yama、ファンと交わした初めての至近距離コミュニケーション 親密な空間で届ける等身大の言葉と歌声

yama、スペシャルライブレポ

 10月27日、Prime Videoのイベント『yamaスペシャルライブ by Prime Video』がAmazon Music Studioで開催された。今回のイベントは、事前にPrime VideoのTwitterで行われた募集への応募者の中から選ばれた13組21名のファンに向けて開催されたもの。通常のライブのステージ以上に、等身大のyamaをすぐ近くに感じ取れるような親密な空間となった。今回は、約1時間にわたった同イベントの模様をレポートしていく。

 今回の応募条件の一つが、Twitterでハッシュタグ「#yamaスペシャルライブ」を付けた上で、yamaへの想いを投稿することだった。この日集まったのは、yamaへの深い想いを投稿した熱心なファンばかりで、イベント開始前から会場には濃い熱気が満たされていた。今回のイベントのコンセプトは、一足早いハロウィンパーティーで、入場時に参加者全員に、yamaの仮装をするアイテムとして、青いウィッグとパーカーが配布された。また、ハロウィンをイメージしたケーキやドリンクも提供され、参加者たちはyamaの仮装をして写真を撮ったり、食事を楽しんだりしながら開演前の時間を過ごしていた。

yamaスペシャルライブ
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 そして、いよいよyamaがステージに登場し、そのままミニライブが幕を開けた。目の前の21名の参加者に向けて「よろしくお願いします」と丁寧に挨拶し、そのまま1曲目の「くびったけ」へ。今回のライブは、鍵盤奏者の和久井沙良をサポートに迎えた2人編成で届けられた。流麗でありながらパワフルに躍動するキーボードのリズムに合わせて、yamaの鮮やかで伸びやかな歌声が会場に広がっていく。はじめこそ、その距離の近さゆえに参加者も緊張しているようだったが、全身でリズムを感じながら歌うyamaと呼吸を合わせるように、次第に参加者も体を揺らしてリズムを取り始めていく。キーボードと歌のみの最もミニマムな編成ではあるが、この曲が秘めるダイナミズムはしっかりと参加者たちに共有されていた。2曲目は、この秋リリースされた最新曲「色彩」。時に和久井とアイコンタクトを交わしながら歌うyamaの歌声には、1曲目よりもさらに熱が入っていて、間奏におけるジャジーなピアノの調べを全身で感じる姿から、この時間と空間を心から楽しんでいる様子が伝わってきた。

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 初めてのMCパートでyamaは、これほどまでに近い距離でライブをすることは初めてで、そのぶん緊張もあるけれど、それ以上にテンションが高まっていることを伝えた。その等身大の言葉を語ることを通して、本人も、そして参加者たちも完全に緊張が解けたようで、リラックスしたモードで3曲目の「Lost」を歌い始める。同曲は、原曲よりもグッとテンポを落としたアレンジになっていて、一つひとつの言葉に込められた感情を余すことなく伝えるyamaの繊細でありながらエモーショナルな歌声に、何度も息を呑んだ。客席の中には、まるで自分自身と闘うように送り届けられる渾身の歌を受けて、静かに涙を拭う参加者もいた。続く、宇宙規模の壮大なスケールを誇るバラード「光の夜」では、透徹な願いや祈りのような凛とした歌心が会場を満たしていく。客席との距離の近さも相まって、ラストの〈光の夜 手を伸ばせば/君に触れられる気がしたんだ〉という一節が音源以上に深く響いた。

 2度目のMCパートで、yamaは、これまでの4曲を「体感5分くらい」に感じたと振り返った。また、通常のライブよりもダイレクトに観客の反応を得られる今回のライブを通して、自分の歌がしっかりと届いている実感が深まっていることを語った。少し照れくさそうにしながらも、一人ひとりの観客と真摯に向き合って話そうとする姿勢がとても印象的だった。

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 スリリングさとドラマチックさを兼ね備えた「スモーキーヒロイン」を経て、ラストに披露されたのは、yamaの音楽活動における大きな転機となった代表曲「春を告げる」だ。スタッカートの効いたリズミカルなキーボードの伴奏を乗りこなすような歌は、しなやかでありながら、同時に逞しさも感じさせるものだった。表情こそ見えないものの、間奏においてキーボードのリズムを感じながらそっと両手を広げるyamaの口元には、静かな笑みが浮かんでいた。最後の最後まで、歌を通した観客とのコミュニケーションを楽しみ尽くすような熱い想いが全編からヒシヒシと伝わってくる名演だった。

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