【チャンネル登録者数1760万人】韓国出身YouTuberアーティスト J.Fla、クリエイターURUと語る活動の転機

J.Fla×URU、活動の転機

 チャンネル登録者数1760万人を誇る韓国出身のYouTuberアーティスト、J.Fla。「Shape Of You」(エド・シーラン)のカバー動画が3.3億再生、「Despacito」(ルイス・フォシン)が2.1億再生を記録するなど、世界的な人気を獲得している彼女が、6月8日にオリジナルアルバム『Burn The Flower』をリリースする。

 リアルサウンドでは、アーティストとしての転機を迎えたJ.Fla、韓国のシーンにも深く関わっているクリエイターのURUの対談をセッティング。J.Flaのこれまでのキャリア、アルバム『Burn The Flower』のコンセプトなどについて聞いた。(森朋之)

カバーするときは「私が歌ったら、どうなるか?」をいつも考えている

ーーJ.Flaさん、URUさんの交流がはじまったきっかけは?

URU:僕は1997年頃から韓国で作家として活動していて、そのなかで作曲家やシンガーと知り合って。その後、SonyMusicPublishingと共同で、日本で活動したいと思っている韓国のクリエイターを支援するエージェント「SJFACTORY」を2008年に立ち上げたのですが、J.Flaもそこに参加してくれたんです。彼女はもともとシンガーですが、トップライナー、メロディメイカーとしての資質もあったので。

J.Fla:URUさんと知り合ったときは、まだ高校生でした。とにかく新しい経験を積みたかった時期ですね。

URU:J.Flaは当時から歌声もすごく個性的だったんです。見た目からは「かわいくて、細く、高い声質なのかな」というイメージがあったんですが、実際は力強さもあったし、ローもハイもしっかり出せて。いい意味でギャップがありました。

URU
URU

ーーJ.Flaさんはどんなアーティストの影響を受けているんですか?

J.Fla:憧れているアーティストは特にいません。楽しいこと、好きなことをやりたいといつも思っていて、それを続けているうちに、いつの間にか歌ったり、曲を作ったりしていました(笑)。様々な音楽が好きですし、挑戦するのも好きなんです。カバーするときは「私が歌ったら、どうなるか?」をいつも考えていますね。

J.Fla
J.Fla

ーーJ.Flaさんが自身のYouTubeチャンネル「JFlaMusic」をスタートさせたのは、2012年。立ち上げにはURUさんも参加されたそうですね。

URU:本当に最初だけですね。Googleのセミナーに参加したときに、(動画のアップに際して)3つのことを守ってほしいという話があって。ひとつめは決まった時間、約束通りの時間にアップすること。2つ目は見やすい、きれいな映像で、3つ目はカメラのほうを向いて撮影すること。J.Flaが最初にアップした「Halo」(ビヨンセ)のカバー動画は3つの条件を守っていたんですが、その後は完全に無視していましたね(笑)。

J.Fla:(笑)。「Halo」はアコギの弾き語りで、真正面を向いて撮影しました。URUさんがおっしゃる通り、Googleのセミナーのガイドラインに沿っていたのですが、2つ目の動画からは、自分が好きなように制作しました。YouTubeチャンネルは自分のステージなのに、どうして誰かの言うことを聞かないといけないの? という反抗心もありましたね。

URU:サングラスをかけて歌ったり(笑)。

J.Fla:歌うことに集中できる環境を作ることも必要でした。歌っているときに、ガイドランのことなんて考えたくないので。

Beyonce - Halo ( cover )

ーー6年ほど前からは、横顔、ヘッドフォンなど、フォーマットが定まってきました。

J.Fla:はい。正面から撮ってもいいかなと思うこともあるのですが、みなさんから「横顔がきれいですね」と言っていただけるので(笑)。

ーー今やチャンネル登録者は1700万人以上。「Shape Of You」(エド・シーラン)のカバー動画が3億回再生を超えるなど、YouTuberアーティストとして世界トップレベルの人気です。

URU:歌の魅力はもちろんですが、10年間、毎週欠かさず新しい動画をアップしているのはすごいですよね。その週にリリースされたばかりの新曲をカバーして、金曜日にアップしていることもあって。何かきっかけがあって人気が出たというより、地道な努力によって少しずつ上がってきたんだと思います。本当によくがんばりました。

J.Fla:ありがとうございます。毎週アップするのは、正直、すごく大変なんです。私がカバーしている楽曲の多くは、ビルボードTOP100に入っている、有名で素晴らしい曲ばかり。それを私のスタイルで歌うことは、とてもしんどい作業なんですよ。続けてこられたのは、やはりファンのみなさんの応援。アップしたカバーに対して、感想やコメントをもらえるとやりがいを感じます。

URU:本当にいろんなタイプの曲をカバーしてるよね。エミネムのラップだったり、「Despacito」(ルイス・フォンシ)のようなスパニッシュの楽曲だったり。

J.Fla:「Despacito」をカバーしたときは、もちろんしっかり原曲を聴いて、発音も工夫しましたが、みなさんは私が韓国人であることを知っているし、ちょっとくらい下手でも優しく受け止めてくれるだろうと思っていたんです(笑)。でも、なぜかスペイン本国ですごく聴かれて、「スペインに住んでいたことがあるんですか?」「どうしてそんなにスペイン語が上手なんですか?」と質問されたんです。

URU:素晴らしい。やっぱり耳がいいんでしょうね、J.Flaさんは。

Ed Sheeran - Shape Of You ( cover by J.Fla )
Luis Fonsi(ルイス・フォンシ) - Despacito(J.Flaによるカバー)

ーーJ.Flaさんご自身は、世界中の音楽ファンが評価している理由をどう考えていますか?

J.Fla:「魅力的なルックスです」と言いたいですが、それはまったく違っていて(笑)。理由としてはまず、さまざまなジャンルの曲を歌っていること。あとはやはり、地道に続けてきたことだと思います。体調がよくないときも必ず決まった時間にアップロードしてきたし、当日に曲を決めて、なんとか21時にアップしたこともあったので。ただ、そのときは「申し訳ない」という感情を抱きました。もっと時間をかけて、より良いものを届けなくちゃいけないな、と。その後はしっかり準備して、時間ギリギリまでクオリティを高めるようにしています。

URU:ファンを大事に思っているのも、彼女のいいところだと思います。

J.Fla:ファンのみなさんがいてくれないと、音楽をやる意味がないですし、何より楽しくないので。私の歌を待ってくださっていることも伝わっていますし、新たにアップしたカバーにいちばん乗りでコメントを書くために、10分前くらいから待機してくれる方もいらっしゃるんです。だからこそ、自分なりの解釈を加えたいいものをお届けしたいんですよね。

ーー今年1月に公開された「残響散歌」(Aimer)のカバーも話題を集めています。日本語の楽曲のカバーは初めてですが、「残響散歌」を選んだのはどうしてですか?

J.Fla:日本のアニメーションが大好きで、特に『鬼滅の刃』の大ファンなんです。「残響散歌」は以前からずっと歌ってみたいと思っていたし、(『鬼滅の刃』のキャラクター)炭次郎、禰豆子を愛する気持ちを込めてお届けしました。あと、新年にはいつもちょっと違うテイストの曲をカバーしているんですよ。

URU:僕はK-POPアーティストの日本語の曲のレコーディングもやっていますが、J.Flaの「残響散歌」は発音的にもまったく問題ないですね。

J.Fla:ありがとうございます。

Aimer - 残響散歌, 鬼滅の刃 OST ( cover J.Fla )

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