TOMOO、様々な“BEAT”で通わせた心 新たな試みも取り入れた初の全国ワンマンツアーファイナル公演

 ライブ後半は、バンドメンバーに弦楽四重奏を加えた編成となり、メジャー2ndデジタルシングル「17」、モータウンやフィリーソウルを彷彿とさせるグルーヴィーな「スーパースター」、抑揚を抑えたメロディラインと駆け上がるようなストリングスのコントラストが印象的な「Friday」を続けて披露。そして、美しい照明の下で最新シングル「Cinderella」を情感たっぷりに歌い上げると、会場からは割れんばかりの拍手が巻き起こった。

 「長く長く、みんなに聴かせたかった曲です。何年も前に書き始めて、表現力が足りなくてなかなか完成させられず、5年経ってやっと形になりました。今、聴いてもらえてよかった」と、この曲への思い入れを熱く語る姿も印象的だった。

 ラストスパートは、弦楽四重奏からホーンセクションに替わってのアンサンブル。「ツアーファイナルにして初めてやることを加えて終わらせたいと思います」と話し、オーディエンスとともにタオルを振りながら歌う「HONEY BOY」で再び会場は一体感に包まれた。さらにTOMOO流ブラスロックの「POP'N ROLL MUSIC」、間髪入れずに「恋する10秒」を名残惜しそうに歌って本編は終了。

 鳴り止まぬアンコールに応えて再び登場したTOMOOは「ロマンスをこえよう」を披露した後、ツアータイトル『BEAT』に込めたもう一つの「動機」を明かした。

「みんなが『心臓』という、ハートビートを鳴らすちっちゃな楽器を体の中に一つ、持っていると思うとなんだかお互いを可愛らしく思えてきませんか? そんなことを考えながら、信じながらツアーをやっていこうと思って付けたタイトルでした。温かい時間をありがとうございます。すごく幸せ」

 そして最後に「Ginger」と「グッドラック」を披露しこの日の公演に幕を閉じた。

 新曲「Cinderella」のリリースインタビューで、「今回のツアーはオープンな気持ちで迎えられる予感がしています」と話してくれたTOMOO。その予感通り、彼女いわく「元コミュ障」だった彼女が心を全開にしてオーディエンスに飛び込んでいったような、そんな開放感と幸福感溢れるライブだった。

■セットリスト
1.オセロ
2.酔ひもせす
3.What's Up?
4.らしくもなくたっていいでしょう
5.レモン
6.地下鉄モグラロード
7.Mellow
8.ベーコンエピ
9.夢はさめても
10.17
11.スーパースター
12.Friday
13.Cinderella
14.HONEY BOY
15.POP’N ROLL MUSIC
16.恋する10秒

En1.ロマンスをこえよう
En2.Ginger
En3.グッドラック

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