朝ドラ俳優 山下美月、きつねダンス 金川紗耶、底知れぬ大器 井上和……2023年に乃木坂46を牽引するメンバーは?

 乃木坂46が、大晦日の『第73回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に出演した。楽曲は、2022年をもってグループとしての活動を終了する齋藤飛鳥センターの「裸足でSummer」。齋藤の望むキラキラとした乃木坂46の姿を全面に打ち出したパフォーマンスーーその意志は後輩メンバーへと受け継がれている。そのすぐ後の『CDTVライブ!ライブ!年越しスペシャル!2022→2023』(TBS系)では「ごめんねFingers crossed」を披露。齋藤がいない、新体制の乃木坂46が早くも始動している。

 昨年の『真夏の全国ツアー2022』には、1期生と2期生による「これからの乃木坂46を担う3期生、4期生、5期生をもっとたくさんの人に知ってもらう」ためのパートが設けられていたが、それが顕実化したのが2月に開催される『11th YEAR BIRTHDAY LIVE』の5期生ライブ、4期生ライブ、3期生ライブとも言えるだろう。もちろん「まだまだ私たちも負けません」というようにして、秋元真夏、鈴木絢音の1・2期生も活躍している一方で、2023年は3期生以降のメンバーが本格的に乃木坂46の顔となる年と断言できる。

山下美月が乃木坂46の新たな旗手に

 齋藤に代わり乃木坂46の旗手となっていくのは、山下美月がその一人に数えられる。昨年3月リリースの29thシングル曲「Actually...」のMVでは齋藤とダブルセンターを、30thシングル曲「好きというのはロックだぜ!」ではセンター賀喜遥香の両翼としてシンメトリーのポジションに。齋藤の卒業シングル曲「ここにはないもの」では、センターを支えるフロントに位置している。

 そして、なんといっても山下のNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』への出演は、山下個人の知名度だけでなく、乃木坂46全体のブランドイメージもアップさせていると言えるのではないだろうか。多忙を極めるスケジュールの中でも山下は俳優と、乃木坂46としての活動をいまもなお両立させている。Instagramの更新もまめに、ファン向けのメッセージアプリもほぼ毎日送っているところは、まさにアイドルの鑑。山下を慕う賀喜や一ノ瀬美空だけでなく、最近は金川紗耶もインタビュー(『アップトゥボーイ 2023年2月号』)の中で山下を尊敬するメンバーにあげている。「私が乃木坂46に所属する現役アイドルとして朝ドラを完走すれば、後輩たちのチャンスになると思っています。私が両立できることを証明したいんです」(『日経エンタテインメント! 乃木坂46 Special 2023』より)という山下の力強い意志には、乃木坂46としての誇りとグループへの愛が詰まっている。

きつねダンスで舞いあがった金川紗耶

 毎年『紅白』のリハーサル会見には乃木坂46を代表するメンバーがマスコミ陣に姿を見せる。2022年は齋藤とキャプテンの秋元真夏、3期生からは副キャプテンの梅澤美波、山下(ここでも齋藤とシンメの位置だった)、久保史緒里、与田祐希、4期生は遠藤さくら、賀喜が参加。キャプテン、センター経験、個人としての方々での活躍ーー筆者としては2022年を振り返った時に、会見メンバーにも勝るとも劣らない一人のメンバーが思い浮かぶ。それが金川紗耶。『紅白』でも披露していた「きつねダンス」で、北海道出身の金川は山下と同様に大きく舞いあがった。

 『Actually...』ではアンダーメンバーだったのが、その次の『好きというのはロックだぜ!』では初選抜入りを果たし、『ここにはないもの』では2列目の十一福神入りという破竹の勢いを見せる金川。個人としても昨年10月から3カ月間『ラヴィット!』(TBS系)の月曜シーズンレギュラーとして番組に出演。ブームを追い風にして、金川本人も把握しきれないほどの多忙なスケジュールを、特に2022年下半期は過ごしていた。筆者が忘れられないのは、『ラヴィット!』でお笑いコンビ「きつね」の力も借りて、やりたい放題の“やんちゃなやんちゃん”。ニカッと笑う素の笑顔は金川の最大のチャームポイントであり、そこを曝け出すことができるようになったのも決め手だったように思える。今年も行われるであろう『真夏の全国ツアー』での北海道公演開催の定着は、金川にとっての願いであり、使命でもある。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる