結束バンド、初期衝動あふれる楽曲でバイラル好調キープ 『ぼっち・ざ・ろっく!』通して届けるギターロックの煌めき
Spotifyの「Daily Viral Songs (Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの12月14日付のTOP10は以下の通り(※1)。
1位:&TEAM「Under the skin」
2位:FIFA Sound「The Official FIFA World Cup Qatar 2022™ Theme」
3位:10-FEET「第ゼロ感」
4位:Jung Kook, BTS, FIFA Sound「Dreamers」
5位:結束バンド「ギターと孤独と蒼い惑星」
6位:結束バンド「青春コンプレックス」
7位:ハマいく「ビートDEトーヒ」
8位:結束バンド「カラカラ」
9位:Singer’s High「ノールス」
10位:Chipz「1001 Arabian Nights」
今週のSpotifyバイラルチャートは、バラエティに富んだラインアップがそろった。首位には、12月にデビューを果たした9人組ボーイズグループの&TEAMがランクイン。オーディション番組『&AUDITION - The Howling -』を勝ち抜いた彼らのデビューEP『First Howling:ME』から「Under the skin」が堂々の首位獲得だ。
2位と4位には、『FIFAワールドカップカタール2022』関連の楽曲が続く。2位には、テレビ中継などでおなじみの「The Official FIFA World Cup Qatar 2022™ Theme」。4位には、大会の開会式でも披露されたBTSのJUNG KOOKによる大会公式ソング「Dreamers」が登場。ワールドカップの盛り上がりがSpotifyバイラルチャートにも反映された結果となった。また、この冬盛り上がりを見せているスポーツは、サッカーだけではない。バスケットボールをテーマとした、大人気マンガ『SLAM DUNK』の映画化作品『THE FIRST SLAM DUNK』も大きな話題を呼んでいる。3位には、エンディング主題歌の10-FEET「第ゼロ感」がランクイン。映画の熱狂と感動が同曲への注目度を高めたようだ。
そして、チャートの多彩さをさらに際立たせているのは、5位と6位、8位に同時ランクインする結束バンドの存在である。結束バンドは、現在放映中のアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』(TOKYO MXほか)に登場する劇中のバンド。構造としては、アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』における「God knows…」のヒットや、アニメ『けいおん!』での関連楽曲のヒットと相似形とも言えるだろう。『ぼっち・ざ・ろっく!』のストーリーは「陰キャならロックをやれ!」をキャッチフレーズに女子高校生がバンド活動に青春を燃やす物語。ライブハウスを中心に本格的に活動をしている設定だけあって、楽曲のクオリティは高く、ギターロックの持つエモーショナルな部分が輝きを鈍らせることなく表現されている。その溢れ出る初期衝動は、Arctic MonkeysやASIAN KUNG-FU GENERATIONの初期の楽曲群が放つエネルギーに似ているようにさえ感じるほど力強い。