかなってちょっと不安ではあったんです。でも、お母さんやマネージャーに送った時に「めちゃくちゃカッコいいよ」って言ってもらえて。しかもこうやって数字としても分かりやすく伸びたから、嬉しい作品になりました(記事執筆時点で619万再生)。
kotone:表情が違うもんね、他の動画と比べても。
haruka:そうだね。K-POPのカバーも大好きなんですけど、オリジナル振り付けの動画は自分たちの好きなように踊ったり、好きな画角や好きな衣装で自分たちをアピールできる場だと思ってるので、そういう意味では「踊」の動画は「私たちのダンスを観てくれ」っていう熱い気持ちが「チェゴチャンネル」で一番出てる作品なのかなと思います。
ーー「踊」の振り付けのポイントはありますか?
haruka:サビを簡単にしたことです。それ以外のところは結構細かい音も取ってるんですけど、サビはステップだけをやってます。私たち3人は得意なジャンルも違うし、見た目も性格も全然違うので、その個性を引き立たせるためのステップで、一発で頭に残るような振り付けにしたのが見どころですね。あとは、一人ひとりのキャラクターに合わせた振り付けを頑張って考えました。〈案外さくっと行っちゃいそう〉のところはmahoっぽいなと思ったし、kotoneもパンキングできる振りにしたりとか。
kotone:仁王立ちのところもいいよね。
maho:あそこ大好き!
kotone:仁王立ちしてるパートって、普通はダンスをする音なんですよ。
haruka:音を取るべきところを、あえて立ってる雰囲気でだけで魅せるみたいなことをしたら、それが結構好評だったんです。