THE LAST ROCKSTARS、デビューライブに観客が熱狂 YOSHIKI、HYDE、SUGIZO、MIYAVIによるアグレッシブな演奏

THE LAST ROCKSTARS、デビューライブレポ

 1月26日、有明アリーナにて、THE LAST ROCKSTARSがデビューライブ『THE LAST ROCKSTARS  Live Debut 2023 Tokyo – New York – Los Angeles』を開催した。

 昨年11月、HYDE(Vo)、SUGIZO(Gt/Vn)、MIYAVI(Gt)、YOSHIKI(Dr/Pf)という夢のようなメンバー構成でのバンド結成を突如発表。翌月には1stシングル「THE LAST ROCKSTARS (Paris Mix)」を配信リリースし、その年のうちに『NHK紅白歌合戦』にも出場を果たすなど、結成以来常に世間を騒がせてきた。そんな彼らが、この日初めてファンの前に立ってパフォーマンスを行ったのだ。

 会場には、老若男女さまざまなファンが集結。アリーナ周辺やロビーにはフォトスポットが複数設置されており、開演前にメンバーのアクリルスタンドやペンライトと一緒に撮影するファンも多く、まさにお祭りのような雰囲気だった。また、新型コロナウイルスガイドラインの改定に伴い、マスク着用での一定の声出しがOKに。さらにこの日はライブ全編を通してスマートフォンによる撮影も許可されていた。

 ライブは定刻より約45分遅れで開演(のちのMCでリハーサルを行っていたとわかった)。荘厳な空気漂うSEと共にメンバーが姿を現すと、早くも大きな歓声と割れんばかりの拍手が湧き起こる。4人がステージに揃うと、後方から鮮烈な光が放たれ、アーティスト写真に写っていた彼らがそのまま現実に飛び出してきたようだ。夢見心地な会場へ最初に叩きつけるのは、もちろん「THE LAST ROCKSTARS」。色鮮やかなレーザーが派手に飛び、〈Bigidin Bigidin Ban Ban Ban〉と中毒性のあるフレーズのリフレインで、アリーナ中をTHE LAST ROCKSTARS色に染めていく。HYDEが「東京!」と一言煽るだけで飛び交う大歓声に、観客たちの喜びを感じた。

 続く「6 or 9」(HYDE)では、すさまじい量のスモークが一気に噴き出し、上がったテンションにさらにエンジンをかけていく。4人から放たれるアッパーなロックサウンドに歓喜した観客たちは、タオルを振り回して暴れる。その様子を見たHYDEは、狂気に満ちた表情でニヤリと笑っていた。「Messiah」では、ドラム台へ上ったHYDEが、YOSHIKIを煽るようにドラムに合わせて拳を突き上げる。バンドのグルーヴがどんどん高まる中、「Here’s The Love」へ。全身でドラムを叩くYOSHIKIの爆音、HYDEの妖艶なボーカル、MIYAVIのソウルフルなコーラス、そしてSUGIZOが奏でる美麗なメロディが重なり合い、会場を熱狂させる。実際、まだライブ序盤とは思えないほどに観客のボルテージは高まっていた。

 YOSHIKIがマイクを持ち、「すごいね、やっとここまで来れた。一瞬一瞬が奇跡の連続なんだよね」と今の状況を嚙みしめるように呟くと、「気合い入れていくか!」と自らを鼓舞してピアノの前へ。静かに奏で始めたのは、悲哀と美しさの両方を合わせ持つ「Beneath The Skin」(X JAPAN)のフレーズだった。ハイテンションだった会場には、一瞬にして重厚な雰囲気が漂う。SUGIZOの浮遊するようなサウンドとHYDEの絡みつくような歌声に、観客たちは魅了されていた。

写真=Keiko Tanabe

 ここで、MIYAVIとSUGIZOによるギターバトルがスタート。スキルフルなギタリスト同士の真剣なぶつかり合いでは、超絶技巧のフレーズが飛び交い、息をするのも忘れてしまいそうなほどの緊張感が漂う。しかし、ステージを見ると当の二人は満面の笑みを浮かべており、まるで遊びに夢中な少年同士のようだ。互いのギターが触れ合いそうなほど至近距離でぶつかりあい、最後は熱いハグを交わす。盛大な拍手が湧き起こる中、「やばい!」「かっこよすぎる……」とあちこちから感嘆の声が漏れた。さらに、SUGIZOはこのままヴァイオリンソロへ突入。先ほどまでアグレッシブにギターをかき鳴らしていたとは思えないほど、繊細で美しい音色を情感たっぷりに奏で、唯一無二の音楽家としての存在感を発揮していた。

 YOSHIKIのソロパートでは、チャイコフスキーの「弦楽セレナード」が流れる中、全身の力を叩きつけるように激しいドラムプレイを披露。すべてを破壊するかのような迫力でプレイを終えたYOSHIKIが立ち上がると、スクリーンには不死鳥をイメージしたような巨大な赤い羽根が浮かび上がる。そして間髪入れずにピアノソロへ。「白鳥の湖」から「紅」(X JAPAN)をメドレーで披露すると、客席のペンライトは赤一色に変わる。圧巻のパフォーマンスから、「Born to be free」(X JAPAN)「HONEY」(L'Arc〜en〜Ciel)とキラーチューンを連発。歓喜する観客たちは、我を忘れたように声援をおくり、盛り上がりも最高潮に。曲終わりにHYDEが「最高じゃない?」と笑顔を見せると、YOSHIKIは「20年前、誰がこんな未来を想像した? みんながずっと応援してくれたから、こういう奇跡が起こるんだね」と穏やかな表情でファンへの感謝を伝えた。

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