林瑠奈×北川悠理のラップの腕前は? 乃木坂46で積み重ねた“ラッパー”としての軌跡
乃木坂46が12月7日にリリースした31stシングル『ここにはないもの』の収録楽曲が、いつにも増してどれもいい。特徴的なのは、初めての組み合わせのユニット曲が3曲収録されていること。中でも、遠藤さくら、賀喜遥香、北川悠理、林瑠奈、弓木奈於の4期生5人による「アトノマツリ」は、乃木坂46としては挑戦的かつこれまでにない曲調の楽曲である。北川と林がラップパートを担っていることがそのことを象徴しているトピックだろう。
北川と林のラップユニットが初披露となったのは、2021年8月に放送された4期生が出演する音楽バラエティ番組『乃木坂スター誕生!』(日本テレビ系)でのこと。「弓木奈於 with スーパーやんちゃんず」が披露するTRF「EZ DO DANCE」にMCの松陰寺太勇(ぺこぱ)がラップ担当として登場。そのラップを指導していたのが北川と林だった。松陰寺から紹介される形で2人は完全オリジナルの「北川悠理 自己紹介ラップ」を披露。北川と林がほぼ1小節毎に代わる代わるマイクリレーしていくのだが、〈サイリウムカラーは水色とオレンジ〉〈I see…(愛し)てくれたら〉といった乃木坂46としてのパーソナルを折り込みながらも、〈I was born in California. 〉〈喜怒哀楽はsorry わかりにくいんだ〉というように子音でガンガン踏んでいくスタイルで、観るものを圧倒。最終回直前には再び半年間の収録の中で楽しかったスタジオの空気感や、これまでの番組のハイライトを詰め込んだラップをパフォーマンスしている。
同年11月には番組を飛び出し、YouTubeチャンネル「乃木坂配信中」で「北川 vs 林」のラップ3番勝負を企画。「彼岸花」「マシンガン」「ブルーな気持ち」のワードからそれぞれリリックを書き上げ、MCバトル形式でラップ勝負を繰り広げている。先述したオリジナルラップは2人による共作だが、このMCバトルではそれぞれの特色が表れているのが面白い。アメリカ・カリフォルニア州出身の北川は英語と日本語を組み合わせつつ、時にはリリックを詰めこんだ早口のフロウを展開する。一方の林のラップは、ライムが分かりやすく聴き心地がいい。ボキャブラリーの豊富さや縛りのテーマ、ストーリー性といったところは2人とも甲乙付け難いレベルだ。