7ORDERは“バンド”と“ダンス”だけでは語り尽くせない　グループの持ち味を最大限に発揮したアリーナ公演

　ここまでのライブの様々な場面が逆再生されるムービーがスクリーンに映し出された後、森田のベースが先陣を切り、スタートしたのは1曲目でも披露された「Who I Am」。先ほどはダンスバージョンだったが、今度はバンドバージョン。全員が鮮やかな赤色の衣装を着ているのが目を引く。情熱的なサウンド、交わされるハーモニーの瑞々しさが、ダンスバージョンとはまた別の魅力を輝かせていた。そして「Make it true」「MONSTER」「Perfect」「Power」……様々な曲によって構成されたメドレーが怒涛の勢いで展開。本編を締めくくった「Get Gold」が本当にかっこよかった。熱いバンドサウンドから始まるこの曲は、中盤にダンスパートが盛り込まれているが、楽器を演奏していたメンバーたちもステージ前方に移動し、7人が一丸となって踊る姿は、毎回のライブでワクワクさせられる。ダンスパートが終わると、諸星がサックスソロを吹き鳴らしながら前方へと飛び出し、他のメンバーも加わったバンド演奏に戻って行く……という変化球の畳みかけも、良い意味でどうかしている。二面性を1曲の中に凝縮した「Get Gold」は、今後も彼らの単独ライブはもちろん、音楽フェスなどでも絶大なインパクトを放ち続けるはずだ。

　お馴染みのマスコットキャラクター・小田ちゃんと観客に名前を呼ばれてステージに戻ってきたメンバーたち。アンコールで披露された「GIRL」と「Lonely night」は、アリーナ内の通路を歩きながら歌った7人が、ファンとの距離が近いコミュニケーションを楽しんでいた。そしてこの2曲を歌い終えた後、想いを語った安井。7ORDER Projectが始動してから4年の中で、笑ってばかりもいられない出来事がたくさんありつつも、“7ORDERを始めてよかった”と思う瞬間を作ってくれたのはファンである旨を伝える言葉には、心からの感謝が込められていた。「何かを始めるっていうのは、すごいエネルギーが必要で、続けるっていうのはもっとエネルギーが必要。でも何かを始めたり、紡いでいったりした先に、きっと楽しいことが待ってると僕らは身を以って感じました」――そんな姿を示し続けている7ORDERの活動もファンの心を支える大きなメッセージとなっているのだと実感できる言葉だった。「さなぴーはとっておきの発想力、モロはとっておきの熱さ、美勇人はとっておきのセンス、萩ちゃんはとっておきの冷静さとクレイジーさ、顕嵐はとっておきの華、ながつはいつもとっておきの笑顔。1人じゃ何もできなかったけど、こうやって仲間、支えてくれる人がいてここまで走ってきてます」――安井が紹介する度に、メンバーの各々が照れくさそうな表情を浮かべるのが、なんだかとても温かい。そんな風景を経て披露された「雨が始まりの合図」は、観客の大合唱も加わりながら穏やかな音色を作り上げていた。

　小田ちゃんも加わった記念撮影が行われた後、メンバーからのメッセージも届けられた。「僕は芸歴が長くて、ベテランみたいなことを言われるんですけど、今が一番かっこいいと思ってます！　でも、これはみんなのおかげです。1つのことをずっと続けられるのは、応援してくれるみんながいるから。本当にありがとう！　大好きです！」（真田）。「7人それぞれ個性があって、違う考え方があって、時にはぶつかる時もあるけど、こうやってみんなで揃ってステージに立てる瞬間が本当に楽しいです」（萩谷）。「上の方！　真ん中！　下のみんな！　配信のみんな！　たしかに熱かった！　間違いなく熱かった！　最高でした！」（森田）。「生きてて心が揺さぶられる瞬間ってそんなに多くないと思うんですけど、今、この瞬間を本当にありがとうございます！」（阿部）。「素晴らしい25歳を迎えることができました……まだ迎えてない（笑）。これから迎えることができそうです。祝ってもらえるって本当に幸せなことなんだなと思いました。これからも頑張っていこうと思います。もう止まらないよ！」（長妻）。「“こうやったらかっこよくなるかな？”とかいろいろ考えるんですけど、いざステージに出ちゃうと1人の男です。だから嘘つけません。今、この7ORDERが最高潮の7ORDERです！　お前らが最高潮のお前らです！　そして、『雨が始まりの合図』の前に1人1人のこと言ってくれたけど、けんちゃんに返してなかったなと。とっておきのリーダーシップを、とっておきの最高の愛をありがとう！」（諸星）。「めちゃくちゃ楽しかった！　俺らと一緒に遊んでくれてありがとう。ありがとうございました！」（安井）。

　想いを伝えてステージを後にした7人。しかし大歓声に応えて彼らは戻ってきた。「最近ながつが言っててめちゃくちゃ刺さったことがあって。“人生は点じゃないから。線だから”って。みんなと今日会ったのは点だけど、これがどこかで線になって、また交わることを楽しみましょうよ。人生って最高だな？　みんなでいい人生にしていこうぜ！　俺たちも面白い人生歩んでるんだから。命燃やして次の曲やるぜ！　命燃やせるか？」と安井が観客に呼びかけ、ダブルアンコールとして届けられたラストの曲は「LIFE」。演奏、歌声、手拍子、歓声が生んだ昂揚感は、生のエネルギーの結晶体であるライブの醍醐味を目一杯に噛み締めさせてくれた。演奏を終えてステージを後にする前に、「俺たちとみんなで、7ORDER！」という言葉を本当に久しぶりに観客と一緒に叫び、心底嬉しそうな表情を浮かべていた7人の姿が思い出される。彼らを見送る拍手と歓声は、ライブの余韻をとても爽やかなものにしていた。

　こうして幕を閉じた『7ORDER LIVE TOUR 2023 DUAL』のファイナル公演。二面性が様々な形で示されたのはもちろんだが、彼らの魅力は“バンド”と“ダンス”という要素だけでは語り尽くせないことも感じるライブだった。照明、特効、音響などの演出、舞台裏で様々な部分を支えるスタッフ、全力で楽しむファン、真剣に活動に取り組みながらメンバー間の絆を深め続ける7人――これらが融合しながら生まれる無数の楽しさがあるのが7ORDERのライブだ。今後も多くの人々を魅了していくことになるだろう。