ORβIT、新たなコンセプト「Room Project」で魅せた単独Zeppツアー カバーやソロ、ユニット曲まで充実のステージをレポート

ORβIT、単独Zeppツアーレポ

 3月14日、Zepp Haneda(TOKYO)にてORβITの単独Zeppツアー『ORβIT LIVE ROOM TOUR 2023』の初日公演が開催された。2023年は多様な音楽表現を見せていきたいと、新たなコンセプト「Room Project」を立ち上げ、3月14日発売のシングル『I can't breathe』を皮切りに3カ月連続でシングルをリリースする彼ら。YOUNGHOONとHEECHOが兵役で不在の中、YOONDONG、JUNE、TOMO、SHUNYA、YUGOの5人で披露したステージは、MCをほとんど挟まず、圧倒的なパフォーマンス力で片時も目を離せないほど会場を魅了し続けた2時間だった。

 公演中の声出しが解禁された今回。会場が暗転し、オープニング映像が流れると会場から大きな歓声が沸き上がった。靴音のようなSEに合わせて、ステージ上にメンバーが一人ずつ登場。白いジャケットに黒いスラックスを身につけたメンバーが揃うと、2020年にリリースした1stアルバム『00』より「UNIVERSE」を披露した。イントロが流れ始め、客席から楽曲に合わせたコールも聞こえてくる。ダークなEDMサウンドと、一糸乱れぬキレのあるダンスでファンを魅了した。

 続いて力強いサウンドの「Ready to burn」でパワフルなダンスを繰り広げた後、「Crazy Love」を披露。歌詞に描かれたおとぎ話のようなラブストーリーを、歌やダンスはもちろん、クールな微笑や柔和な表情で細やかに表現する彼らに会場中がグッと引き込まれていく。そしてYOONDONG、YUGO、SHUNYAの3名が「みずたまり。」をパフォーマンス。傘を使ったダンスパフォーマンスと伸びやかに響く歌で、ファンの視線を引きつけていく。続いて、4月27日に発売されるシングル『Back it up』に収録予定の「One last time」をTOMOがソロで歌唱。しっとりとしたサウンドとともに、幅広い音域を歌いこなす歌声で会場を魅了した。さらに2022年10月発売のデジタルシングルより「As Always」をJUNEが披露。クリアに響き渡る歌声で、その歌唱力に酔いしれるステージとなった。

 会場が暗転し、再び映像パートに。時計と歯車がぐるぐると回る映像が流れた後、発売されたばかりのシングルより「I can't breathe」を披露。クールかつスマートな雰囲気の漂うEDMに合わせ、振付が素早く切り替わるダンスは圧巻だ。

 続くメンバーの休日の一瞬をとらえたかのような映像に、会場からは大きな歓声が上がった。そして、パーティを行うシーンから「乾杯!」と楽しそうに笑うメンバーの様子に、会場の熱がさらに高まっていく。

 デニムをベースとした衣装に着替え5人がステージに再登場すると、5月に発売されるシングルより「SUPERNOVA」が披露され、勢いそのままに「Bloom」をパフォーマンス。アップテンポな楽曲で、メンバー同士がコミカルに絡むシーンも見せながら、ステージをつくり上げていく。

 「Bloom」のパフォーマンスを終えると、挨拶とともにMCへ。SHUNYAが「歌って踊りっぱなしのORβITです。どうですか、みなさん。盛り上がってますか?」と会場に尋ねると、大きな歓声が上がった。今回初めてZepp Haneda(TOKYO)のステージに立ったYUGOが「あたたかいですね。最初から歓声がすごくて、僕たちこれを待ってたんだなって話してましたよね。それくらい、今日を待ちわびてました」と感慨深そうに語ると、大きな拍手が沸き起こった。

 「ORβITでおなじみの曲を聴いていただけたかなと思うので、ライブならではのコーナーに行こうかなと思います」と紹介があった後、各メンバーがソロで他アーティストの楽曲をカバー。SHUNYAはflumpoolの「君に届け」をファンサービスも交えながら、YOONDONGは囁くようなやわらかな歌声で杏里の「オリビアを聴きながら」を披露した。YUGOが斉藤和義「歩いて帰ろう」を明るく歌い上げると、TOMOはMISIAの代表曲のひとつ「Everything」を歌唱。〈あなたとめぐり逢えた〉という歌詞の「あなた」を公式ファンネーム「EαRTH(アース)」に変更して会場の歓声を引き出しつつ、ファルセットと中低音を自在に行き来する歌声は圧巻で、歌い終えると大きな拍手が送られた。JUNEは有名アニメのパロディ映像とともに千綿ヒデノリ「カサブタ」を披露し、会場を盛り上げた。

 MCではJUNEのパフォーマンス内容にほかメンバーからツッコミが入りながら、各メンバーが自身の選曲理由を紹介。そして、SHUNYAが「今楽しいですよね、みなさん。そんな空気感にピッタリの曲をご用意しました」とコメントした後、5月発売予定のシングルより「FUN」をパフォーマンス。細かく動く手元のダンスが印象的なEDMで、YOONDONGとJUNEがラップで楽曲にクールな要素を加えつつ、TOMOが高音をクリアに歌い上げる。ラストのサビでは、ピースを下げるような振付で「一緒に!」と会場をあおりながら、ファンの熱気をさらに高めていった。

 続いて、ウサギの耳がついた被り物をしたSHUNYAが、自身のソロ曲であり新曲「Answer is you」を披露。ポップな楽曲で、会場に新たな色を添えた。そして、TOMOとSHUNYAのユニット曲「ON THE MOON」へ。この楽曲は、TOMOが「手拍子や声出しができる曲をつくろうと思った」と作詞作曲を手がけたといい、サビで観客の歌唱や手拍子が入ったことで、会場の一体感をつくり上げた。

 YUGOも自身が作詞作曲を行ったという新曲「推」を披露。バンドサウンドの楽曲で勢いをつくり、「いつかこういう曲でフェスとかできたらいいなと思っています」とコメントした。続けてJUNEとSHUNYAがロックナンバー「Say yeah」、JUNEとTOMOで2人のラップと歌声が気持ちよく交差する新曲「SPFme -Live ver.-」をパフォーマンス。YOONDONGも黒いパーカーとダメージジーンズに着替えて新曲「tame」を披露し、リズムを的確にとらえたラップと、手先までしなやかながらキレのあるダンスで会場を圧倒した。

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