ライブにおける収容率100%での“声出し解禁” Official髭男dism、岡崎体育、Dragon Ashら各アーティストの向き合い方は?

 令和5年1月27日付にて新型コロナウイルスに対する国の基本的対処方針が変更され、イベント開催に関する新たな方針が示され、2月6日にはコンサートプロモーターズ協会が設定したガイドラインで感染対策を徹底した上で大声発声の制限を廃止し、収容率上限100%での公演開催が認められることになった(※1)。マスク越しだが、満員の会場で客席での発声と歌が全面的に解禁されたのだ。約3年もの間失われていたライブでの歓声が復活することを受け、様々なアーティストが“声出し解禁”を始めつつある。

 例えば星野源は、1月28日に開催した『Gen Hoshino presents “Assembly”』横浜アリーナ公演で声出しがOKになったことを告げた。その後、久しぶりの歓声に星野が涙を堪えて感極まったというエピソードが話題になっており、ライブがより劇的になったことが窺える。SUPER BEAVERは2月7日に東京・Zepp Hanedaで開催した自主企画『現場至上主義2023』のライブ中に声出しを解禁。渋谷龍太(Vo)のツイートによれば3月のファンクラブツアーで大声を解禁する予定だったが、ガイドラインの変更を受けてこの日のライブで「歌ってくれ」と煽ったのだという(※2)。“観客に一緒に歌ってもらうこともSUPER BEAVERのライブ”であるという起点に立ち返るためのアクションだったと言える。

 昨年12月、打首獄門同好会が横浜・ぴあアリーナMMで開催したライブ『新型コロナウイルスが憎かった』では、声出しエリアと声を出さないエリアを区分けしていた。またMUCCは収容率50%ではあるが観客の大声を前提としたライブを10月時点で企画し、2月に開催。スポーツ観戦におけるルール変更などと並行し、段階的にライブでの歓声を解禁してきたアーティスト側の慎重な姿勢も今回の“大声あり”のライブ復活において重要なポイントだっただろう。

 ヤバイTシャツ屋さんは1月31日の『“Tank-top Flower for Friends” ONE-MAN HALL TOUR 2023』栃木公演より声出しを解禁。コール&レスポンスの復活が話題になっていた。

 観客からのコールが文化として根づいている場所と言えば、やはりアイドルのコンサートだろう。『アイドルマスター』のライブでは2月11日以降に開催予定のバンダイナムコエンターテインメントが主催する興行イベントにおいて、不織布マスク着用の上、観客の声出しを解禁することを発表。また乃木坂46、櫻坂46、日向坂46は2月末からのライブでの大声・歓声の制限をマスク着用の上で解除すると発表した。一方、そのルール改定に伴って払い戻しの対応をするなど、あくまで観客の選択に配慮した声出し解禁となっている。

 ルール改定前にチケットを販売していたことからOfficial髭男dismは『SHOCKING NUTS TOUR』1月30、31日の大阪公演では声出しは適用しなかった。同様の理由で岡崎体育も現在開催中のツアー『JAPAN TOUR』では大声はNGとしている。しかし1月29日の東京公演では控え目に“二言だけ”発することは解禁するなど、過渡期にある今を面白く演出しており、アーティストの特色が出ている。

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