水曜日のカンパネラ、「エジソン」大ヒット以降に起きた意識の変化 詩羽「最近ボーカリストとしての自覚が芽生えた」
少なくとも実力に関しては文句言われないくらい努力したい（詩羽）
ーー「ティンカーベル」はどういうきっかけで作り始めたんでしょう？
詩羽：「こういうのを作りたいよね」って話して作った曲ですね。これはいつもライブの頭に歌う曲で。去年のツアーでは何回かコムさん（コムアイ）のときの「ナポレオン」をライブの頭に歌ってたんですけど、そんな感じのゆったりした曲調で、最初からぶち上げるんじゃなくて、しっとり聴かせてから徐々にアゲていく曲がほしいですねって話し合いをして。
ケンモチ：これは怪しいディープハウスみたいな感じの曲を作ろうと思って。サビもブチ上げるというより、暗闇のオーラが漂っているような感じ。だけどタイトルが「ティンカーベル」っていう、ちょっとファンシーなのが面白いかなと思って。ライブではよく暗闇から登場するんですよ。暗い中でレーザーとか小さなライトだけが当たって映えるような、クラブ仕様のサウンドを心がけて作りました。
詩羽：ライブの時はこの曲でみんなを少しずつノらせていく感じですね。後ろの方とかステージじゃないところから登場したりするんで、いつも「やっほー！」って感じで出てきてます。場合によっては、私が歌い始めてもみんなしばらくステージの方を見て「あれ？ どこ？」みたいにしていたりするときもあったりするんで。そういう時はお客さんの肩をトントン叩いて「ここだよ」ってやったりとか。軽いギャルの気持ちで登場してます。
ーーEP収録の3曲についても聞かせてください。まず「七福神」はどういうアイデアから生まれた曲でしょうか？
ケンモチ：これは今回のEPの中で最後に作った曲なんですけども、もうちょっとエネルギッシュな曲を作った方がいいかなと思って。かなりチャラいEDMな感じになりました。しっとりしたイントロから始まって、急にオラついた掛け声が入ってくるのが少しバカっぽくて面白いなって。
ーー七福神のモチーフは？
ケンモチ：最初は恵比寿天をタイトルにして曲を作ろうと思ったんですけれど、ちょっと難しくて。七福神の名前を見ているうちに、毘沙門天、弁財天、大黒天で韻を踏めるなとか、毘沙門天が「び」から始まるのがいいな、〈びびびびびび 毘沙門天〉っていいなとか、言葉として面白くできるなということが判明して。そこから始まりました。あとは、グーグルの画像検索で七福神の画像を沢山見たんですけど、どのイラストも船がちっちゃいんですよ（笑）。なんでこんなに船ちっちゃいんだろう？ っていう話です。
ーー詩羽さんとしては、この曲はどう感じました？
詩羽：悪い意味ではなく、この曲はちょっと古い感じがあって。私からすると、たとえば平成初期とかって、ファッションも音楽もちょっとダサいところがある。でも、それが記憶に残るし、今見ると格好いいみたいなところがあるから、Y2Kってリバイバルしたんだと思うんですよ。そういう「ちょっとダサいよね」みたいな、じわっとにじみ出てる古さがあるなと私は思います。
ーー「金剛力士像」に関してはどうでしょう？
ケンモチ：この曲は運慶と快慶の話にしようと思って作り始めました。「金剛力士像」というタイトルからするとゴリッとした曲がくるのかなっていうのを逆手にとって、ゆったりとした、おおらかな曲になった感じがします。
ーーこの曲は二人の友情の関係性が描かれていますね。
ケンモチ：金剛力士像を作るという同じ夢や目的を持って集まった人たちが一緒に作業をして仲良くなっていく、文化祭前夜みたいなストーリーですね。阿吽の呼吸というのも金剛力士像の口の形から来ているんですけれど、二人が息を合わせるというのも意味的に重なるなと思って。そういう設定を盛り込みながら、二人で朝まで語り明かす曲になりました。どうしても“快慶にお会計”させたかったんで（笑）。
詩羽：この曲は私的には歌いやすかったですね。感情移入がしやすかったので、すぐスッと自分の中に入ってきた。そこからは気持ちよく歌うだけって感じでした。
ーー「シャドウ」はどうでしょう？ これは各地の高速道路やインターチェンジなどの地名が出てくる曲ですが、この発想の由来は？
ケンモチ：よく高速道路で道路交通情報センターの情報がよく入ってくるんですけど、「海老名ジャンクション」とか、漢字とカタカナをあわせた言葉がすごく格好いいとずっと思っていて。あと「東名阪」というのもすごく好きな言葉なんです。響きが日本語っぽくないじゃないですか。それを忍者がお腹減ったときにこっそり食べる“見えないご飯”の「透明飯」とかけたという。ずっと何かの曲で言いたかったんですけど、ようやくそれができました。
ーートラックやサウンドメイキングに関してはどうですか？
ケンモチ：これはアフロレゲトンみたいな感じで、チャカポコした音とミュートギターの音で一曲作りたいなって思って作った感じですね。BPM的には少しゆったりな曲なんですけれど、あんまり速くしすぎると言葉がどうしてもギュッと詰まっちゃうんで。勢い重視というより、言葉の意味とか響きを面白いと思ってもらえた方がいいなと思って、ちょっとゆったりした曲にしました。
詩羽：ただ、私、車の運転ができなくて、高速の名前とかも全然知らないんですよ。だから歌詞がなかなか覚えられなくて。必死で頑張ってますね。
ーーこうして6曲揃って、どんなEPに仕上がったという実感がありますか？
詩羽：情報量多いなって感じですね。前の『ネオン』は、わりとポップにまとまったEPだったと思うんですけど。これに関しては、最初に作った「ティンカーベル」がクールなしっとり系で、明るい曲も、リズムがゆっくりな曲も、速い曲もあるし、いろいろやりたいことやりましたっていう。いい意味で情報量が多い、いろんな新しい一面が見えるEPなんじゃないかなって思いますね。
ケンモチ：『ネオン』で「今はこんな感じです」っていうものが見せられたので、それ以外の引き出しも開けて、飛び道具も使えるようになったっていう感じですね。
ーー最後に聞かせてください。今年は頑張りたい、自分たちの年にしたいということを仰ってましたけど、この先どんな存在になっていきたいという思いがありますか？
詩羽：私としては、まず、歌はもっと上手くなりたいなって思ってます。それが一番大きいかもしれない。私、文句言われるの嫌なんで、少なくとも実力に関しては文句言われないくらい努力してやろうって思ってます。あと、水曜日のカンパネラの目標の一つとして海外でも通用する音楽をやりたいというのがあるので。私、今まで海外に行ったことなかったんですけど、こないだ台湾でライブをやったら、言葉が違ってもちゃんと愛が通じている感じがあって。もっと行けるはずって自信が芽生えたし、いろんなところに行きたいなって本気で思ってます。
ケンモチ：前から海外を意識して曲を作るようにはしていたんですけど、今はむしろ日本の独自のシーンが面白いと思うようになっていて。アメリカのメインチャートで流行っているものを一生懸命真似するより、全く違う良さがあるものを作ったほうが、いろんな国で聴かれるんじゃないかなという。日本でも面白いし、世界の人も面白いと思ってもらえる曲を作りたいと思ってますね。
■リリース情報
2nd EP『RABBIT STAR ★』
デジタルリリース日：4月26日（月）
CDリリース日：5月3日（水）
価格：1,980円（税込）
収録内容：
M1. 赤ずきん
M2. 七福神
M3. 金剛力士像
M4. シャドウ
M5. 鍋奉行
M6. ティンカーベル
https://wed-camp.lnk.to/2ndEP
■ライブ情報
『水曜日のカンパネラ ワンマンライブツアー2023～RABBIT STAR ★ TOUR～』
5月17日札幌PENNY LANE24
5月19日神戸Harbor Studio
5月27日福岡evoL ※SOLD OUT
5月28日岡山YEBISU YA PRO
6月9日仙台Rensa
6月10日新潟NEXS
6月14日心斎橋BIGCAT
6月16日名古屋DIAMOND HALL
6月17日金沢EIGHT HALL
6月23日高松MONSTER
7月7日那覇 Output
7月19日東京Zepp Shinjuku
チケット情報：
前売 スタンディング 4,500円（税込/整理番号付） ドリンク代別
前売 KIDS 1,000円 （税込/整理番号付） ドリンク代別 ※6歳未満のお子さま限定
※6歳未満はキッズチケットが必要になります。
※6歳未満のお子様をお連れの大人の方は、キッズ分の500円のキャッシュバックを行いますので、お子様の身分証持参ください。
一般発売
チケットぴあ：https://w.pia.jp/t/wed-camp/
イープラス：https://eplus.jp/wed-camp/
ローチケ：https://l-tike.com/wed-camp/
■関連URL
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サイン入りチェキプレゼント
水曜日のカンパネラのサイン入りチェキを1名様にプレゼント。応募要項は以下の通り。
応募方法
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
※当該プレゼントは、応募者が第三者へ譲渡しないことが応募・当選の条件となります（転売、オークション・フリマアプリ出品含む）。譲渡が明らかになった場合、当選は取り消され賞品をお返しいただく場合がございます。
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リアルサウンド 公式Instagram
＜締切：5月18日（木）＞
