星野源、3年ぶりの有観客ライブで果たした“笑顔の再会” 希望を絶やすことなく辿り着いた特別なステージに

星野源が果たした“笑顔の再会”

 星野源、3年ぶりの有観客ライブ『Gen Hoshino presents “Reassembly”』が行われた。星野源のオフィシャルイヤーブック『YELLOW MAGAZINE 2021-2022』に付属するWEBサービス「YELLOW PASS」の登録者のみが参加できるイベントで、2020年3月に開催を予定していたが、コロナ禍の影響で中止となってしまった『Gen Hoshino presents “Assembly”』から3年越しの開催となった。大阪城ホールで2デイズ、横浜アリーナで2デイズ行なわれたうち、本稿では千秋楽となった1月28日の横浜アリーナ公演をレポートする。この日は星野源にとって42歳の誕生日でもあり、本当に特別な一夜となった。

 横浜アリーナの中心に円形に近い八角形のステージが設置されている。その上のビジョンに、「いつかあなたに会える。」というメッセ―ジと共に、これまでの星野源のライブの名場面の数々が映し出される。そして開演時刻になると、星野がアリーナエリアの通路を通りながら、長らく直接会うことができなかったオーディエンスに笑顔を送り、ステージに向かう。

 オリエンタルなイントロが流れ、元気いっぱいに「こんばんは! 星野源です!」と挨拶し、1曲目の「化物」へ。「久しぶり、横浜アリーナ!」と星野が叫ぶと、2番のサビで特殊効果の金チップが飛ぶ。そのままグルーヴィな「桜の森」へ。星野源(Vo/Gt)、長岡亮介(Gt/Cho)、三浦淳悟(Ba/Cho)、櫻田泰啓(Key/Cho)、武嶋聡(Sax/Fl/Cl)、今回のツアーが初参加の玉田豊夢(Dr)という名プレイヤーたちによる豊潤なアンサンブルが本当に素晴らしい。「YELLOW PASS」限定イベントということは、ここには濃密な星野のファンしかいない。それもあって、久々の再会ライブの挨拶もそこそこに、いきなりハグしているような親密なムードに突入した。

 星野が、この日のライブから声出しがOKになったことを告げると、オーディエンスが早速歓声を上げる。「みんな元気だった?」と呼びかけ、「イエ―イ!」という声が上がると、星野は「ちょっと待って! 泣きそうなんだけど」と感極まる。涙を堪えつつ、「3年待った甲斐があった」と口にすると、「おかえりー!」という声が上がり、星野が「ただいま。すごくない?(声出しOKになったのは)今日からだよ?」と嬉しそうに話しかけた。

 「それではみんなで一緒に踊りましょう! 歌いたい人は歌って、踊りたくない人は“心のうち”で踊ってください」と言って、「うちで踊ろう(大晦日)」へ。星野が「横浜〜!」と叫べば「イエーイ!」という解放感あふれる歓声が上がる。コロナ禍において強い希望をもたらしたこの曲が、こうやってみんなで歌い踊りながら披露される日をどれだけの人が待っていただろうか。星野は〈生きてまた会おう いつかそれぞれの愛を/重ねられるように〉と歌詞を替えて歌い、力強く胸に手をあてた。

 続けて、ご機嫌なサックスの音色が奏でられる。「Continues」だ。コロナ禍前に書かれた楽曲だが、この再会の場で歌われる「Continues」はまた格別。〈命は続く〉し、〈伝う〉のだ。アウトロの「ラララ~」のところで星野はステージ上を歩きながら、「一緒に歌おう! もっと!」と促す。オーディエンスがクラップしていた手を高々と上げ、大きな声で歌う。ようやくこの日に辿り着けたのだという歓喜が溢れる。

 星野が「踊ろう、横浜!」と言って、「SUN」へ。ファンキーなビートに合わせ、星野もオーディエンスも歌い踊り、祝祭感がどんどん高まっていく。

 客席から「誕生日おめでとうー!」という声が上がり、星野が「マジで良い誕生日だわ」と言った後、長岡と「ヤバいね(笑)」と笑い合う。3年ぶりの有観客ライブの千秋楽と声出し解禁と誕生日が重なるなんて、誰が予想しただろうか。

 そして「昔作った曲なんだけど、今聴くと違う聴こえ方がするんじゃないかという曲を2曲続けてやりたいと思います」と話して、「ある車掌」を演奏。誰もがどこに行きつくかわからない世の中だが、今こうやって同じ空間で過ごしていることの尊さを確かめ合うように響く。続いて演奏された、12年前の東日本大震災の時に書かれた「日常」がさらに感慨深さを高める。

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