BTS SUGA、RMらゲストの本音を引き出す深いトーク番組 BIGBANG SOLにソロ活動の不安を打ち明ける場面も
BTSのSUGAによるトーク番組『SUCHWITA』が大人のバラエティとして非常に興味深い。YouTube、Weverseにアップされる同番組は、SUGAがゲストと盃を交わしつつ深い話を繰り広げるというもの。SUGAがゲストの本音を引き出しているのはもちろんのこと、そこから見えてくるSUGA自身の考え方を通じてBTSというグループの魅力も深堀りされている番組だ。
運命の波に身を委ねながらも、悩み続けて1.1人分の人間に
昨年12月にスタートしたこの番組に最初のゲストとして登場したのはRMだった。公開されたのは、これまで共に歩んできたRMが、ソロアーティストとしてアルバムをリリースした時期。BTSがソロ活動を充実させていくにあたり、2つの門出が重なったタイミングで2人は「かっこよく年を重ねていく方法」について熱くトークする。
ほどよくお酒も回ってきたころ、RMのためにSUGAが選曲したThe Beatlesの「Let It Be」を口ずさみながら「大人になって、歌詞の意味が深く心に響くようになってきたというSUGA。「Let It Be(放っておきなさい)ってすごく無責任な言葉じゃないですか。でも真理の言葉」とRMも同意。それを真理だと感じられる年齢になってきたのだとしみじみしながら、「大人とは?」という議論が進む。
「貝が波に流されて真珠が固くなるように、真理はすごく単純なんだと思います。自分を悩み続けて世間にもっといい方法で施すことができる、1.1人分の人間になるのがかっこよく歳を取る方法なんじゃないかなと」と話すRMに、SUGAも「いいね……1.1人分」と噛みしめる。
未曾有のパンデミックで、BTSとしての計画が大きく崩れた瞬間もあった。準備を重ねた楽曲「ON」を披露するまでに2年もかかることになるなど予想できない事態に陥り、SUGAもやり場のない怒りや無気力に苛まれたこともあったという。それでもできることをひたむきに続けてきた。その波に流されることで、一層固くなったBTSとARMY(ファン)の絆があった。
彼らが次に見据えるのは、2025年。心配性な一面もあるSUGAは「絶対」なんて言葉は言えないと言いながらも、それでも2人は「僕たちが望んだ通りにみんなで集まって全員で活動することができたら…嬉しいですよね」(RM)、「全員が集まったときすごく……ただすごく面白いと思う」(SUGA)と思いを馳せる。流れるままに身を委ねながらも、それぞれがかっこよく年を重ねていくことを確信しているような表情だった。
どんなに成功しても謝れる勇気、尊重する気持ちを大切に
エピソード2に登場したのは、韓国で人気を誇るMCのシン・ドンヨプ。若くして成功したシン・ドンヨプは、その環境を当たり前だと感じるようになった瞬間もあったという。感謝の気持ちを忘れて、ビジネスに手を広げたこともあったが、一番得意なことをしていこうという初心に気付けたという話に、SUGAも興味津々に耳を傾けていた。
迷いや不安を相談できる「先輩」と呼べる存在がほしかったというSUGA。流行り廃りの激しい韓国の芸能界において、30年も活躍し続けるシン・ドンヨプに、その秘訣を問うと、「すごく大事なことを教えてあげたい。幼い子どもにも謝れる勇気が必要なんだよ」という。多くの人が不快にならないギリギリの笑いを得意とするシン・ドンヨプ。その絶妙なラインを掴むためにも、人を尊重する気持ちが大事なんだと続ける。以前、マネージャーに対して一瞬怒ったことがあったものの心が重くなってしまったために、すぐに謝ったという。
その話を聞いたSUGAは「僕もそういうことがあります」と過去の出来事を思い出した様子。「僕もメンバーと激しく話して(から)出てくるときに……無性に」と顔を両手で覆う。「あんなふうに言うんじゃなかった」と後悔することも少なくないようだが、後から謝ってみると「相手が覚えてないことのほうが多いんですが」と苦笑い。意外と小心者な顔が飛び出したが、その相手を尊重しようとする気持ちの分、SUGAがさらに器の大きな大人になっていくのだと思えるひとときだった。