PSYCHIC FEVER & F.HEROが語る、タイ音楽シーンの可能性 『TO THE TOP feat. DVI』が切り拓く未来
F.HEROが語る、BALLISTIK BOYZとPSYCHIC FEVERの可能性
――F.HEROさんは『Big Mountain Music Festival』のステージで、BALLISTIK BOYZとPSYCHIC FEVERと共演されました。手応えはいかがでしょうか?
F.HERO:タイの音楽シーンに興味を持っていただき、はるばるお越しいただいたことに感謝いたします。南国ということもあり、タイ人はもともと陽気で楽しいことが大好きです。『Big Mountain Music Festival』もタイらしい、ハッピーな雰囲気のフェスになっていますね。そして、ご覧いただいたようにタイの音楽シーンはJ-POPに大きな影響を受けています。私たちが子どもの頃から日本のアニメはテレビ放送されていて、その文化の中で育ってきたので、日本に興味があるタイ人は多く、みんなリスペクトしています。だから、BALLISTIK BOYZとPSYCHIC FEVERと共演できたことは、私にとっても光栄です。お客さんの反応もすごく良かったし、他のフェスでもぜひ共演できればと思っています。
――T-POPは日本人の私が聴いても親しみやすい、メロディアスな楽曲が多いなと感じています。日本と同じくギターロックが大人気なのも意外でした。一方、アーティストの演奏力は総じて高く、オーディエンスを踊らせるのがとても上手です。日本とタイの音楽シーンの違いは、どんなところにあると思いますか。
F.HERO:タイの人々はたしかに、みんなで楽しく踊ろうという意識は高いかもしれません。しかし、タイの法律は日本に比べて緩く、アーティストを守る法も少ないため、海賊版が多いという問題もあります。そのため、音楽シーンやアーティスト、レーベルや販売会社まで、日本のクオリティには至っていないですね。日本の方が発表の場も多く、アーティストにとっては自由に創作/発表できる環境が整っていると思います。日本にはレコードショップもライブハウスも多く、路上ライブも含めてたくさんの現場がある印象です。日本の音楽シーンに学びながら、タイのエネルギーをさらに幅広く発信できると、両国にとってプラスになると考えています。
――F.HEROさん自身はどんな音楽に影響を受けてきましたか。
F.HERO:田舎育ちなので、タイのカントリーミュージックを聴いて育ちました。でも成長とともにポップやロック、ヒップホップに興味も出てきました。J-POPではLUNA SEA、中田ヤスタカさんのCAPSULE、m-flo、安室奈美恵、SPEED、宇多田ヒカルなどを聴いてきました。もちろんHIROさんのZOOやEXILEも大好きです。色々なジャンルから影響を受けています。HIROさんとお仕事をするという夢が叶ったので、いずれは中田ヤスタカさんともお仕事をしてみたいですね(笑)。
――BALLISTIK BOYZとPSYCHIC FEVERが出演しているリアリティショー『New School Breakn’』を拝観しました。彼らは家族だといって、とても温かく迎え入れているのが印象的でした。
F.HERO:彼らとは、出会った瞬間から絆を感じました。きっと根にある部分が繋がっているんでしょうね。彼らが日本に帰ったら寂しくて泣いてしまうかもしれません(笑)。LDHはアーティストはもちろんのこと、スタッフの皆さんもファミリー感があって大好きです。BALLISTIK BOYZとPSYCHIC FEVERは、まだ子どもっぽいところもありますが、みんな心が綺麗で良い子たちです。彼らの面倒を見ることができて本当に嬉しい。
――BALLISTIK BOYZとTRINITYとのコラボ曲「Drop Dead」と、PSYCHIC FEVERとDVIのコラボ曲「To The Top」が完成しました。感想を教えてください。
F.HERO:LDHに素晴らしい機会をいただいたおかげで、最高の楽曲ができました。今回、「Drop Dead」をプロデュースしたBOTCASH(Boom Boom Cash)と、「To The Top」をプロデュースしたNINOは、ともにタイを代表するトップレベルのクリエイターです。そして、TRINITYとDVIが所属する4nologueは、タイの中でも非常にクオリティの高いアーティストが多いことで有名です。LDHと4nologueのアーティストがコラボレーションしたことは、両国の音楽シーンにとっても良い刺激となるでしょう。こんなに素敵な機会はまたとありません。ともに新しい扉を開くことができたのではないでしょうか。
――BALLISTIK BOYSとPSYCHIC FEVERのメンバーは、タイの生活でどのように変わりましたか?
F.HERO:みんなすっかりタイの文化や習慣が体に沁み込んで、楽しく過ごしていると思います。みんなでレストランに行くと、美味しそうにモリモリ食べているから、タイ料理も大好きになったんじゃないかな(笑)。
――今後、T-POPとJ-POPが手を取り合うことで、どんなことを期待していますか?
F.HERO:今回の交流だけで終わらせるのではなく、いずれは力を合わせて「アジアンポップ」というジャンルを確立していきたいです。アジア各国でフェスを行い、世界の音楽シーンを盛り上げていくのが僕の夢です。昨今は言語の壁が薄くなっていて、言葉が通じなくても音楽が楽しめると感じています。言語じゃなくて、音楽をアジアの共通言語にできたら、こんなに素敵なことはないと思います。
――日本のファンにメッセージをお願いします。
F.HERO:タイ人はアニメや食、音楽など、日本の文化が大好きです。タイ人に行きたい外国はどこかと尋ねれば、一番に日本が挙がるはず。それくらい大好きなんです。日本とタイのより良い関係を目指して、お互いに優れた文化を共有しつつ、ともに発展していきたいです。日本の皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。
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