ヤングスキニー、初の東名阪ワンマンツアーで見せたバンドの底力 矛盾だらけの日常にもたらした幸せ

ヤングスキニー、初の東名阪ワンマンツアー完遂

 ヤングスキニーが、バンド初となる東名阪ワンマンツアー『保証はないけどあなたを幸せにできる気がするワンマンツアー』を開催した。2020年に結成し、SNSとライブの二刀流でリスナーに楽曲を届けてきた彼らのパフォーマンスを見ようと、全会場でチケットが即ソールドアウト。今回は、10月14日に渋谷CLUB QUATTROで行われた東京公演の様子をレポートする。

 開演時間の19時ちょうどに、ヤングスキニーの4人がステージに姿を現した。拍手で迎えられた彼らがオープニングナンバーに選んだのは「東京」。ゆったりとしたメロディに、かやゆー。(Gt/Vo)の歌声が美しく乗り、早くもリスナーの目と耳を釘付けにする。次曲の「愛鍵」でオーディエンスが拳を掲げ、会場が一体になったところで「8月の夜」へ。報われない恋心を描いた苦しい歌詞に反して、サウンドはアグレッシブ。力強いバンドサウンドをしっかりと感じることができた。

ヤングスキニー(写真=Ryohey)

 「リリースしてる曲もしてない曲も山ほどあるんで、全部出し切ります。最後までよろしくお願いします」とシンプルだが熱を込めた挨拶をし、「テレビの中だけ」を披露。情景が浮かび上がるかやゆー。の繊細な歌声、ゴンザレス(Gt)の切なさを帯びたギター、土台をがっちりと支えるりょうと(Ba)、しおん(Dr)のリズム隊、どれもが聴いていて心地いい。また、「ワンナイト」では、かやゆー。の憂いと悲しさを含んだ声に胸がぎゅっと苦しくなりながらも、間奏では音粒の際立つサウンドにバンドの底力を見せつけられる。

 「最近ありがたいことにエゴサをすると、『かやゆーかっこいい』とか『イケメン』とか『付き合って別れて歌にされたい』とか色々出てくるんですけど、みんなが思っているようないい男じゃないんで。ゴミ人間なんで」という自虐たっぷりの前置きをしてから、新曲「ゴミ人間、俺」を投下。軽快なリズムに合わせて歌われる〈騙されたあなたが悪いんだよ〉という歌詞はタイトル通りであると言えるが、不思議と目が離せない。続けて「ヒモと愛」を披露。こちらも同様の雰囲気がぷんぷんと漂う曲だが、聴いていると体が自然と揺れていて、また聴きたいと思わせる力を持っている。さらに1stミニアルバム『嘘だらけの日常の中で』より「別れ話」をリアレンジした「Re:別れ話」、未リリース曲「美談」や、かやゆーがアコギを弾く「バンドマンの元彼氏」「ごめんね、歌にして」といったヤングスキニーのキャッチコピーである「嘘だらけで、矛盾だらけな日常を歌う」を象徴するようなナンバーをオーディエンスに届けていく。

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