『けいおん!』、LiSA、ももいろクローバーZ……Tom-H@ckが引き出すアーティストらの新たな個性

 8月19日にリリースされるニノミヤユイの1stシングルの表題曲「つらぬいて憂鬱」。セリフ調の独特なメロディと超キャッチーなサビメロ、ド派手なサウンドの同楽曲が話題となっている。そして、この楽曲の作曲・編曲に名を連ねているのがTom-H@ckだ。

 Tom-H@ckといえば、キャラクターソングとしてオリコン史上初めて1位を獲得した、放課後ティータイムの「GO! GO! MANIAC」の作曲・編曲でも知られ、ほかにもLiSAやでんぱ組.inc、声優の富田美憂などの楽曲にも携わっている。ここでは、OxTやMYTH & ROIDといった自身が参加するプロジェクトとも違った、大胆なアイデアとセンスから縦横無尽に繰り出される、作曲家=Tom-H@ckとしての楽曲の魅力を紐解いてみたい。

キャラクター性とのベストマッチを導き出した「GO! GO! MANIAC」

TVアニメ「けいおん!!」オープニングテーマ GO!GO! MANIAC

 Tom-H@ckは、2009年のアニメ『けいおん!』オープニングテーマ曲「Cagayake!GIRLS」で作曲家としてデビュー。同曲はいわゆるキャラソン然としたワチャワチャとした明るい雰囲気もありつつ、間奏では各パートのソロ回しがあるなどテクニック満載のバンドサウンドで、そこからはロックバンドへの確かな愛を感じさせた。

 翌年に大ヒットした「GO! GO! MANIAC」は、跳ねたリズムと早口のメロディに加えてキメが多く、目まぐるしく展開が変わるなど「Cagayake!GIRLS」から難易度がさらにアップした。主人公の平沢唯役としてメインボーカルを務めた豊崎愛生は、ソロではゆったりとした楽曲を歌うことが多いが、「GO! GO! MANIAC」などでは早口で一生懸命歌う雰囲気が平沢唯のキャラクター性とベストマッチし、ソロやスフィアでの活動とは違う、新たな豊崎の魅力が引き出されていた。

放課後ティータイム「GO! GO! MANIAC」

 以降、Tom-H@ckは『けいおん!』シリーズをはじめ、『僕は友達が少ない』や『ヤマノススメ』シリーズなど数多くのキャラクターソングを手がけるほか、声優やアイドルへの楽曲提供も精力的におこなってきた。一方で、自身がメンバーとして参加するプロジェクトの活動でも、その楽曲のクオリティが高く評価されている。

 アニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』『幼女戦記』などのテーマソングで知られるMYTH & ROIDでは、神秘的で緩急のあるメロディが秀逸な「Paradisus-Paradoxum」を筆頭に、アンセム感満載のラウドロックナンバー「TIT FOR TAT」など、デジタル&クールな楽曲テイストを真骨頂としている。

【MV】 MYTH&ROID – Paradisus-Paradoxum(OFFICIAL)

 また、アニメ『ダイヤのA』や『オーバーロード』シリーズのテーマソングなどを手がける、オーイシマサヨシとのユニット=OxTでは、オペラ調でハードなデジタルロックの「Clattanoia」から、スケールの大きなロックバラード「ゴールデンアフタースクール」まで、オーイシの卓越した歌唱力との化学反応によって生まれる、幅広い音楽性で人気だ。

 子どものころはX JAPANのファンで、海外のラウドロック系のバンドとゲーム音楽から影響を受け、ギタリストとしてロサンゼルスに留学。AKB48などのアイドルから『けいおん!』シリーズ、『冴えない彼女の育て方♭』など多くのアニメ音楽を手がける作編曲家の百石元に師事した経験を持つTom-H@ck。多彩な経験と学びをしっかりと糧にしていることが、これまでの活動から伺える。

【MV】OxT「Clattanoia」Music Clip フルサイズ

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる