夜空メルが語る、ホロライブ“1期生”デビューから現在まで変わらぬチャレンジ精神 すべて独学で身につけた音楽表現の進化

夜空メル、変わらぬチャレンジ精神

 ホロライブ所属のVTuber・夜空メルが、自身の誕生日である10月31日に1stアルバム『Twinkle Star Magic』をリリースした。

 2021年に「かぷっとNight☆Sky」を発表し、今年は5作連続リリースという形で積極的にオリジナル曲を発表してきた。そこに今回新たに収録した未発表のトラックを加えて、完成した一枚。ラップや英語、セリフ、5人分の歌い分けなど「いろんなことに挑戦できた」と本人は語る。

 自身初のアルバム発売に寄せて、リアルサウンドでは単独インタビューを実施。デビュー以降の道のりやアルバム制作についてうかがっていくと、さまざまな歌唱表現に果敢に挑戦するひたむきな姿勢が見えてきた。(ヒガキユウカ)

何をしたらいいかもわからない段階だったデビュー当時

夜空メル 1st Album『Twinkle Star Magic』クロスフェード

ーー夜空さんは2018年に1期生としてデビューされて、VTuber全体で見てもかなりベテランになってきていると思います。ご自身のデビュー時の心境などは覚えていますか?

夜空メル(以下、夜空):当時はVTuberさんもかなり少なくて、何をしたらいいかもわからない段階でのデビューでした。私、本当は3Dでデビューする予定だったんです。でも住んでいる魔界から人間界に通うのが難しかったので、「じゃあ2Dでやっていきましょうか」というお話になったんですよね。最初の頃は配信頻度もかなり低かったし、配信を見返しても、今の自分とはだいぶ違っていて。緊張してばかりでおどおどしてましたけど、今は心の底から楽しみながら配信できています。

ーー今でこそVTuberは2Dでデビューするのが当たり前ですけど、当時は最初から3Dの方もいましたね。

夜空:キズナアイちゃんやときのそら先輩のように、3Dでスタートする方が多かったですね。にじさんじの月ノ美兎ちゃんなど2Dでどんどん人気を集める人が出てきて、「2DでもVTuberとして活躍できるんじゃないか」という流れが広がったのかなと思います。

ーーホロライブの規模も雰囲気も、夜空さんがデビューされた頃と比べて大きく変わったと思います。後輩の方々もたくさん活躍されていますが、後輩のみなさんに対して抱いている思いがあれば教えてください。

夜空:後から入ってくる子たちは、やっぱり環境が整っていて、たくさんの人が見てくれるチャンスが最初からあるという意味では、少し羨ましいなと思うこともあります。でも、その分求められるクオリティや期待度がかなり高いから、きっとプレッシャーも大きいと思うんですよね。そんな中でみんな頑張って活動しているから、私は1人のVTuberとしてみんなのことを尊敬しています。これからも一緒に、ホロライブを盛り上げていけたら嬉しいです。

ーー1人の活動者としてリスペクトされているんですね。「先輩風を吹かせたい」ということもなく。

夜空:それは全然ないですね(笑)。みんなは先輩として慕ってくれているんですけど、私としては「こっちが先輩なんだから」とかは一切なくて。友達のような感覚で仲良くしてほしいなと思ってます。

ーー後輩が増えたりホロライブの注目度が上がっていくぶん、同期である1期生の絆みたいなものが強くなっていく側面もありそうですね。2021年には1期生ライブもありました。

夜空:そうですね。でも1期生はかなり特殊で、私は元々1期生ではなかったんですよ。私が先行デビューして、その後に今の1期生たちがデビューしたので、当時は自分は0期生のくくりだったのかなと思います。

 だからやっぱり馴染めるかどうか不安はありました。最初はお話したこともなかったし、プライベートで遊ぶようなこともほとんどなくて。「みんなでコラボしない?」とか「遊びに行こうよ」っていう話が出てくるようになるのも、結構後になってからだったんです。

ーー皆さんの交流が活発になったきっかけは、なんだったんでしょうか?

夜空:みんな「仲良くなりたい」って気持ちは多分心のどこかにあって、最初に切り出してくれたのは夏色まつりちゃんや白上フブキちゃんだったと思います。そこから、「1期生ライブやろうよ」って話を私とまつりちゃんとフブキちゃんが言い出して、昨年実現したという流れです。

ーーそうだったんですね。デビュー以降、環境含めていろんな変化があったと思いますが、夜空さんの中でずっと変わっていないことはありますか?

夜空:変わっていないのは、リスナーさんのことを大事にしようとか、なるべく親しみやすいVTuberでありたいという気持ちです。リスナーさんの名前を覚えたりするのは得意なので、なるべく名前を呼んだり、覚えているエピソードを伝えたりするようにしています。Twitterのエゴサも結構するので、嬉しいツイートをしてくれている人に「ありがとう」ってリプを送ったり、わりと交流をしたいなって思ってます。

ーー非常にマメですね……!

夜空:たくさんの人が見てくれている中での1人だったとしても、その1人に対してちゃんとお礼が伝わるようにしたいなと、昔から思っていて。

ーーこれまでいただいたコメントの中で印象深かったものや、特に嬉しかったものはありますか?

夜空:「メルちゃんを推しててよかった」かなあ。それは中身を知った上で、より好きになってくれてると感じる言葉の一つだから。声や外見を褒められるのも嬉しいですけど、中身を知った上で好きになってもらえたらもっと嬉しいんです。中身を知ってくれてるってことは、よく配信を見てくれてるってことだと思いますしね。

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