BE:FIRST、楽曲に新たな解釈生み出すMVの味わい深さ クールなダンスシーンから柔らかなドラマ仕立てまで

 BE:FIRSTの「Betrayal Game」が、年間の優れたMVを表彰する音楽アワード『MTV VMAJ 2022』において「Best R&B Video」を受賞した。昨年の「ライジング・スター・アワード」から二度目の受賞となった。今回は本作「Betrayal Game」を筆頭に、BE:FIRSTのMV作品に注目してみたい。

 BE:FIRSTのパフォーマンスで特筆すべき点のひとつが、世界的に活躍する振付師によるコレオグラフィだ。s**t kingzをはじめ、有働真帆やQuick Styleが手がけたコレオグラフィは楽曲の世界観をより立体的にし、MVでも存分にそのパフォーマンスを味わうことができる(実際に筆者がストップウォッチを片手に検証してみたところ、「Shining One」「Gifted.」「Bye-Good-Bye」「Scream」は全体の約7〜8割がダンスシーンとなっている)。

BE:FIRST / Bye-Good-Bye -Music Video-

 一方、「Betrayal Game」のMV制作は、クリエイティブカンパニー・stuの黒田貴泰を迎え、テクノロジーを積極的に活用した撮影が行われている。日本に3台しかないという、世界最速のモーションコントロールが可能な撮影機材、Boltを導入。SKY-HIの「MV撮影が流れ作業的になってしまっている」という課題意識(※1)のもと、最新技術を取り入れながら、CGに頼ることない一歩先の挑戦をした映像作品に仕上がっている。

 もちろん本作も、トラックに乗せたキレのあるダンスが特徴だ。グルーヴィな重低音に、少ない音数が演出する洗練された空気感という“引き算の美学”は、BE:FIRSTの真骨頂であると言えるだろう。しかし、前述のMV作品とは異なり、本映像におけるダンスカットは約3割にとどまっている。これはメンバーの意見が反映されており、あえてメインであるダンスを前面に出さずイメージカットを多くすることで、メンバー自身の表情で楽曲を表現することにこだわったという(※2)。

BE:FIRST / Betrayal Game -Music Video-

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