Kis-My-Ft2、INI、NiziU、Aimer、Mori Calliope……12月14日リリースの新譜5作をレビュー

　毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日！」。今回は12月14日リリースのKis-My-Ft2『想花』、INI『Awakening』、NiziU『Blue Moon』、Aimer『Deep down』、Mori Calliope『SINDERELLA』の5作品をピックアップした。（編集部）

Kis-My-Ft2『想花』

　表題曲「想花」（読み方：オモイバナ）は、玉森裕太が主演を務めるドラマ『祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録』（日本テレビ系）の主題歌だ。このドラマのコンセプトは、「カルテを通して患者たちの秘密と嘘を優しく見破るハートウォーミング・ミステリー」であり、同曲はそうした物語にそっと寄り添うような温かなミディアムバラードとなっている。一方、歌詞を読み込むと、ドラマの物語と深くリンクする内容でありながら、誰もが自分にとっての大切な人への想いを重ねて聴くことができるような、極めて普遍的なメッセージソングとしても響き得ることに気づく。もちろん、そこにメンバーとファンの関係性を重ね合わせることもできて、その意味でグループにとって重要な楽曲になっていく予感がする。カップリングとして収録されているのは、千賀健永が出演するドラマ『夫婦円満レシピ 〜交換しない？一晩だけ〜』（テレビ東京系）のエンディングテーマとして起用されている「Rebirth Stage」。まるで表題曲「想花」と対極を成すようなダーティー＆エッジーなヒップホップナンバーで、自身の表現領域を果敢に更新し続ける7人の熱い気概を感じる。先行して公開されているMVにおけるダンスパフォーマンスも必見だが、何よりライブのステージ上でさらに何倍も化けるはず。今回の2曲を携えて行われるであろう今後のライブへの期待が高まる。（松本）

INI『Awakening』

　JO1も輩出したオーディション番組シリーズから生まれた11人組ボーイズグループ INIから1stアルバムが到着。50万枚以上のセールスを記録したシングル『A』『I』『M』の収録曲、さらに新曲5曲をコンパイルした本作は、アジア発のグローバルグループとしての新たな進化を体現した作品となっている。リードトラック「SPECTRA」は、エキゾチックな音響、アナログシンセとトラップ以降のビートを融合させたトラックとともに、〈前人未踏の New era〉へと突き進む決意と覚悟を刻んだリリックが突き刺さるナンバー。近未来的なイメージのMVを含め、ボーイズグループの新世代の到来を象徴する楽曲と言えるだろう。その他の新曲も刺激的。ヒップホップ、フューチャーベース、ボサノバ、ロックなどを融合させた音楽性も、このグループの魅力だ。（森）

NiziU『Blue Moon』

　今年8月から初の単独ツアーを開催し、11月には初の東京ドーム公演を成功させ、そして12月17日、18日に京セラドーム大阪でのライブを控えているNiziU。そんなライブパフォーマーとしての魅力を発揮し、さらなる躍進を続けている彼女たちから4thシングル『Blue Moon』が届けられた。これまでのシングル曲はポップなダンストラックが主だったが、本作の表題曲は切なさ、愛らしさが滲むウィンターバラードだ。アレンジの軸になっているのは、素朴なアコギとロマンティックなシンセ。美しい透明感と憂いを帯びたメロディ、そして「離れていても、この気持ちを届けたい」というピュアな思いを綴った歌詞が結びつき、普遍的なラブソングへと昇華させている。言葉を伝えることに心を砕いたボーカル、ハーモニーも印象的。（森）