Dannie May、三者三様のボーカルが生み出す熱狂渦巻くステージ クジラ夜の街招いた2マンライブ東京公演レポ

Dannie May、2マンライブレポ

 2度目のMCでマサは、今日のゲストでもあるクジラ夜の街の宮崎一晴(Vo)、大阪公演のゲストであるOchunismの凪渡(Vo)と対談をした際、自分の思いを素直に言葉にできなかった悔しさを吐露した。

「僕はアーティストとして、自分が思う答えを出せなかった。色々経験するにつれて『言わない方がいいかな』と思うこともあって、そういうのがどんどん自分を小さくしている。だから次は初期の曲をやります。バンド組んだ頃の気持ちにもう一度立ち返って、このライブでこの曲をやることに意味があると思っています」

 そんな真摯な決意表明のあとに届けたのは、2020年リリースの「アサヤケ」だった。「キーが高いから実は苦手な曲だ」と話していたが、マサは熱量たっぷりに歌い上げ、ボーカリストとしての輝きを強く放っていた。そんな彼の声を優しく包み込むのは、田中タリラとYunoの歌声。3人の生み出すハーモニーに、観客たちは身動き一つせずに聴き入っていた。

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 「If you イフユー」のねっとりとした怪しいサウンドに引き込まれたあとは、シニカルな「適切でいたい」をきっかけに再びライブは加速。キラーチューン「ええじゃないか」「ぐーぐーぐー」を続けて繰り出し、ラストスパートへと駆け抜けていく。観客たちは頭上でタオルを回し、ダンサブルなリズムにあわせて踊りながら、最高潮の盛り上がりを見せた。

 そしてラストは、「ユートピア」。熱狂が渦巻いていた会場を最後は優しい音で包み込み、あたたかな空気の中でライブは締めくくられた。彼らの音楽から受けた感動を伝えるように、フロアではキラキラと瞳を輝かせた観客たちが、長く盛大な拍手をいつまでも送っていた。

 ライブの最後にマサは、集まったファン、クジラ夜の街、そしてスタッフへの感謝の気持ちを丁寧に口にした後、「これ以上、こんなに楽しい夜に言うことはあるまい」と潔く言い放った。その言葉こそが、このライブが素晴らしいものに終わった、なによりの証拠だろう。

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