連載「lit!」第49回:LE SSERAFIM、SEVENTEEN、AB6IX、Agust D、Kep1er……日本公演に備えて聴きたいK-POP

 5月12日から14日にかけて、幕張メッセにて世界最大級のKカルチャーフェスティバル『KCON JAPAN 2023』が開催される。今年もLE SSERAFIMやENHYPEN、BOYS PLANET、STAYC、Kep1erなど、今注目のアーティストが集結する本イベントを毎年楽しみにしているK-POPファンも多いのではないだろうか。

 日本でK-POPアーティストを応援していると、『KCON』のような来日公演の機会は、推しグループのパフォーマンスを堪能し、その魅力を再確認するまたとない時間となる。そこで今回、「来日に備えて聴きたいK-POP」をテーマに、『KCON』も含めてこれから来日予定のアーティストを5組ピックアップ。各アーティストがこの1カ月ほどの間にリリースした楽曲を紹介したい。

LE SSERAFIM「UNFORGIVEN」

LE SSERAFIM (르세라핌) 'UNFORGIVEN (feat. Nile Rodgers)' OFFICIAL M/V

 5月2日に1stフルアルバム『UNFORGIVEN』でカムバックを果たしたLE SSERAFIM。彼女たちの楽曲の魅力といえば、メンバーのこれまでの人生を背景に書かれた歌詞と、他人の評価をものともせず、自分たちらしく最高の姿を目指して成長する様子をガールクラッシュ的に描き出している点にある。今回のアルバムもその魅力が存分に散りばめられ、多彩な楽曲で彼女たちのさらなる表現力の高まりを実感できる作品となっている。

 特にタイトル曲「UNFORGIVEN (feat. Nile Rodgers)」は、「FEARLESS」や「ANTIFRAGILE」と同じく、中毒性の高いサウンドが印象的。西部劇のテーマ曲のようなBGM、異国情緒を感じるようなサビのメロディ、HIPHOPとファンクが融合したリズムと、既存ジャンルには収まりきらないような独特なサウンドで、一度聴いたら耳に残る楽曲だ。

SEVENTEEN「F*ck My Life」

SEVENTEEN (세븐틴) 'F*ck My Life' Official MV

 5月17日より来日公演『SEVENTEEN 2023 JAPAN FANMEETING 'LOVE'』を開催予定のSEVENTEEN。彼らは4月24日に10枚目のミニアルバム『FML』でカムバックを果たした。グループ初のダブルタイトル曲となった今作は、自身の境遇を嘆いたり、自分を責めて人生を悲観する俗語「F*ck My Life」の略語をタイトルとして採用。ダブルタイトル曲のひとつ「F*ck My Life」は、今回のアルバムの「悪い状況でも無限にネガティブな考えに埋没してしまうのではなく、“FML”を健康的な視点に再解釈して、能動的で肯定的な態度に昇華させる(※1)」というコンセプトと大きく関連し、ゆったりとしたビートと懐かしさを感じる切なげなメロディの中で、ままならない世の中を自分らしく生きようとする主人公の姿が描かれている。

AB6IX「Fly Away」

AB6IX - "Fly Away" Music Video (4K)

 5月13日、『KCON』2日目に出演予定のAB6IX。2019年5月にデビューし、作詞作曲からダンスの振付までマルチな才能を見せる“自作ドル”として人気を集めている彼らは、5月10日にJAPAN 1ST SINGLE 『Fly Away』をリリースしたばかり。TVアニメ『逃走中 グレートミッション』(フジテレビ系)エンディングテーマにもなっている表題曲は、今回はメンバーの作詞作曲ではないものの、多彩な表現を得意とするAB6IXの爽やかな一面をぐっと掘り下げたような一曲となっている。新緑の季節にピッタリのクリアなサウンドで、何度も聴きたくなる心地好さのあるポップソングだ。

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