伊藤美来が今、リスナーに届けたい全肯定のメッセージ 6年間の歌手活動で芽生えた強い意志
押し付けがましくならない程度のポジティブってすごく難しい
ーーその「Gift」だけでもすごくゴージャスなのに、さらに「100年前に会いましょう」も用意されている。
伊藤:「100年前に会いましょう」もオールディーズなジャズって感じで。森(由里子)先生の歌詞もあって、すごくロマンチックな曲の背景が想像しやすくて、スッと物語にも入り込めるんじゃないかと思います。
ーー歌詞に具体的なワードも多いから、よりイメージしやすいですし。ここまでの前半は、おそらく10代や20代初頭では表現するのが難しかったんじゃないかという、難易度の高い楽曲が並びましたね。
伊藤:歌詞の内容もそうですけど、こういう曲が歌えるようになったことで、自分も大人になったんだなと実感します。
ーーアルバム後半は「傘の中でキスして」「パスタ」と既存曲が並びますが、非常に収まりがいいですよね。
伊藤:「パスタ」と「傘の中でキスして」は同じシングルに収録された2曲なので、いい並びになるのは間違いなかったですしね。「Gift」「100年前に会いましょう」のキュンとするゾーンから「傘の中でキスして」でまたキュンとして、「パスタ」で一旦落ち着くみたいな、可愛らしい並びになったかなと思います。
ーー「パスタ」はシングルで聴くと存在感が強かったけど、アルバムの中ではここまで馴染むのかと驚きました。
伊藤:いろんな世界を旅した気持ちを一度落ち着けて、パスタを食べようみたいな(笑)。そんな効果がありますよね。
ーーそこから「トロイメライ・ミライ」で、終盤に向けて空気が変わります。
伊藤:『What a Sauce!』というライブツアーのアンコールで「君に話したいこと」(※2ndアルバム『PopSkip』収録)を歌ったとき、応援してくれている方との絆を感じるような内容だなと改めて気付いて。同じことをスタッフさんたちも感じていて、そこから「じゃあ“ギフト”としてもう一度、みんなと一緒に歩んでいきたい、未来を見ていきたいという楽曲を作ろう」と制作したのが「トロイメライ・ミライ」なんです。内容的には「君に話したいこと」よりもちょっと大人になって、学生を卒業して日々揉まれている中だけど、昔からの歩みは変わらないし、ひとりでは無理だけどあなたと一緒だったら叶えられる、信じて頑張っていこうみたいな少し大人目線から夢を語るもので、今の私と重なるようなリアルな描写で表現されています。
もちろん、それ以外にもいろんな捉え方ができる楽曲だとも思っていて。例えば私のことを応援してくださっている方には、これからも一緒にいてほしいという思いを込めて、それが届いたらいいなと思いますし、私のことを知らずにこの曲を聴いた方なら昔の夢を思い出しつつ、歌詞にもあるように〈軌跡はただのファンタジー〉とちょっと擦れてきちゃったところもあるけど、夢を持ち続けていればきっと叶うと感じてほしいですし。そうやって一緒に頑張れる相手、お友達や自分自身に重ねて聴いてもらえたら、背中を押してくれるような楽曲にもなるんじゃないかなと思います。
ーー個人的には〈息を切らし リスタートライン 飛び越えるよ〉の〈息を切らし〉っていう表現が、すごく素敵だなと思いました。
伊藤:いいですよね。私もこの歌詞はすごく好きで、大人になって裸足になるのはちょっと恥ずかしいけど、それでも心だけは裸足になって、息を切らしながらもう一度スタートラインに立って、一緒に手をつないで頑張ろうみたいな、未来に希望を持てる歌だなと思います。
ーーここから「青100色」「La-Pa-Pa Cream Puff」でアルバムはクライマックスを迎えます。
伊藤:ラストに向けてテンションが上がっていき、最終的に本当に幸せな気持ちで終わってもらえるような流れになったんじゃないかと思います。
ーー全体を通してポジティブさが伝わる作品集ですが、そこに押しつけ感がなくて、そっとそばに寄り添ってくれるような1枚だと思いますよ。
伊藤:ああ、うれしい。押し付けがましくならない程度のポジティブってすごく難しいなと、私も作詞をしながら感じていて。「大丈夫だよ」って言われても「本当にそう思ってる? 適当に言ってない?」って感じることもあるじゃないですか。そう捉えられたらもったいないと思って、その塩梅はプロデューサーさん、ディレクターさん含めてすごく考えて曲を発注してくださったと思うんです。と同時に、楽曲を作ってくださったクリエイターの皆さんも、そこの意識をちゃんと共有した上で、自分の世界観の中で1曲1曲“ギフト”というテーマで書いてくださったので、私が思い描いたどおりで、皆さんに贈りたかった形の“ギフト”にしてもらえたんだなと思います。
ーー押し付けがましくならないように人を励ますとか勇気づけるという話を聞くと、このアルバムには伊藤さんの人間味が詰まっているのかなとも感じて。そうやって自分の人間性を作品に落とし込むことができるのも、6年以上におよぶアーティスト活動を積み重ねたからこそなんじゃないでしょうか。もちろん過去の作品でもそうだったと思いますが、より自分の考えていることを作品に反映させることができるようになった感覚はありますか?
伊藤:はい、すごくあります。例えばデビューまもない頃、それこそ1stアルバム『水彩~aquaveil~』を作っていた頃は右も左もわからなかったし、自分が届けたいものも皆さんが求めているものもどれなのかわからなくて。そうやって私があたふたしている中、スタッフの皆さんが一生懸命考えてくれて、私はそれに頑張って乗っかるだけで精一杯だったんですけど、シングルやアルバムを積み重ねてやっと自分がやりたいことが明確になり始めたからこそ、いろいろ自分の考えを言えるようになったと思いますし、それをスタッフの皆さんも「じゃあの思いに沿って作りましょう」と受け入れてくれるようになった。それも長年の積み重ねの中で築いた絆やチームワークによるものも大きいので、まさに今だからこそだと思います。
ーーまさにこのアルバムはいろんな経験を積み重ねてきたからこそ生まれたものであり、伊藤美来流ポップスの極み、ひとつの到達点でもあるんじゃないでしょうか。
伊藤:そう言っていただけてうれしいです。毎回アルバムを作るときは、本当に積み重ねの大切さを感じます。レコーディングで自分がやれることが増えことを感じられるのもそうですし、チーム内の雰囲気とか共通認識も作品を重ねるごとに良くなったり強くなっていって、その結果「肯定したい」とか“ギフト”とかそんな強い言葉が出て来るまでになったのかなと思うと、改めて6年の重みを感じます。皆さんが聴いた感想を耳にするまでは不安も少しありますが、それでも自信を持ってお届けできる内容になったと自負しているので、私からの思いがたっぷり詰まった“ギフト”を受け取っていただけたらうれしいです。
サイン入りチェキプレゼント
伊藤美来のサイン入りチェキを1名様にプレゼント。応募要項は以下の通り。
応募方法
リアルサウンド公式Twitterか公式Instagramをフォロー&本記事のツイート、または応募ツイートをRTしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンドTwitterアカウント、もしくはInstagramアカウントよりDMをお送りさせていただきます。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
※チェキはランダムでの発送となります。指定はできません。
※当該プレゼントは、応募者が第三者へ譲渡しないことが応募・当選の条件となります(転売、オークション・フリマアプリ出品含む)。譲渡が明らかになった場合、当選は取り消され賞品をお返しいただく場合がございます。
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<締切:3月3日(金)>
■リリース情報
『This One’s for You』
2023年2月15日(水)リリース
BD付き限定盤(CD+Blu-ray)4,400円(税込)
通常盤(CD)3,300円(税込)
<収録内容>
01. laid back
作詞:栗山健太 作曲:栗山健太、田中ひなの 編曲:田中ひなの
02. ユニットバス
作詞・作曲:ゆいにしお 編曲:水口浩次
03. 気づかない?気づきたくない?
作詞・作曲:竹内アンナ 編曲:名村 武
04. Oh my heart
作詞:柿沼雅美 作曲・編曲:白戸佑輔
05. Gift
作詞:伊藤美来 作曲・編曲:千葉岳洋
06. 100年前に会いましょう
作詞:森 由里子 作曲・編曲:椿山日南子
07. 傘の中でキスして
作詞・作曲:栗山健太 編曲:田中ひなの
08. パスタ
作詞・作曲:伊藤美来 編曲:水口浩次
09. トロイメライ・ミライ
作詞:花衣 作曲・編曲:佐藤厚仁
10. 青100色
作詞:川本真琴、日吉円子 作曲:川本真琴 編曲:水口浩次
11. La-Pa-Pa Cream Puff
作詞:ミズノゲンキ 作曲・編曲:睦月周平
■ライブ情報
伊藤美来 Live Tour 2023 『Every Day is a gift』
2023年伊藤美来 Live Tourの開催が神戸、名古屋、東京で決定いたしました!
【日程】
2023年5月6日(土) 神戸国際会館 こくさいホール OPEN17:30/START18:30 全席指定
キョードーインフォメーション 0570-200-888 (11:00~18:00 日祝休業)
2023年5月13日(土) 名古屋市公会堂17:00/18:00 全席指定
サンデーフォークプロモーション 052-320-9100 (全日 12:00~16:00)
2023年5月21日(日) 東京国際フォーラム ホールA 17:00/18:00 全席指定
サンライズプロモーション東京 0570-00-3337 (平日12:00-15:00)
プレイガイドにて2月14日(火) 23:59までチケット先着先行受付中!詳細はライブの公式サイトにてご確認ください。
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伊藤美来 オフィシャルブログ「みく色のプロローグ」
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