KICK THE CAN CREW、新旧ごちゃまぜセットリストの裏に貫かれたこだわり レアな“5人”で再会も果たした武道館公演

さらにこの日のための「GOOD TIME!」リミックス(おそらく一生リリースされないとのこと!)、「地球ブルース~337~」で武道館に陽気な雰囲気が充満。MCではグッズになっていた空気の缶詰の武道館バージョンを会場の全員で制作(ちなみにここで一旦観客を席に座らせて、しばらくその状態でライブしていく)。そのまま「カンヅメ」へとなだれ込み「Playground」「ユートピア」としっとりと聴かせていく。そして「LIFELINE」では、山井絵里奈、渡辺理恵、宮本祐宣の3名のバレエダンサーとコラボレーション。幽玄なトラックとKICK THE CAN CREWのラップ、しなやかなダンスが溶け合う。こういった新たな試みを、それも20年も前の曲で、高いクオリティで実現させてしまうところは憎いくらいだ。

18年ぶりにセットリストに組み込まれたという「HANDS」で観客を立ち上がらせ、ライブもいよいよクライマックスへ。KREVAが言うように次の曲「Boots」のリリックと繋がりを感じながら、「アンバランス」「トライは無料」と改めて新旧の曲が渾然一体となったセットリストに驚かされる。前日のソロのステージとはまた違い、昔からの仲間とのラフな会話も挟んで「玄関」そして「住所 feat. 岡村靖幸(Extended Ver.)」でさらに心地よい高揚へ武道館を導いていく。
ライブは「マルシェ」で大団円に。その後、一度ハケてアンコールかと思いきや、「このままアンコールに行きたいと思います!」とまさに缶を目標に喩えた現在進行形のKICK THE CAN CREWのテーマソングと呼びたい「THE CAN(KICK THE CAN)」をラストソングとしてプレイ。目標を追うこと、それを楽しむこと、それで楽しませること。その3つの弛みのないループがKICK THE CAN CREWのステージにはあった。その純粋さから生まれた曲たちは時を超え、そこにある情熱は誰かを震わせ、受け継がれ、また新たな美しいループを生むだろう。缶蹴りは終わらない。



※1:https://youtu.be/X4vxTGoM3zw

























