連載「lit!」第25回:INI、Da-iCE、8LOOM、超特急、OWV……群雄割拠のシーンで新たな一手を打つボーイズグループたち

超特急「宇宙ドライブ」

超特急「宇宙ドライブ -SUSHI ver.- 」MUSIC VIDEO

 前述の3曲がドラマとのタイアップを通じてグループ色を明示している一方で、新たな挑戦を試み、変化を重ねているグループの新曲も見逃せない。8月8日の“8号車(超特急ファンの呼称)の日”に新メンバー4人を迎えた超特急は、9人体制初の新曲「宇宙ドライブ」をリリース。これまで一人でバックボーカルを担ってきたタカシに加えて、タカシに近い境遇を持ち「この人と一緒に歌いたいし、支えたい」という気持ちを抱いて加入したという新メンバー・シューヤの歌声が、早くも頼もしい存在感を見せている。冒険感のある、ワクワクするようなサウンド乗せた“意味のない”歌詞やメインダンサーのユーキが振付したコレオ、宇宙をモチーフに“無重力チャレンジ”や“すし組体操”などに挑戦しているMVは、これまでも根底にあった超特急イズムを余すところなく反映しながら、新メンバー4名を迎えたことでさらにパワーアップしたグループのスタートダッシュを感じさせる。

OWV「Let Go」

OWV - 「Let Go」Music Video【4K】

 最後にレコメンドするのは、OWV初となるバラード表題曲「Let Go」。切ない恋心を透明感あるサウンドに乗せて綴り、過ぎ去った恋に秘めた想いを叫ぼうともがく切なさを感じさせる1曲だ。これまでのOWVはデビュー曲「UBA UBA」や重低音が心地よい「Roar」など、ポップでクールなビートが特徴的な表題曲が多い印象であったが、新曲では高い歌唱力を持つメンバー4人の儚く透き通るような高音域の歌声が堪能できる。また、ボーカルテイストの楽曲ながら歌詞には押韻部分が多く含まれており、これを歌いこなせるのもグループの前身である『PRODUCE 101 JAPAN』(GYAO!/TBS系)にラップポジションで参加していた中川勝就をはじめ、普段から歌・ダンスに限らずラップにおいても高いポテンシャルを発揮しているOWVならではだ。

 エンタメが数年ぶりに盛り返した今年は、各種ライブイベントに数多くのボーイズグループが出演し、普段はなかなか聴くことのないグループとの出会いが生まれる瞬間もあったのではないだろうか。今回紹介した以外にもここ数カ月で多種多様な新曲をリリースしたり、変遷のタイミングを迎えていたりと、さまざまなグループがあらゆる角度からの挑戦を惜しまない姿勢を見せている。ボーイズグループが成長の過渡期を迎える今、受け取る側も「推し」グループが次に何を仕掛けてくるのか考察しながら、音楽を楽しんでみるのはいかがだろうか。

※1 https://screenonline.jp/SCREEN_Plus/17577230

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