柴田柚菜&林瑠奈、初心を大切に形作っていく“新しい乃木坂46” 齋藤飛鳥の卒業に寄せる想いも

柴田柚菜&林瑠奈、新しい乃木坂への想い

 乃木坂46が、31枚目のシングル『ここにはないもの』を12月7日にリリースした。同作は1期生・齋藤飛鳥が参加する最後のシングルであり、特に表題曲には別れを彷彿とさせる表現が随所に織り込まれているものの、その先の未来に向かう歩みも後押しするような、美しくて前向きな曲に仕上がっている。さらに初回盤には、齋藤のソロバラード「これから」をはじめ、弾けるようにキュートな「銭湯ラプソディー」、メロウなラップが癖になる新境地「アトノマツリ」、大人っぽいポップス「甘いエビデンス」などが収録され、直近の乃木坂46のシングルの中でも抜群にバリエーション豊かな作品になっているのが印象的。そんな新たな挑戦を予感させるシングル『ここにはないもの』について、4期生の柴田柚菜、林瑠奈にインタビュー。ライブが多かった2022年の活動を振り返りつつ、変化するグループでの自身の役割や、2023年の抱負までたっぷり語ってもらった。(編集部)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】

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今の自分たちに活きているアンダーライブという経験

ーー林さんは今回が初選抜入り。『乃木坂工事中』(テレビ東京系)で放送された選抜発表では、ご自身の名前が呼ばれたときに不意を突かれた表情を見せていましたね。

林瑠奈(以下、林):はい(笑)。まさか呼ばれると思っていなかったので、本当にびっくりしました。

ーーすでに音楽番組出演など、選抜メンバーとしての活動もいろいろ経験しているかと思います。現時点で自分に求められていることや役割など、何か見つけられたものはありますか?

林:まだ自分というものが定まってなさすぎて、わからないことも多いんですけど、3期生の先輩方との交流の機会をもっと増やしていきたいなということを、アンダーライブのときから感じていて。今まではそこを1、2期生の先輩方がつなげてくださることが多かったんですけど、5期生の子たちが入ってきたことで先輩という立場になり、後輩から率先して動いていかないといけないと感じていて。この選抜期間では、積極的に自分から先輩方にコミュニケーションを取りに行くことを意識したいと考えています。

林瑠奈

ーー同期の柴田さんから見た、林さんの魅力はどういったところだと思いますか?

柴田柚菜(以下、柴田):林を語る上で必須なのは、歌。私もこんなにスパーンと高音が出せるようになりたいなと思いながら、いつも番組やライブを観ています。あとは、どんなお仕事に対しても全力で真面目に取り組んでいるところ。そんな姿も素敵だなと思います。

林:ありがとう(笑)。

ーー4期生は2021年10月からアンダーライブに合流しましたが、個人的に印象に残っている場面には必ず林さんがいるんです。この1年の経験は、ご自身の意識にもだいぶ影響を与えたのではないでしょうか?

林:はい、かなり変わりました。私自身もともと乃木坂が好きでしたし、乃木坂以外のアイドルさんもいろいろ見てきましたけど、やっぱり歌とダンスという本当に基本的な部分が重要じゃないですか。そういう、初心に戻って頑張りたいと思わせてくれたのがアンダーライブでした。アンダーに参加するようになってからは先輩方をより研究して、いろんなことを貪欲に吸収したいなと意識が変わっていきました。

柴田柚菜

ーー柴田さんはアンダーライブを一度経験してから選抜入りしましたが、選抜とアンダーそれぞれの違いにも気づけたのではないでしょうか?

柴田:私が出演させていただいた昨年10月の公演ではステージにスクリーンが設置されていなかったので、事前に「パフォーマンスで魅せるよ!」と言われていたんです。そこで振りを揃えることだったり先輩に追いついていくことで、パフォーマンスに少し自信が持てるようになって、そのあとに選抜メンバーに選んでいただいて。なので、もしアンダーライブを経験していなかったら、今のようにはなれていなかったんじゃないかなと思います。

ーーそういう経験を重ね、今回の31枚目シングル『ここにはないもの』にたどり着くわけですが、今作は齋藤飛鳥さんが参加する最後のシングルでもあります。歌詞を含め、楽曲の世界観が卒業を意識せざるを得ない内容ですが、おふたりは最初にこの楽曲を聴いたときにどう感じましたか?

柴田:私はすごく綺麗な曲だなと思いました。ピアノから始まる曲が好きなんですが、今回は卒業に関連した楽曲だから寂しい感じなのかなと思っていたら、サビになると一気に晴れやかになって。そういうところがすごくお気に入りです。

林:私はイントロが大好きです。この始まり方でいい曲じゃないはずがないって思うぐらい、初めて聴いたときからすごく好き。個人的には、この温かみのある感じが「ハルジオンが咲く頃」に似ているなと感じていて。送り出す側も笑顔でいたいし、飛鳥さんにも笑顔で旅立ってほしい、そういう温かさに包み込まれるような曲だと思います。

乃木坂46『ここにはないもの』

ーーこの曲はAメロの節回しが独特で、そこからBメロ、サビへと流れるにつれて目の前が開けていくアレンジが特徴的です。実際に歌ってみていかがでしたか?

林:AメロからBメロに入ると雰囲気がガラッと変わって、Bメロでは抑揚とか強弱がすごくわかりやすい形でついているので、サビに向けてボルテージが上がるような歌い方を意識しました。

柴田:今回は林と一緒の歌割りだったことが、すごく嬉しくて。私たちはサビ前を歌わせていただいているので、Aメロの空気を引き継ぎつつ、サビに向けて明るさを伝えられたらいいなと思いながら歌いました。

林:私も柚菜ちゃんと一緒だったことは嬉しかったよ。この曲を聴いた祖母から連絡があって、「2人の声がよく聞こえる」と言ってくれたのが嬉しくて。

柴田:えー、本当に? 嬉しい。

林:期別の曲でも同じ歌割りだったことがあって、「2人の声の重なり方が綺麗だね」と言ってもらえたこともあるんです。

「飛鳥さんがかけてくれた言葉で希望を持てた」(柴田)

ーー歌詞で印象に残ったフレーズはありますか?

柴田:綺麗な曲調の中に〈寂しさよ 語りかけるな〉とか今までとは違った口調の歌詞があるんですが、そこにちょっと飛鳥さんが言ってそうだなっていう雰囲気があって、すごく新鮮です。

林:サビの後半の歌詞もすごく好きなんですけど、1番のAメロの〈と言って嘆こうにも具体的な不満なんて何にも思い当たらないんだ〉のところが印象的でした。飛鳥さんがご卒業されるタイミングのシングルだけど、自分もちょっと共感できる部分や刺さる歌詞があって、元気をもらえる曲だなと思います。

ーーその飛鳥さんですが、おふたりから見た「先輩・齋藤飛鳥」という方はどういう存在でしたか?

柴田:どれを話したらいいのかわからないぐらい、いろんな思い出があるんですけど。最近の話だと……この曲のMVで、私が飛鳥さんにコートを着せていただくシーンがあるんですけど、撮影の合間に飛鳥さんとお話しする時間があって。私は今年に入ってからちょっと悩むことが続いていたんですが、そのときに飛鳥さんが「(柴田は)明るい人で笑顔の印象がある」と言ってくれたんです。私は周りから暗く見られているのかなと思っていたし、笑顔の印象がある人って世間的には(清宮)レイちゃんとか、かっきー(賀喜遥香)だと思っていたので、そういう言葉をかけられたことで「ああ、頑張れそう」という希望を持てて。あの日から吹っ切れて明るい私になれた気がしています。

ーー柴田さんのことをしっかり見てくれていたんですね。

柴田:後輩のことまでちゃんと見てくださっていて、すごく優しい先輩です。

林:私は今年の夏のツアーが始まってから、楽屋裏にいるときは飛鳥さんと一言は会話をするという目標を、同期の矢久保(美緒)ちゃんと一緒に立てていて。達成できない日もあったんですけど、今までの自分たちからしたらびっくりするぐらい積極的に話しかけにいったり、すれ違うときに挨拶プラスアルファで何か一言声をかけさせていただくことを継続してやっていたことが思い出です。

ーーなるほど。この曲はすでにいろいろな音楽番組でパフォーマンスを披露していますが、ダンスの面で特に注力しているのはどういったところですか?

柴田:みんなで飛鳥さんを囲んで、中心に向かって踊る振り付けがあったり、飛鳥さんから羽が生えているように見えるフォーメーションがあったりするので、そこで全員の息が合っていないと綺麗に揃わないのかなと。そういったところで乃木坂らしさを見せられたらと思っています。

林:柚菜ちゃんも言ったように、全体で見せる大きな振り付けが印象的で。自分だけがうまくできていればいいのではなく、周りを感じながら全体としての完成度を高めることが重要だと思うので、なんとなく隣にいるメンバーの空気を感じながら、体の角度や手先の方向を揃えて綺麗なフォーメーションを意識しています。そうすることで、歌番組でも引きで映ったときがすごく綺麗に見えるはずなので、そういう細かな一つひとつにも注目してほしいです。

ーーおっしゃるように、ダンスの一体感から生まれる美しさがここ最近の楽曲の中でもダントツだと思います。その一方で、MVはストーリー性の強い内容ですよね。

柴田:撮影が始まる前に台本をいただいて、自分の出演するシーンだけじゃなくてほかのシーンも読ませていただいたんですけど、その段階から「これは泣ける」と感じました。

林:しかも、台本の役名が全部本人の名前で。MVでは喋っている音声は聞こえないんですけど、撮影現場では実際にセリフも言っていて、本人の名前で演じているからこそ「切ないなあ」と思ったりしました。あと、台本を読んでいたときよりも実際のMVのほうが、みんなの笑っている姿が映像としてダイレクトに伝わってくるので、より温かみを感じました。

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