ドラマ『流星の絆』初の配信スタート 二宮和也の演技、嵐の主題歌……ストーリーとともに名作を形作る要素

 二宮和也主演の映画『ラーゲリより愛を込めて』の公開を記念し2008年に放送された二宮主演ドラマ『流星の絆』が、Paravi、TVer、TBS FREE、GYAO!、Yahoo!で11月22日から順次配信がスタートした。同作の配信は初めてで、2023年2月19日までの期間限定となる。本稿では放送当時から大きな話題を呼んだ同作を振り返り、時を経ても楽しめるポイントについてふれていきたい。

サスペンス+αのストーリー展開と3兄妹の絆を描いた名作

 『流星の絆』(TBS系)は、東野圭吾による本格ミステリー小説を映像化、宮藤官九郎の脚本により青春ドラマの要素を加えた名作。ミステリーに加え、兄、弟、妹の3人の絆を描いた大ヒット作である。

 初回放送当時25歳だった二宮にとって連続ドラマの主演は櫻井翔とのW主演『山田太郎ものがたり』(TBS系)以来、1年ぶり。当時は「気負わず、親身に兄弟のきずなというものをつくり、皆さんの理性ではなく本能をえぐるような作品になるように努めます」と意気込みを語っていた(※1)。

 二宮が演じるのは小学生の頃に洋食店「アリアケ」を営む両親を何者かに殺された、有明功一。次男・泰輔には同作で二宮と初共演となった錦戸亮、二人の兄に溺愛される妹・静奈役は戸田恵梨香が演じた。

 当時のスポーツ紙等で報じられていた同ドラマのヒット祈願の際、二宮は錦戸について「大人だと思った。錦戸くんは松本潤くんと仲がいいけど、僕と松本くんは両極端。その2人と仲よくできるんだから」と印象を語った。また錦戸も二宮の印象について「酔っぱらってテンションが上がる姿を見たので、そういう側面を見ただけでも違います」と語っていた。

 「大人んなったら犯人探してさ、3人でぶっ殺そうな」。両親を何者かに殺された3兄妹はいつか親の敵を取ることを願いながら、3人の絆だけを信じて生きている。ひょんなことから妹の静奈が詐欺にあったことをきっかけに功一も自ら詐欺を働くようになる。

 ドラマは現在の3人と事件当時の様子がシンクロして進行。またシリアスなシーンに加え3兄弟が詐欺でターゲットを騙すエピソードは、功一が脚本と演出を手がけた何らかのパロディのタイトルがつけられたドラマ仕立てで進行するなど、クドカンらしいユニークなエッセンスがプラスされている。さらに3兄妹や功一が住み込みで働いているカレー店「ジョージクルーニー」の店主・林譲二(尾美としのり)や洋食チェーン店「とがみ亭」の御曹司・戸神行成(要潤)とのテンポが良いコミカルなやりとりも見る人を飽きさせない。

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