Tani Yuuki「運命」関連動画のヒットでTokTokチャート首位 壮大なサウンドで聴かせる、夢追う人の背中を押すバラード
Billboard JAPANの「TikTok Weekly Top 20」は、TikTokにおける視聴数のみならず、楽曲がどのように使われて視聴されているのかを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの3月22日付のTOP10は以下の通り(※1)。
1位:Tani Yuuki「運命」
2位:BE:FIRST「Boom Boom Back」
3位:有華「Baby you」
4位:ジョージ・エズラ「Green Green Grass」
5位:HoneyWorks「可愛くてごめん (feat. かぴ)」
6位:エド・シーラン「Eyes Closed」
7位:チャーリー・プース「I Don't Think That I Like Her」
8位:大塚愛「さくらんぼ」
9位:新しい学校のリーダーズ「オトナブルー」
10位:Kanaria「酔いどれ知らず」
最新の音楽トレンドを把握する上で、もはや外すことができないのがTikTok。ご覧のとおり、一般的なヒットチャートとは一線を画す個性的なラインナップにも見えるが、よく分析していくとそれぞれのヒットの要因が見えてくる。
たとえば、TikTokで首振りダンスが大きな話題を呼び関連動画再生数が4億回を突破した新しい学校のリーダーズ「オトナブルー」を筆頭に、お笑いコンビ にゃんこスター・アンゴラ村長のダンスネタから波及した大塚愛「さくらんぼ」の再ヒット、そして、世界的にもダンス動画がバスっているジョージ・エズラ「Green Green Grass」など、真似して投稿したくなるキャッチーなダンスがヒットの起因となる楽曲が多く見られる。やはり、ただ一方的に音楽を聴くだけでなく、その音楽を通じて自己表現に繋げやすいことがTikTokでのひとつのヒットの法則のようだ。
同時にTikTokの拡散力を味方につけ、アーティスト本人の魅力を広く知らしめることで、拡散が拡散を呼びファンダムを拡大させているケースも見られる。今週2位にランクインしているBE:FIRST「Boom Boom Back」を例に挙げると、いわゆる踊ってみた、歌ってみた動画の投稿より、圧倒的にBE:FIRST自身のパフォーマンス動画が多く投稿されていることに気づく。ひと目見て凄さがわかるようなインパクトと高いクオリティのパフォーマンス力を持ち合わせているからこそ、短い再生時間のTikTokであってもその魅力が伝わり、着実に新たなファンを生み出すことに成功しているようだ。
そして、前者のリスナーによる歌ってみた、踊ってみたのような引用投稿に牽引されるヒットパターン、後者の圧倒的なパフォーマンス力によって一瞬で心を掴み、引きつけるヒットパターン。この両方に当てはまるのが今週首位に輝いたTani Yuuki「運命」である。音楽活動を開始した頃からTikTokやYouTubeなどSNSを中心に楽曲投稿をしてきたTani。2020年5月に投稿した楽曲「Myra」が多くの支持を集め、ストリーミング再生数が1億回を突破するヒット曲になった。これをきっかけにさらに活動を加速させ、5thシングル「W/X/Y」でのTikTok総再生数10億回超えといったTikTokでの盤石な人気を証明しながらも、お茶の間では、6thシングル「Over The Time」が月9ドラマ『ナイト・ドクター』(フジテレビ系)のオリジナルナンバー(主題歌)に起用されるなど、着実にキャリアを積み重ねてきた。そして、念願の2ndアルバム『多面態』のリリースを前に先行リリースされたのが「運命」である。この楽曲は、片寄涼太(GENERATIONS)に提供した「運命」のセルフカバー。片寄が主演を務めるドラマ『運命警察』(テレビ東京系)の劇中で、片寄演じる福山七瀬による「TikTokでバズった楽曲」としてメタ的な演出に使われていることもあり、すでに注目度の高い楽曲だった。