映画『スーパーマリオ』劇中歌「Peaches」がバイラル首位 クッパが歌い上げるコミカルかつ切実なラブソングに

 Spotifyの「Daily Viral Songs(Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの5月10日付のTOP10は以下の通り(※1)。

1位:ジャック・ブラック「Peaches」
2位:EHAMIC「小犬のカーニバル 〜小犬のワルツより〜」
3位:妖艶金魚「BLACK」
4位:Spacehog「In The Meantime」
5位:YOASOBI「アイドル」
6位:FIFTY FIFTY「Cupid -Twin Ver. -Sped Up Version」
7位:NCT DOJAEJUNG「Perfume」
8位:TORAUMA「椿」
9位:Brown Basket「こころのこり」
10位:スピッツ「美しい鰭」

 今回は首位を獲得したジャック・ブラック「Peaches」をピックアップする。

 同曲は4月28日に日本で公開された『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の挿入歌だ。日本を代表する世界的コンテンツのひとつ、任天堂のゲーム“スーパーマリオシリーズ”を原作に、3DCGアニメ化された同作は、日本では公開17日間で興行収入80億円を突破し、3週連続で動員1位を記録している。また、5月15日時点での全世界での累計興行収入は1600億円を突破し、歴代アニメ作品の興行成績(全世界興行成績)トップ10の4位にランクイン。世界的な大ヒット作品となり、記録は今後も更新されそうな勢いである。

 映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』がヒットしている理由の一つは、ゲームのスーパーマリオシリーズの共通体験が映画館に足を運ぶきっかけになっており、個々のキャラクターやキャラクター同士の相関図、大枠のストーリーが世界中の幅広い年齢層に浸透していることが挙げられるだろう。さらにはゲーム「スーパーマリオブラザーズ」の地上BGM、つまり、音楽が共通体験の中に含まれているのも大きい。近藤浩治作曲による同曲が、ゲーム音楽として初めてアメリカ議会図書館に収蔵されたことも記憶に新しい。

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』最終トレーラー(吹替版)

 さて、「Peaches」に話を戻そう。同曲は映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』でクッパの声優を務めたジャック・ブラックが歌唱しており、5月4日付のデイリーバイラルチャートに1位で初登場して以降、5月13日付の同チャートまで不動の首位をキープ。Spotifyではすでに5200万再生を突破(5月15日現在)し、圧倒的な強さを見せている。

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