Survive Said The Prophet、5年ぶり『MAGIC HOUR』ファイナル Knosis、Stand Atlanticと鳴らした“新たな時代へ前進する意志”
Survive Said The Prophet(以下、サバプロ)の自主企画イベント『MAGIC HOUR TOUR』のファイナル公演が1月30日、神奈川・CLUB CITTA'にて行われた。
サバプロにとって約5年ぶりの開催となる今回の『MAGIC HOUR』では、初来日となるオーストラリアのポップパンクバンド・Stand Atlanticと、Ryo(ex. Crystal Lake)やYosh(サバプロ)、Daiki(Made in Me.、ex. HER NAME IN BLOOD)によるエクスペリメンタルメタルコアプロジェクト・Knosisをゲストに迎え、全国5カ所で開催。CLUB CITTA'での最終公演は、直前の1月27日に政府が新型コロナウイルスに対する基本的対処方針を改定したことを受け、マスク着用の上で声を出しての観覧も可能に。そういった事実も後押しし、サバプロにとってはもちろんのこと、オーディエンスにとっても忘れられない1日となった。
トップバッターを務めたKnosisはこの日、Ryo(Vo)&Daiki(Gt)の2人にサポートメンバーのMORO(Dr/ex. NAMBA69、ex. Shiggy Jr.)を加えた3人でステージに立った。Ryoの「初めまして、Knosisです!」を合図に、ヘビーかつ鋭角的なギターリフと重心の低い豪快なドラム、アグレッシブにのたうち回るボーカルの三位一体によるカオティックなハードコアサウンドで、早くもフロアを掌握。曲間ではオーディエンスから「Ryoさん、おかえり!」の声が上がると、すかさずRyoが「俺だけじゃないよ、全員おかえりだから」と、DaikiやMOROについて触れる場面も。以降も攻撃性にエモーショナルさを掛け合わせた楽曲を次々に繰り出し、フロアにサークルモッシュを発生させるなど圧巻のステージングで観る者を魅了した。
2番手のStand Atlanticは紅一点のボニー・フレイザー(Vo/Gt)の「カワサキーッ、ジャンプ!」を合図に、キャッチーなポップパンクチューンを連発。ヘビーなミディアムナンバーからグルーヴィーなダンスチューン、前のめりなアップチューンまで、緩急に富んだ選曲でフロアを掌握していくセットリストに、オーディエンスは最高の笑顔と思い思いのアクションで応えていく。曲間のMCでは、ボニーが初めての日本来訪への喜びとツアー参加への感謝を伝え、日本語も堪能なミキ・リッチ(Ba)は自身の母親がライブを観に来ていることに触れる一幕もあった。また、初期の代表曲「Coffee at Midnight」ではサバプロのIvan(Gt)がゲスト参加し、開放感の強いバンドサウンドに華を添える。さらに、同曲の後半では同じサバプロからYosh(Vo)も飛び入り。ボニーとともに激しくもエモーショナルな歌声を響かせた。ラストナンバー「molotov [OK]」ではフロアにいくつものサークルピットが発生する中、デヴィッド・ポッター(Gt)やボニーが客席まで降りてファンとコミュニケーションを図るなど、熱量に満ち溢れたパフォーマンスで自身のステージを締め括った。
最後に登場したのは、このイベントの主催者であるサバプロ。Yoshの「川崎、飛ぶぞ!」を合図に「Fool's gold」からライブを開始すると、そのゴリゴリのヘビーサウンドで早くもフロアの熱気を沸点まで上昇させる。昨年12月20日に終了した『Hateful Failures Tour』ではまだ“声出し”がNGだったが、この1カ月で状況が変化したこともあり、マスク姿のオーディエンスからは感情赴くままの声援が上がる。そんなフロアの熱量を受け、Show(Dr)はパワフルなビートを叩きつけながら激しい咆哮を響かせ、Tatsuya(Gt)とIvanは息の合ったギターアンサンブルを鳴らし続ける。また、Yoshも適度に観客を煽りつつ、力強さとエモーショナルさが共存した歌声で会場の空気を掌握していった。