齊藤京子&上村ひなの、日向坂46として重ねてきた時間の大切さ 頼もしく優しい初センター・丹生明里への“憧れ”も明かす
日向坂46の9thシングル『One choice』が4月19日にリリースされた。表題曲は、初センターを務めた二期生・丹生明里の魅力がそのまま詰まったような恋愛ソングに仕上がっており、ライブでも鮮やかな存在感を発揮していきそうな1曲。加えて、アップテンポに乗せて強い意志を示すような「愛はこっちのものだ」(一期生曲)や「You’re in my way」(二期生曲)、ユニークで思わず踊りたくなる「パクチー ピーマン グリーンピース」(三期生曲)、透明感が際立つ美しいメロディの「シーラカンス」など、カップリングの期別曲も充実している。横浜スタジアムでの『4回目のひな誕祭』も大成功させ、ますます勢いに乗る2023年の日向坂46について、「One choice」フロントメンバーの齊藤京子、上村ひなのに話を聞いた。(編集部)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】
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「ファンの皆さんの声援でアイドルになれている」(齊藤)
ーーまずは4月1日、2日に横浜スタジアムで開催された『4回目のひな誕祭』について、感想を聞かせてください。
齊藤京子(以下、齊藤):すごく開放的でしたし、本当に楽しかったです。これまで野外でのライブ経験は富士急ハイランド(コニファーフォレスト)での『W-KEYAKI FES.』といくつかのフェスやイベント出演のみだったので、単独でこんなに大きな会場ということもあって、いつものライブとは違ったお祭り感を感じました。現地でのリハーサルでは小雨も降ったんですけど、そういう体験も野外ならではで楽しかったです。
ーー奇跡的に2日間ともライブ中は天気に恵まれましたね。
齊藤:そうですね。最初は雨予報だったので、「ついに日向坂も雨に打たれながらライブをするのかな」と思っていたんですけど、“おひさま”パワーで晴れてよかったです。
上村ひなの(以下、上村):初めてのステージでどういうライブになるのかなと、始まる前から楽しみにしていたんですけど、実際にステージに立ってみるといい意味でいつもと変わらない安心感があって。もちろん新しくファンになってくださった方もいらっしゃると思うんですけど、いつも変わらずおひさま(ファンの総称)がそこにいてくださって、4年間、もしくはそれ以上一緒にいる皆さんが日向坂46の4周年をお祝いしてくださるという、その空気感が本当に温かかったので、安心感を持ってライブを楽しめました。
ーーその安心感というのは、観客の声援やコールを久しぶりに聞けたことも大きな要因だったんじゃないでしょうか。
齊藤:お客さんの“声”がないことが当たり前になっていたところ、初期の頃を思い出すような皆さんの声援があってこそ、ライブは成立するんだなとつくづく思いました。
上村:それこそ、声出しNG以降にファンになってくださった方もたくさんいらっしゃって、まだまだ声出しに慣れていない方も多いと思うので、これからは声を出しながらもっと楽しんでいただくことが課題になってくると思っていて。また3年以上前みたいなアイドルの形に戻っていく、その過程も含めて楽しんでいきたいです。
ーーコロナ禍以降に発表した楽曲に初めてコールがついたわけですよね。
齊藤:そうでしたね。まさに「このときを待っていた」と強く思いました。「アザトカワイイ」以降の楽曲は歓声がある中で披露したことがなかったので、そういった曲で「超絶カワイイ、◯◯!」みたいなコールが聞こえてくることが新鮮で。その声援があるとないとでは、アイドル感が変わるといいますか、ファンの皆さんがそう言ってくださることで私たちはアイドルになれているので、この2日間でよりアイドル感が増したかなと思いました。
上村:やっぱりファンの皆さんの声援ってすごく大きくて。それがない中でこの3年間ライブをしていたのももちろん素敵な経験だったと思うんですけど、その声が戻ってきて、そこからまた楽しいライブを作っていける喜びがすごく大きくて。「アザトカワイイ」や「君しか勝たん」は今までコールがなかったはずだし、その日披露されるとは限らないのに皆さんすごくコールが揃っていて、「どうやって揃えているんだろう?」ってびっくりしました(笑)。私たち以上におひさまの皆さんは空気を読む力や団結する力を持っていらっしゃるんだなって。
ーー初めての曲でもしっかり揃っていましたものね。そして、周年ライブということもあってか選曲もかなり幅広く、日向坂46のみならずけやき坂46時代の楽曲も含まれていたことも印象的でした。
齊藤:久しく披露していなかった曲もありましたし。改めて思ったのは、いつになってもけやき坂46時代の楽曲を歌うと、あの頃を瞬時に思い出すことができること。特にけやき坂46時代の楽曲は普段なかなか披露する機会がないので、こういう『ひな誕祭』で年に1回歌えることはありがたいですし、毎年セットリストを確認するときに「この曲を歌えるんだ!」と噛み締めながら歌っています。
ーー上村さんは「この夏をジャムにしよう」や「ゴーフルと君」といった三期生楽曲のほかにも、ご自身のソロ曲「一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない」を三期生4人で披露しました。
上村:4年前に三期生としてひとりで加入させていただいて、そこから1年が経って3人(髙橋未来虹、森本茉莉、山口陽世)が加わってくれたことで、新しい三期生らしさが生まれて。リリース当時はソロ曲として歌ったものに、3人がダンスや野球のバッティングで参加してくれたことがすごく嬉しいです。もちろん当時があったから今こうして4人で仲良く笑い合えているわけで、『4回目のひな誕祭』ではそのありがたさを実感しながら歌っていました。
ーーさらに、これまでの『ひな誕祭』と大きく違うのは、四期生が加わったこともあるのかなと。四期生とは何度か同じステージに立ってきましたが、『4回目のひな誕祭』での彼女たちはおふたりの目にどう映りましたか?
齊藤:リハーサルのときからがむしゃらに踊ったり、自分たちの出番じゃないときも私たちのパフォーマンスをモニター越しでジッと観てくれていて。この活動に向けてのみんなの思いがちゃんと伝わってきて、本当にいい後輩が入ってきてくれたなと感じます。
上村:特に今回は四期生楽曲「ブルーベリー&ラズベリー」に加えて、「青春の馬」も四期生バージョンで披露してくれて。四期生の子たちに話を聞くと、どうやらオーディションに受かりますようにと思いながら「青春の馬」を聴いてくれていたそうなんです。私たちもこの曲への思いが強いんですけど、四期生も四期生ならではの思い出や憧れの気持ち、アイドルになれた喜びを表現できる曲なんだなと感じて、それぞれの曲の在り方があるというか。そういうところがアイドルならではで、素敵だなと思いました。
「緊張したときはいつも丹生さんの姿を思い浮かべている」(上村)
ーー先輩たちが築き上げてきた歴史を、しっかり引き継ごうという熱が伝わるパフォーマンスでしたよね。その『4回目のひな誕祭』のアンコールでは、「One choice」を初パフォーマンスされました。この曲を最初に聴いたとき、おふたりはどう感じましたか?
齊藤:本当にいい曲だなと思って。イントロからすごくテンションが上がりますし、恋愛をテーマにした日向坂46らしい曲だなと思いました。
上村:センターの丹生明里さんが持つ明るいパワーがこの曲にもたっぷり込められていると思いましたし、歌詞をよく読むとちょっとネガティブな表現もあるんですけど、そういう葛藤も含めて最後は明るく決意できるような、一種の応援ソングだなと感じました。
ーー最近の日向坂46の楽曲って、情熱的な中にも切なさが散りばめられた、爽快感の強いものが続いていますよね。そういう方向性もひとつ、日向坂46にとっての王道になりつつあるのかなと、この曲を聴いて感じました。
齊藤:確かに。
ーー「キュン」や「ドレミソラシド」、「アザトカワイイ」のような可愛らしいアイドルソングともまた違って、表現方法もちょっと大人っぽくなり始めているといいますか。
齊藤:特に「ってか」くらいから、意思を強く持とうとする主人公に変わり始めているのかなと、歌詞が届くたびに感じます。
ーーこの「One choice」では丹生明里さんが、シングル表題曲では初めてセンターを務めています。センターとしての丹生さんは、おふたりにはどう見えていますか?
齊藤:初めてセンターになると、MV撮影などでプレッシャーから涙を流すことも少なくないんですが、私がすごいなと思ったのは丹生ちゃんはどのポジションでも、いい意味で何も変わらないこと。そういった意味でも私たちは安心してセンターを支えられますし、実はセンターというポジションが適任なんじゃないかなと思いました。
上村:丹生さんはすごく頼もしくて、明るくて前向きで優しくて、接した全員を笑顔にしてしまう素敵な存在です。制作期間は振り付けを覚えるのに必死だったり、頑張らなきゃっていう気持ちが楽しもうという気持ちを上回ってしまうこともあるんですけど、今回の制作では丹生さんの明るい影響を受けてか、みんな楽しそうで。より笑顔が多かった現場でしたし、そういうことも丹生さんの影響が大きいのではないかなと思いました。
ーーライブでのパフォーマンス然り、MVも然りですが、丹生さんが笑顔で中心に立つだけで、温かくて優しい気持ちに包まれるような空気が広がるんですよね。そこが歴代のセンターとはまた異なるもので、日向坂46というグループに新たな色が加わった気がしています。
齊藤:丹生ちゃんはアイドル中のアイドルといいますか、落ち込んでいるときも丹生ちゃんと話すだけでなんだか元気になるんです。以前、「一番“日向坂46らしい”メンバーって丹生ちゃんだよね」とよく話していたんですけど、そんな子がセンターになったからこそ、みんなこんなに笑顔でMV撮影も楽しめたと思いますし、本当に丹生ちゃんのパワーはすごいなと思います。
ーー以前、別の取材で齊藤さんにお話を伺ったときに、「丹生ちゃんは理想的な後輩」とおっしゃっていたことが印象に残っていまして(※1)。
齊藤:ああ、言いましたね。「理想的な後輩」ということは誰にでも愛される魅力を持っているということですし、丹生ちゃんのことを嫌いな人はいないんじゃないかと思うほどで。人としても尊敬しますし、私もそういう人になりたいです。
ーー上村さんから見た、先輩としての丹生さんはいかがですか?
上村:後輩の私にとっても、辛いときに真っ先に顔が思い浮かぶ先輩といいますか。顔を思い浮かべるだけで元気になれてしまうので、私にとってもアイドルのような存在です。最近、ひとりでテレビ番組に出演することが増えてきたんですけど、そんな中で不安になったり緊張したときは丹生さんの姿をいつも思い浮かべていて。なぜかというと、丹生さんはひとりで番組に出演されているときも、ワイプとかの表情もすごく明るくて、パッと周りの雰囲気を明るく照らしてくださっている感じがして、私もそういう存在になれたらと思って。丹生さんの真似をするというわけではないんですけど、頭の中に思い浮かべて「私も頑張ろう!」と思うようにしています。
ーー先ほどMV撮影中も笑顔が多かったとおっしゃっていましたが、完成したMVからもその楽しそうな空気は伝わってきます。
齊藤:撮影の合間にゲームをして盛り上がったりと、終始、和気藹々とした現場でした。
上村:ワードウルフとか人狼ゲームをよくしていましたよね(笑)。期の壁を越えてみんなでわちゃわちゃする機会が、このシングルの制作期間ですごく増えて、先輩方との距離もさらに縮まった気がします。チーム全体で仲良くて楽しいこの雰囲気が大好きだなと思いました。
ーー特に上村さんはフロントメンバー5人のうち、唯一の三期生ですものね。
上村:私は緊張するとすごくカチコチになってしまうんですけど、今回はそんなことがあまりなくて。たぶんそれは先輩方がたくさん優しく接してくださったり、合間の時間にゲームをしたりと楽しい雰囲気のおかげで。もちろん、程よい緊張感を持ちつつなんですけど、明るい雰囲気のまま作品に臨むことができたと思います。